2016年の春。スピーチコンテストのシーズンが始まりました。

会長の任務も無く、昨年秋の大会の運営も終えたこともあり、今回はスピーチに集中しようと思って臨んだシーズン。

 

選んだ話の内容は、仕事で失敗した時にどんな言葉を掛けてもらったか。どんな言葉を掛けてあげるべきか。それを自分の経験から話すというもの。

改めてみるとオーソドックスな内容でした。良く言えば、万人の共感を得ることができる。悪く言えば、どこにでもありふれた内容。

 

クラブコンテストを突破し、エリアコンテストに臨みながら思っていたのは、

「本当にこのスピーチで行けるのか?」

今考えてみると、本当はこの思いは少し違っていて、正しくは

「本当にこのスピーチがやりたいのか?」

だったのでしょう。

 

確かに話としては外さない。まとまったスピーチではある。しかし、自分が本気で伝えたいことになっていない。もっと言うと、自分自身がその主張を消化しきれていない、その通りだと心の底から思いきれていませんでした。

 

神奈川トーストマスターズのメンバーからも、色んな角度からアドバイス(半分文句の様な改善点)を頂き、他のクラブにも参加してスピーチ内容としては磨いてはいたのですが・・・。

 

エリアコンテストを勝ち抜き、私の中では「本当に良いのか、このスピーチで良いのか?」そんな気持ちがどんどん膨らんでいきました。

 

 長年培った表現技術が活きている、それは素晴らしいことであったと同時に、内心で話し手として一番大切な「聴衆にこのメッセージを届けたい」という気持ちが無いスピーチをすることに悩んでいました。

 

 それでもここまで来たのだから。。奮い立たせつつ迎えたディビジョンコンテスト(準決勝)。

 そこでの優勝、そして決勝戦である全国大会への切符。おそらく2位の方とは僅差だったのではないでしょうか。心からの素晴らしいスピーチをされていました。

 

 優勝の喜び、そしてそれ以上に「これで良いのか?」という葛藤。

決勝の全国大会に駒を進めることとなった私は、その葛藤と2016年春季コンテストシーズンの最後まで向き合う羽目になりました。