筋トレによる代謝アップにどれくらい「やせ効果」があるのか
昨日に引き続き「数字で考えるダイエット」第二弾。
筋トレで筋肉量が増えると代謝が上がり、やせやすくなるらしい。
脂肪を減らすには有酸素運動が有効だということは理解している。理解はしているが有酸素運動はそれなりに時間をかける運動を習慣にする必要があるので、結構しんどい。
もしちょっと筋肉をつけるだけで運動せずとも勝手にやせていく体が出来上がるなら、ぐうたらを自負する者としてぜひとも試しておかなければならない。
ということで今回は筋肉をつけて代謝を上げることでどれくらいダイエット効果があるのか、そのためにはどれくらい筋肉をつける必要があるのかを調べてみた。
代謝とは
ここで言う「代謝」とは基礎代謝のことだ。基礎代謝とはヒトが1日で消費するエネルギーの一種で、内臓や脳、筋肉を維持するために何もしなくても消費されるエネルギーを表す。
1日のエネルギー消費量の内訳は大きく分けると下記のように分類される。
基礎代謝量(60%)
食事誘発性熱産生(10%)
身体活動量(30%)
基礎代謝のほかに食事誘発性熱生産、身体活動量がある。
食事誘発性熱産生は食事を行うことで消費されるエネルギーの量。身体活動はいわゆる「運動」である「運動性身体活動」と、それ以外の家事等の日常生活活動「非運動性身体活動」をあわせた、身体を使う活動で消費されるエネルギーの量。
運動を含む「身体活動量」が30%なのに対して、「基礎代謝量」は60%を占めている。1時間あたりの基礎代謝量を上げることで一気に1日の消費エネルギー量を増やすことができそうだ。「基礎代謝量を増やすとやせやすくなる」というのは間違いではなさそう。
ではその基礎代謝量全体の中で「筋肉量」がどれくらいの影響を持っているのかをみよう。
下記の表は体重70kgの場合の基礎代謝量の内訳を表したものだ。
表の「骨格筋」の行が筋肉が消費するエネルギー量を表す。比率で言うと基礎代謝量全体の22%が筋肉により消費される。筋肉1kgあたりの1日のエネルギー消費量は13kcalらしい。
脂肪(脂肪組織)もエネルギーを消費しているが、1kgあたりの1日のエネルギー消費量は4.5kcalで筋肉の1/3程度になっている。他の内臓は1kg当たりのエネルギー消費量が筋肉と比較しても非常に大きいが、これらは頑張って重さを増やせるものではない。
つまり自分がコントロールできるものの中では「筋肉量」を増やすことが最も代謝量アップにつながりやすいということだ。
表のサンプルは基礎代謝量の総量が1700kcal、筋肉量が28kgになっているが、自分に当てはめる場合は自身の基礎代謝量と筋肉量を計測する必要がある。
自分の筋肉量がどれくらいあるのかはジムで測ってもらったり、タニタやWithingなどが出している「体組成計」で計測することで確認できる。
ひとまず筋肉1kgあたりで13kcalを消費する、というのを目安として覚えておこう。ポイントは「筋肉が1kg増えたら1日の消費エネルギー量が13kcal増え、筋肉が1kg減ったら消費量が13kcal減る」ということだ。
自分の基礎代謝量を算出する
この後の話にはあまり関係ないのだけど、自分の基礎代謝量が気になったので算出方法を調べてみた。いくつか計算式があるらしい。
国立健康・栄養研究所の式(Ganpuleの式)を使うと
基礎代謝量を年齢、身長、年齢から算出することができる。
男性の場合
(0.0481xW+0.0234xH-0.0138xA-0.4235)x1000/4.186
女性の場合
(0.0481xW+0.0234xH-0.0138xA-0.9708)x1000/4.186
(W:体重(kg),H:身長(cm),A:年齢(歳))
計算してみると私の基礎代謝量は「1658kcal」だった。
これが1日のエネルギー消費量の60%だとすると、私の1日のエネルギー消費量は
1658 * 10/6 = 2763.3kcal
となる。実際は基礎代謝以外の運動量によって変わるわけだけど、特に運動しない場合はこの数値が私が1日に摂取して消費しきれるエネルギー量となる。
体重が減らないということは、この数値以上のカロリーを1日で摂取してるということだ。
筋肉量を1kg増やすにはどれくらい筋トレが必要なのか
話を筋肉に戻そう。
筋肉が1kg増えたら1日の消費エネルギー量が13kcal増えるということは分かった。では筋肉を1kg増やすのにどれくらいの筋トレが必要なのだろう?
調べたところ、頑張って筋トレしたとして「1ヶ月で1kg増やすのが上限」らしい。
1ヶ月頑張って筋トレしたら筋肉量が1kg増え、その結果1日あたりの消費エネルギー量が13kcal増える。それを1年頑張れば1日当たりの消費エネルギーが156kcal増える。何もしなくても(筋トレしてるけど)毎日ウォーキング30分するのと同じくらいのエネルギー量が追加で消費されるようになるわけだ。
筋トレを限界まで頑張った結果として1日当たりの消費エネルギー量が156kcal増える、というのが効果として大きいのか小さいのかよく分からないが、筋肉を増やすことがやせることにつながるということは分かった。
でも筋肉をつけることを主な目的としてそのおまけとして太りにくくなる、という考え方ならアリかもしれないが体重を減らすことを目的とする場合に筋トレメインにするのはちょっと遠回りかもしれない。
まとめ
残念ながらちょっと筋トレしただけでやせ体質になって、運動しなくても体型維持できる、という考えは甘かったらしい。やるならバッキバキの身体を作るつもりで本気で筋トレに臨まないといけないようだ。
結局のところすぐに脂肪を減らすには、食事で摂取するエネルギー量を減らし、地道に有酸素運動を続けて消費カロリー量を増やすしかないのか…。
運動はするけども…それでも諦めずにもっと楽な方法を探し続けたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?