前回は主張(メッセージ)の価値についてお話させて頂きました。

弁論大会やスピーチコンテストでは、出場者が様々な主張をもって話をします。主張の内容が被ることは滅多にありません。

 

さて、ここでスピーチや弁論をしている皆さんに振り返ってもらいたいことが有ります。それは、「貴方の人生の主題(テーマ)」です。

いきなり人生のテーマなどと言われても何のこと?と思う方もいらっしゃるかもしれません。弁論やスピーチとは自分自身の考えを聴衆に向けて発信するものです。であれば、日常で普段から自分自身に問いかけているテーマが有るのならば、そしてその問いかけの回数が多い程、そのテーマに関する考えは深まっているのではないでしょうか。

 

スピーチの勉強を初めて10年程、私はコンテストや多くの人に向けて話す機会に向けて作った、いわば本気で考えてきた数々のスピーチを振り返ってみました。主張をそれぞれ見てみると・・・“人はその内面に神性を宿す”、“例え結果が出なくとも人は成長している”、“自分の力は自分が気付かなくても、見てくれている人が居る”・・・どのスピーチも主張こそ違えど、テーマは収束していました。曰く、「自信を持て、自分を信じろ」

 

きっと、これが「私の人生の主題(テーマ)」だったのでしょう。

そもそも、このブログ自身もスピーチと共に、自信を持つために必要なことが主題となっていますしね。

自分は、手を変え、品を変え、10年も同じ主題について取り組み、訴えてきたんだな。。。このことに気付いた時は、拍子抜けすると共に感慨深いものが有りました。

 

 四六時中向き合っていたからこそ、作るスピーチの主張が無意識のうちにそこに収束していきます。普段悩んでいるからこそ、綺麗ごとでは済まない実感が湧きます。多くの人に伝えたいと思えるからこそ、言葉に熱が籠るのです。

 

 貴方は、自分の人生のテーマに気付いていますか?もし気付いていなければもう一度自分の今までのスピーチ・弁論を振り返ってみてください。必ずや共通するテーマが浮かんできます。

そのテーマこそが貴方の最も訴えたい、最も得意なテーマなのです。

 

テーマは自分なりの答えを見つけることで変わっていきます。だから、納得のいくまでとことんこだわってそのテーマに取り組むと良いでしょう。そしてそれこそが、スピーチ・弁論の上達へと繋がります。