「一緒に東北にトーストマスターズを増やしていかない?」

 春のコンテストも終わり、ひと段落した初夏。神奈川トーストマスターズクラブの創始者であり元ディストリクトディレクターのO江さんから、そんなお誘いが有りました。

 

 トーストマスターズの活動は関東では盛んですが、その他の地域では中々根付いていないのが当時の現状でした。特に東北は仙台に4クラブ、青森の米軍基地に1クラブとクラブ数も少なく、その他の県では全く知られていません。

私の出身は秋田県。県民は基本的には見知った間柄、またはお酒日本酒でも入らない限り、あまり喋らない人が多いことを知っており、それは東北6県ともそう変わりませんでした。

 

 この活動を東北、ひいては自分の生まれ故郷の秋田に普及することに、大いに意義を感じた私は、東北にトーストマスターズクラブを作る活動に積極的に参加することとしました。

 丁度、O江さんが入会しているプレゼントーストマスターズが、アウティング(会員の旅行)で福島に行くというので私も同行することに。半ば旅行みたいなものです。初めてお会いする方も何名かおられましたが、すぐに打ち解けました。

 

 常磐線バスに乗り福島県の浜通り、いわき市へ。そこからレンタカー車に乗せてもらい東日本大震災で被害を受けた、相馬市松川浦へ。

 訪れた時は天気も良く波も穏やかな場所でしたが、倒れた木々や家屋の跡など津波の爪痕がいたるところに見受けられました。

 夜は地元の宿に宿泊し、そこで復興に取り組まれている地元の方とお話しました。

 

 余談ですが、この当時の私は体重が今より15kg多く、お刺身や釜飯などの海の幸に舌鼓を打ったもののお腹が苦しくなり、ダイエットを誓ったことを覚えています。

 

 翌日は、会津磐梯山に行き、そして福島へ。ここまでは観光ですが、その後に福島駅近くで2つほど例会のできそうな会場を見学して回りました。

 

 通うとしたら新幹線で2時間近く。費用もお金もかかる。ただ、それでもこの活動を東北に普及出来たら、心の面から東北の復興にも繋がるのかもしれない。当時は、そんなことを漠然と思っていました。

 

 「東北にトーストマスターズクラブを増やそう」

これは、その後の私のトーストマスターズの活動目的のひとつとなります。