私たちは本当に悩んでいた。
伸は自分の将来と楽しい中学生活のために中学受験をしたそうだ。
科学者になりたいのも勿論あるだろうが、
そもそも今の公立小学校の授業がとても苦手なのだ。
私たちはずっとこの土地にいるつもりは無かった。
転勤族なのは仕方が無いとしても、
親戚も友達(ママ友除く)も誰ひとりいないこの土地を終の棲家にする気はなかった。
私は子どもがいないときは割とどこに住んでも平気だったのだが、
妊娠してからはずっと関東に帰りたくて、いつも転勤を願ってきたのだ。
まして、中高一貫に進学した場合、六年間固定である。
うちは下(次男)も控えており、この先どうなるかまったく予想がつかない。
しかもその間の主人の転勤だってあり得る。
そうすると母一人子二人の子育てになる。
母一人で男子二人の子育て…、私はまったく自信がなかった。
どこかに受かったら受かったでその時考えよう。
落ちたら落ちたで公立中に行き、フットワーク軽く転勤を待とう。
そう思って決着した。
塾選びとしては、
主人が単身赴任になることを加味すると、
メンタルまでみてもらえそうだし、
アットホームなSアカデミーがいいかなと思っていた。