さるぶつGOO

宗派や宗教団体の壁をガン無視して、自由な「信仰のある生活」を楽しみたいと思います。

【二種回向論 その3】

2020-07-26 20:44:39 | 仏教講座
懸案となっております「二種回向論」ですが、
「教えられて」「促されて」「命令されて」(還相)
「何かをする」(往相)
という、実は、ただの一般則にすぎないということに、お気付きいただけましたでしょうか?
何を難しいこと考えてるんですかねえ?


なのですが、一つだけ重大な注意点があります。
これを忘れたら、坊主やめろ!と、断言します。
それは、前回も申し上げましたが、
「還相の主体は仏様」
「往相の主体は人間」
「回向の主体は阿弥陀様」
ということです。
この分別を忘れないでね。
これは、忘れたら怒るからね。
この分別を曖昧にしてるところ見たら、マジ切れするからね。


というわけで、前回の結論は、


仏様「阿弥陀仏!」(還相)
人間「南無!」(往相)
「南無」(往相)「阿弥陀仏」(還相)と、往相還相が一つになった「南無阿弥陀仏」を、阿弥陀様が私たちに「回向」して下さっている。


ということなんですが、
「一つに納まるなら、二つに分けるんじゃねえ!」
とは、言えないわけです。
主体を勘違いする人が出てきますからね。


とりあえず、
「念仏しなさい」仏・還相
「念仏します」人・往相
という例でお話しします。


A君はBさんに「念仏しなさい」と教えられ、念仏するようになった。
と、します。
「念仏しなさい」Bさん・還相
「念仏します」A君・往相
とは、考えません。
絶対に考えてはなりません。
「念仏しなさい」仏・還相
「念仏します」A君、Bさん・往相
と、考えます。


仏・還相→Bさん・往相
というサンプルを通して、A君も仏と出会った。
それによって、
仏・還相→A君・往相
という阿弥陀様の「回向」がA君の上に成就した。
ということなんですが、わかりづらいですね。


Bさんが、A君に、「念仏しなさい」と教えたのは、Bさんの上で、「仏様の還相が働いた」からだと考えなければなりません。
Bさんの功績ではなく、仏様のご功績だということです。
あくまでも、Bさんは、仏様に導かれて念仏をしていただけです。
A君は、そんな「念仏する」Bさんを通して、Bさん同様に、仏様に導かれて「念仏する」ようになったのね。
「導く主体」=仏
「導かれる主体」=人
A君とBさんは、同じ仏弟子として、先輩後輩の関係ではあるけれども、そこに師弟関係は存在しないということです。
先生は仏様。


私も含めて、「先生」と呼ばれている人は特に気を付けてくださいね。
「人に仏教(仏教学じゃないよ)は教えられない」
「人には人を導くことはできない」
というのが、親鸞聖人ですからね。


他宗のことは存じ上げませんが、以前、浅草寺付近の真宗のお坊様方が、「先生」「先生」とお互いを呼び合うのを見て、心底、
「気持ち悪っ!」
と、思ったことがありました。
「こいつら頭悪いんじゃないの」
としか思えませんでした。


その後、色々と嫌なことがあって、切れちゃって・・・・。
「貴様ら、俺は先生なんだから、跪いて俺にひれ伏せ!」
という気分になってたことはありますが、病んでましたねえ、私、坊さんたちに。


実際、私も立場上「先生」と呼ばれることが多いわけですが、学校の先生として、仏教学者として、「先生」と呼ばれることは、我慢して受け入れています。
それが学びの場の秩序でもありますし、仏教学は教えられますからね。
プロ意識もありますし。


しかし、僧侶としての私、信仰者としての私は、間違っても「先生」などではありません。
だって、導けないもの、誰も。
教えられることなんて、何にもないし。
せっかく作った鶏皮煎餅、倅に全部食べられちゃったし。
当てにされても困りますからね。


いいですか?
「僧侶なんだから、人々を導かなければ」
なんて勘違いするんじゃありませんよ。
ましてや、僧侶として人々を導けているなんて、思い上がってはいけませんよ。


そういう、勘違い野郎のことを「自称・還相の菩薩様」と言います。
「浄土から戻って来て、皆を救ってやってんじゃ!」
と迄、言う人はあまりいませんが、思っていそうな人とは、たまに出会います。
「俺だけが善智識だ!」
とか言ってる、カルトの人とか。
私に正義感さえあれば、殺していると思います。
「菩薩は菩薩らしく、浄土に帰れ。俺が送ってやる。」
と、までは思いました。


僧侶であるなら、「念仏する」分際でしかないことを忘れないようにしましょう。
「念仏する身」でしかないことを、徹頭徹尾、自分に叩き込んで下さいね。


それを私たちに教えるために、親鸞聖人が「南無阿弥陀仏」を、わざわざ二つに分けて、「二種回向」として教えて下さったんですからね。
親鸞聖人は、今はもう仏様ですからね。
私たち、親鸞聖人の還相の御利益に与っておりますよ。
親鸞聖人にしっかりと導いていただきましょうね。

(見真塾サルブツ通信Vol.0040より)


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