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Sonible smart:comp2レビュー Ver1と比較して変わったポイント

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AI解析でユーザーが求めるミックスを提案してくれるsmart:compがバージョン2になりました。

結論から言うとバージョン1より音質、使い勝手がさらに良くなり、コンプサウンドの扱いになれていないDTMerからプロユーザーまで幅広く扱えるVSTプラグインに進化しています。

コンプを使って「音がなまる」「もっと最適なコンプサウンドの答えがほしい」という人にバージョン1以上にAI解析が強い味方になってくれます。

しかし逆を言うと「もっとチューブタイプのコンプサウンドがほしい」「実機をリアルにシミュレーションしているタイプがいい」という人にはオススメはできません。

smart:comp2は味付けのない自然なコンプサウンドからコンプカーブを柔軟に変化させたユニークな設定が最大の売りのデジタルコンプです。

この記事ではsmart:comp1と音質や使い勝手を比較しながらかんたんにレビュー及び解説していきます。

Sonible smart:comp2
総合評価
( 4 )
メリット
  • 2000バンドの自然なコンプサウンド
  • AI解析プリセットの充実
  • CPU負荷が低い
  • 最大8つの比較テスト
デメリット
  • 価格が高い
  • コンプのタイプは選べない
UG
  • 元ゲーム音楽屋(NintendoDSなど)
  • 作曲歴20年以上
  • DTM記事執筆500以上
  • ショートアニメ、CM、企業PV音楽を制作
  • 詳しいプロフィール
タップできる目次

Sonible smart:comp2 概要

画像
メーカーSonible
製品名smart:comp2
特徴ワンクリックで自動圧縮パラメーター化
音色とダイナミックバランスのためのスペクトル処理
サイドチェーン信号のためのスペースを作成するための周波数依存ダッキング
複雑な圧縮目標のための自由形式の伝達関数とテンプレート
圧縮結果の特性を変更するためのカラーおよびスタイル ダイヤル 
自動出力ゲイン、ミッド/サイド処理、
入力レベル ライディング、サラウンド サウンド サポート
システムマック
macOS 10.9+  
(M1 Apple Silicon 対応) (64 ビットのみ)
RAM – 4 GB 以上 (推奨)
CPU – Intel DualCore i5 以上 (推奨)
AU、VST2、VST3、AAX、MultiRack Native

ウィンドウズ
Windows 10 以降
(64 ビットのみ)
RAM – 4 GB 以上 (推奨)
CPU – Intel DualCore i5 以上 (推奨)
バージョンv1.0.0(2022-08-03)
認証方式iLok Keyおよびパソコン本体による認証方式
容量157.9MB
マニュアル英語版のみ
価格€129
備考体験版あり(30日間使用期限)

Sonible smart:comp2AI解析によってユーザーに最適な音質を提供するプラグインです。コンプ以外にも

smart:EQ smart:limitsmart:Reverbなどがあり、それぞれでプロの間からも高い評価を得ています。

Sonible smart:comp2 レビュー

音質4
機能性(オリジナル性)4
操作性(使いやすさ)4
安定性(CPU負荷)4
価格(セールバリュー)3
総合評価3.8
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音質

4

Sonible smart:comp2の音質は非常にクリーンでナチュラルでありサチュレーションによる味付け等はありません。とても使いやすい印象ですが、ユーザーによっては「面白みがない」と感じる人もいるかもしれません。

ここではsmart:comp1と同じ設定にして音質比較をしてみます。またSpectral CompressionはSensitivityは150%にしています。

Drum Dry
画像
Drum smart:comp1
Drum smart:comp1 Spectral Compression ON
画像
Drum smart:comp2
Drum smart:comp2 Spectral Compression ON

2の方が解像度が高い印象ですが、若干軽印象もあります。

Spectral Compressionは素材によってはスレッショルドを下げ気味に使った方がわかりやすい場合があります。

ちなみに上記のドラム素材でスレッショルドを-35.1まで下げた状態でSpectral Compressionを使う次のような結果になります。

smart:comp1 Spectral Compression -35.0
smart:comp2 Spectral Compression -35.0

ここまで深い使い方はあまりしないと思います。音的にもこれがよい結果という判断であるとは断言しません。

しかし、音質的にみてもやはりsmart:comp2の方よりクリーンな印象を受けます。

次にベースで比較してみます。

画像
Bass Dry
Bass smart:comp1
Bass smart:comp1 Spectral Compression ON
画像
Bass smart:comp2
Bass smart:comp2 Spectral Compression ON

smart:comp2の方がより精度が高いコンプッションを行っている印象です。とくにSpectralCompression不用意に出過ぎる帯域を抑えるそんな印象があります。

