たまおの星便り-星海原の航海日誌。  

日毎夜毎、船橋から房総九十九里へと繰り出し、星空を駆け巡る観測日誌。

・2021/9/20 中秋の名月前夜、月明下の3彗星。

2021-10-01 | たまおの星便り

 9月に入って雨模様の毎日が続いた。統計的には毎年この時期は梅雨時より雨量が多い。だがそれは台風の影響が大きいからだろう。直撃の台風はなくても新月期に合わせたかのように秋雨前線が停滞して連日、雲が空を覆った。
 あまりに晴れないのでわずかな時間でも星が見えるなら海岸に向かおうと臨戦態勢でいると「今年の中秋の名月は8年ぶりの満月」などとニュースに流れ始めた。一晩中、月明かりに空が照らされる時期が来てもう臨戦態勢を解こうとした満月一日前に急に夜空が晴れ渡った。
 薄明開始が午前4時前、月没が午前4時10分。暗夜はほぼない。それを承知で午前2時前に海岸に到着した。太った月が西の空低くまばゆく輝いている。月光を避けるように砂の丘の影に機材をセットする。
 未明には11等台の彗星がいくつか東天に見えている。今回はCometBP(コメット・バンドパス)フイルタを使って撮影を試みた。彗星の青い尾や赤いガス星雲の光だけを透過させる光害カットフイルタが月明りの影響を減らす効果があるかも確かめてみたかった。
 南東の空高い67Pチュリュモフ-ゲラシメンコ彗星(画像上左)を皮切りに15Pフィンレー彗星、4Pフェイ彗星(上中)、北東の空のC/2019 L3アトラス彗星 (上右)と写野に収めていく。月が大きく西に傾き光は弱まったもののそれぞれ画像のカブリが強く写った星の数は暗夜の半分以下だった。暗夜であれば容易に写る13等台の15Pフィンレー彗星ははっきりと確認できなかった。
 それでも11等台の3彗星の青いコマや微かな尾は強烈な月明りの中でも明確だった。満月期は避けるにしても半月よりも細い月明りのある快晴夜でフイルタの効果を試してみたいと思った。

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