それにしても、自分で死を選んでいい時代が来たとは、信じられない。国によって安楽死が許される病気や症状は異なるのだろうが、例えば癌で余命半年と宣告されても、何年も生きたり、治癒したりした人もいる。認知症も、最近解明しつつあり、治療薬に期待が湧く。それでも死を選べるのか。

自分は両親の死を施設で看取ったが、母は何日か前から水を飲むとむせ、息もあまりできず、非常に苦しそうだった。死んだ瞬間は、ようやく安らかになったようだった。父が死ぬ瞬間は、施設を離れ昼食を食べようとしていた時なので会えなかったが、その30分ほど前までは苦しい様子はなかった。

自分は死ぬのだったら、苦しまない老衰か、手術中に麻酔の効いたまま死ぬのがいいと思っている。植物人間になるのも嫌なので、家族には生命維持装置は必要ないと言ってある。


母の苦しむ様子を見ているので、苦しいのだったら、安楽死もやむを得ないかなとも思う。ただ、自ら積極的に死を選ぶことには抵抗がある。さほどの苦しみでないなら、死を選ぶのはどうかとも思う。


しかし、結局は個人の選択になる時代が、日本にも来るのだろうか。

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