SpectralCompressionについてこちらの動画が参考になります。

結論としてはSpectralCompressionを使うことで不明瞭なミックスを回避することが可能になります。

またサイドチェインを使うことでベースとキックの棲み分けをより明確に行えます。

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機能性

4

smart:comp1と比較してまず目につくのが、比較ボタンの多さです。1はA/B比較だったのに対して2では8個まで設定を簡易保存し比較ができます。

この多さは例えば微妙な設定の違いを聴き比べるとことでよりベターな音作りのきっかけになるのでとても便利です。

続いて、2になったことでAI比較プリセットの量が大幅増加しました

特にミックス系の充実度が高い印象です。プリセットからみてもマスターで使うことを想定している印象があります。

smart:comp2 mix dry
smart:comp2 wet preset mix RnB

続いて、SpectralCompressionに、styleとColorの新しい項目が追加されました。これらはコンプの色付け的な立ち位置で使用できます。

そして最大の機能なのがsmart:comp 2’s free-form transfer functionです。

これはコンプのカーブを段階的に調整できる機能になります。これについて公式は次のように解説しています。

自由形式の伝達関数により、スレッショルド以下でもラウドネス レベルを圧縮または拡張できます。圧縮グリッドは、信号に何が起こっているかを視覚化します。線が押しつぶされている領域は圧縮され、線がさらに離れている領域は拡大されます。

引用元:smart:comp 2’s free-form transfer function

素晴らしい機能でありこれを求める人も多いですが、この機能を使いこなすためにはコンプレッサーの基本、またはそれぞれのコンプの挙動を理解しておく必要があります。

ですが、使ってみるとやりたい結果なのかはすぐに分かるので色々と試してみるのがよいでしょう。

これ以外にもメーターのGRが表示、サイドチェインやM/S処理の搭載によって1と比べると大幅にアップデートしたことがわかります。

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操作性

4

Sonible smart:comp2に限らずSonibleの製品はすべてGUIがわかりやすいです。そのため操作性が悪いという印象はありません。

意味がわからなくても表示されているパラメーターを操作することでわかりやすい結果が提示されます。

smart:comp1ではどれだけコンプッション(ゲインリダクション)されているかがアニメーションとして表示されていましたが、GRの数値は表示されませんでした。それが2になって具体的な数値も表示されるようになりました。

コンプの使い方を理解するうえでDTM初心者が知ってほしいのは「どれだけゲインリダクションされているか?」ということです。ここがわかればコンプは一気に理解が進みます。

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安定性

4

特に重たさは感じません。ドラムのステムとベース(両方ともオーディオトラック)単体に使ってたCPU負荷が以下の通りです。

マスターに指すとシングル負荷が出てくるようになります。

画像

単体ではそれほど重たさを感じませんが、他のプラグインとの兼ね合いでは負荷が高いと感じるユーザーもいるかもしれません。

CPU負荷計測環境

パソコン  Macmini2018

CPU  Corei7(i7-8700B)6コア 

HT使用時12コア 3.2GHz/ターボブースト(TB)使用時4.6GHz

メモリ 32GB

システム OS11.6.5Big sur

Audio/IF APOGEE symfony Ensemble

バッファー 256

DAW   LogicPro10.7.4

48kHz/24bit

再生ストレージ SSD

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価格

3

メーカー価格€129

AIによる自動解析、2000バンドと言われているSpectralCompression 視認性の高いGUI M/S処理、サイドチェイン、これらをかんたん扱えるシンプルな操作性、これらの機能から見て€129が安いか?と言われると個人的にはNoですが、€89ならばよい価格だと思います。

PluginBoutiqueではもう少し安く€80で販売しています。またPluginBoutiqueでは€89のFocus Elements Bundleが今ならただでもらうことが可能です。

Focus Elements Bundleは自然な音像処理を得意とするプラグインです。smart:comp2と一緒に使うことでよりクオリティの高いミックス処理の可能性を広げてくれます。

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関連動画

公式によるチュートリアル動画です。非常にわかりやすいためマニュアル的な使い方をするとよいでしょう。

また、他のコンププラグインへの応用にもなり非常に勉強になります。

まとめ

メリット
デメリット
  • 2000バンドのSpectralCompression
  • AI解析プリセットの充実
  • かんたん操作
  • 軽い
  • 最大8つの比較テスト
  • 価格が高い(現在セール中)
  • コンプのタイプは選べない
音質4
機能性(オリジナル性)4
操作性(使いやすさ)4
安定性(CPU負荷)4
価格(セールバリュー)3
総合評価3.8
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音質から操作性まで非常に優れたデジタルコンプです。味付けがほしい人には向きませんが、無色透明なコンプはミックス時から音色作成時まで役に立ちます。

以前はizotopeのNeutronのコンプと比較することもありましたが、izotopeはコンプだけではAI解析はありません。音質面ではNeutron4のコンプの方がかなりバキッと効くのでsmart:comp2と同じ製品として比較する必要性を感じません。

ではNeutron4をもっていればsmart:comp2は必要ないのか?と言われるとそうではなく、Neutron4の味付けを無理なくプッシュする立場で使うのもよいように思います。

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