10月9日、キッシンジャーはイスラエル大使から衝撃的な事実をしらされる。
「イスラエル軍は戦闘機49機、戦車500台をうしなった」
戦場ではエジプト軍がソ連の最新兵器「誘導型対戦車ミサイル」などをもってイスラエルを圧倒していた。前線を視察した国防大臣モシェ・ダヤンはこうつぶやいた。
「第3神殿はおしまいだ」
イスラエル首相ゴルダ・メイアはキッシンジャーに緊急連絡をとり大量の武器の援助をもとめた。このときメイアは核兵器の使用をほのめかして交渉をおこなった。
モンタナ大学准教授オーウェン・サーズ氏の証言
「イスラエルの核ミサイルはエジプトの首都カイロを射程におさめていました。イスラエルはソ連とアメリカに対して必要であれば核の使用にうったえるという明確なメッセージを送っていたのです」