いつも、ありがとうございますビックリマーク

独立型社会福祉士の岩本和孝です!!

 

2021年度の介護保険報酬改定が決定しましたアップ

新型コロナウィルス感染症の対応による特例的な評価の「0.05%」を除くと実質的には、「0.65%」のアップとなり、2015年度介護保険報酬改定の時の「マイナス2.27%」からの流れでは、「2.19%」のアップとなりました。

 

 

今回の改定率だけをとらえてしまうと「微増」の改定と受け止めるしかありませんが、2015年度の大幅なマイナス改定以降のプラス改定の流れからみると基本報酬の上げ幅は「微増」とは言えないのではないでしょうか。

 

今回の介護保険報酬改定で大きく注目すべきは2点です。

 

① 介護人材確保政策による「サービス提供体制強化加算」の見直し

② 制度の安定性、持続可能性を高めていくための「LIFE」による情報収集・活用

 

今回は①「サービス提供体制強化加算」の見直しについてお伝えをさせていただきます。

この見直しにより、新設された上位区分の報酬を算定できる事業所は増収となり、旧区分で算定をする事業所には大きく減収となります。

ポイントは、3つです。

①下位区分の「Ⅳ」、「Ⅴ」が廃止

②上位区分が新設

③区分Ⅲの「勤続3年以上」が「勤続7年以上」へ見直し

 

 

例えば、新設された区分Ⅰの算定要件は「勤続10年以上の介護福祉士割合が25%以上」または、「介護福祉士の在職者割合が60%以上」ですので、「勤続年数割合」または、「介護福祉士の在職者数割合」のどちらかを選択して満たす必要があります。

(注)介護福祉士の在籍者割合はサービス毎に異なります

 

介護労働安定センターが公表している令和元年度の介護職の法人別平均勤続年数では、「5年未満」の勤続年数は46.0%、「5年以上10年未満」の勤続年数は27.5%、「10 年以上 15 年未満」は 14.7%です。入社してから、10年未満で約8割の職員が入れ替わってしまうことになりますので、「勤続年数」の要件がクリアできる法人は一部に限られることが予想されます。

 

また、介護福祉士の在籍者割合で算定をする場合には、介護保険サービス種別で異なりますが、最上位区分では「60%以上」が最低でも必要です。

 

特に上位区分を算定するためには、介護福祉士の受験資格が2015年度から、実務経験ルートの受験要件に「実務者研修の修了」が追加されましたので、同年の受験者数は約8万人、合格者数は約6万人となり、合格者数では「受験要件」が追加される前と比較をすると約1万人減少していますので、「介護福祉士」の「在職者数」と「勤続年数」は大きな壁となります。

 

今後、「サービス提供体制強化加算」の上位区分を算定していくのであれば、①介護福祉士を含んだ介護職以外でも行える業務は介護職以外の人材の活用、②介護職などの専門職が専門スキルを深化させたサービス提供、③職員のライフステージに応じた給与などを含んだ就業条件・環境の改善、の3点へは最低限取り組んでいく法人のみが生き残っていくのではないでしょうか。