モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

薬師岳でニッコウキスゲを見た。(2018年7月9日)

2022年07月24日 | 和賀岳・真昼岳

昨日(7月23日)、無事帰宅しました。ブログを再開致します。


(本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものである。)(再アップ)

和賀岳、薬師岳は近場にありながらも未踏のままだった。理由は登山口に通じる林道の通行止め。

その林道が昨年11月、久々に開通したと聞いたので、今年こそは行かなくちゃと思っていた。
下の写真は、6月26日、真昼岳山頂付近から和賀岳方面を眺めたもの(詳細はこちら)。

6月26日、真昼岳山頂付近から和賀岳方面を眺めた。


初めに約三時間かけて薬師岳(1218m)に登り、次に稜線を二時間くらい歩いて(小鷲倉を越え)、
和賀岳山頂(1440m)となる。
どうせ行くなら、稜線上にニッコウキスゲが咲く7月上~中旬にしようと思った。

しかし、7月になった途端、梅雨前線が張りだし、なかなか晴れてくれない。
7月9日は梅雨の合間の小さな中休みのようだったので、秋田側、真木渓谷甘露水から挑んでみた。




この日の朝は予想通り、晴れたが、前日までの長雨のせいで、山には湿気がたっぷり。

まるで蒸し風呂の中を歩いているようで、カメラのレンズもあっという間に曇ってしまった。


登り出しのブナ林。

レンズがこんなに曇りやすいのは初めてだ。                                                 滝倉の上、避難小屋跡地に立つ枯木。
 


途中の滝倉(渡渉点)では、 ( ̄π ̄;滝汗が流れ、倉方を過ぎた辺りから、熱中症の兆候が。

ハーハー言いながら休んでいると後から来た方、数名に追い越される。
今回は一週間前の岩手山(こちら)の時とは体調がだいぶ違う。これは無理しない方がいいかなと思った。

倉方を過ぎるとほどなく片側がガレ場になった尾根道を登るようになる。 


倉方を過ぎた辺りから薬師岳方面を見る。



どうしたんだろう。日差しがとても眩しい。
目がクラクラして、足がさっぱり動かなくなってしまった。
 

咲き出したばかりのクガイソウ                                                                 タテヤマウツボグサ(蕾) 
 


キリンソウ




イワオウギも咲き出したばかり。                                                                 ウスユキソウ 

 


他に咲いていたのは、ヤマブキショウマ、オオバギボウシ、タカネアオヤギソウ、ニッコウキスゲ、
ミヤマトウキ、エゾノヨロイグサ(?)、オオカサモチなど。

シラネアオイはとっくに終わって結実中。
花はまだ咲いてなかったが、他にはヨツバヒヨドリ、ヒトツバヨモギ、クロバナヒキオコシ、タムラソウ、ハクサンシャジンなども多かった。

この場所、もう半月くらいしたら、けっこう賑やかなお花畑になりそう。

薬師岳山頂が近づくと、和賀岳がドーンと目の前に見えて来た。
しかしまだまだ遠い。和賀岳は遥かなるお山だ。 


薬師岳山頂付近から見た和賀岳の山なみ


左は小鷲倉。和賀岳山頂は右側の山。




薬師岳山頂標(1218m)                                                                                    イブキトラノオ

 


薬師岳山頂を過ぎるとそれまでパラパラ咲いていたニッコウキスゲがワッと増えた。

薬師平にかけての北の稜線や西側斜面はニッコウキスゲにほぼ埋め尽くされていた。
既に開花ピークを少し過ぎていたが、まだ十分見れる。


薬師岳から見た和賀岳とニッコウキスゲ 




薬師岳山頂をバックにニッコウキスゲ 



遠く真昼岳を眺めながら。

 



薬師岳北稜線のニッコウキスゲ 




小滝山と白岩岳(右側) 



ところで、薬師岳にうじゃうじゃ咲いているニッコウキスゲだが、

これより南の奥羽山系では一旦、途切れ、真昼岳や焼石、栗駒では見当たらない。
ただし栗駒山系では宮城側の世界谷地、それと神室山系に少し現れ、また途切れる。
鳥海や月山など日本海側高山には豊富だが、太平洋側では花の名山・早池峰も含め、北上山地には無いようだ。
かと思うと、岩手や宮城、山形の低地のあちこちには生えている。
どこの山にでもある花だと思っていたが、その分布には意外にも粗密があった。


ニッコウキスゲ



続いて、薬師岳山頂から薬師平にかけてのニッコウキスゲ以外の花の様子も。


ミヤマトウキ                                                                                               イブキトラノオのアップ

 
 

イブキトラノオは東北では割と珍しい。
ここ以外には白神岳(こちら)と真昼岳の一部(こちら)、白子森(焼石)、蔵王の一部、朝日、飯豊くらいでしか見られないようだ。
派手ではないが、気に止めておいてもらいたい花のひとつ。


オニアザミ




タカネアオヤギソウ                                                                                   ハクサンフウロ(咲き出したばかり)

 


薬師平のコバイケイソウ                                                                              ニッコウキスゲ、薄色の株。
 

これから咲く花としては、トウゲブキやハクサンシャジン、マルバキンレイカ、キオン、ヨツバヒヨドリなどの葉が目に付いた。
また意外な花として、ここにも低山性のタムラソウが多かった。
結局、今回は体調不良を理由に和賀岳までは行かず、薬師平で引き返すことになった。
やはり私にとって、和賀岳は遥かなるお山だった。

私よりも先に登られ、和賀岳山頂まで行って戻って来た健脚者の話では、この日の山頂部稜線のニッコウキスゲはまだ三分咲きくらいだった。また小杉山から先は藪が濃く、全身びしょ濡れになってタイヘンだったとのこと。
体調不良も有ったが、単独でしかも自身にとっては初めての山、無理しないで正解だったかもしれない。
そうこうしているうちに西の方から雷鳴が聞こえて来た。南の空はまだ明るいが、急いで下山することとした。


薬師岳から見た真昼岳(左の三角ピークは女神山)。

 

下山途中、倉片付近から雨になった。
今年初の雨ガッパ着用となったが、滝倉まで降りたら、今度は日が射して来た。山の天気は変わりやすいものだ。


今回、薬師岳に登った甘露水登山口の手前、真木林道沿いの岩場で出会った花たち。
ヤマスカシユリとカワラナデシコ。前者はちょっと珍しい百合のようだ。


ヤマスカシユリ Lilium maculatum var.
monticola



カワラナデシコ

 



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