長い歴史のある日本酒。
そのため昔から使われてきた言葉も多く、それによって、ちょっと難しそうで手が付けにくいという印象を持った方もいるんじゃないかと思います。自分の備忘もかねて、解説を書いてみようと思います。
本日は『日本酒の特定名称』についてです。
日本酒の名称を分けるものは?
日本酒は大きく分けて、「普通酒」と「特定名称酒」の2つにに分類されます。
特定名称については、国税庁が『清酒の製法品質表示基準』のなかで8つ定めています。これはもちろん、お役所の気分で決まっているわけではなく、「この条件に当てはまるものは、こういう名前で呼びますよ」というのが決まっているわけです。
決めるための条件はいろいろありますが、主なものとして
- 醸造アルコールの添加の有無
- お米の精米歩合
の2つが挙げられます。なお、2003年10月の『清酒の製法品質表示基準』改正によってこうじ米(米こうじ(白米にこうじ菌を繁殖させたもので、白米のでん粉を糖化させることができるもの)の製造に使用する白米をいいます。)の割合15%以上が追加されましたが、特定名称酒8種はすべて15%以上が求められていることから、今回は条件から除外しました。
実際にどんな名称があるの?
先ほどの要件に限定してまとめたのが以下の表です。
特定名称 | 使用原料 | 精米歩合 |
吟醸酒 | 米、米こうじ、 醸造アルコール | 60%以下 |
大吟醸酒 | 米、米こうじ、 醸造アルコール | 50%以下 |
純米酒 | 米、米こうじ | - |
純米吟醸酒 | 米、米こうじ | 60%以下 |
純米大吟醸酒 | 米、米こうじ | 50%以下 |
特別純米酒 | 米、米こうじ |
60%以下 又は特別な製造方法 |
本醸造酒 | 米、米こうじ、 醸造アルコール | 70%以下 |
特別本醸造酒 | 米、米こうじ、 醸造アルコール |
60%以下 又は特別な製造方法 |
国税庁「「清酒の製法品質表示基準」の概要」から作成
精米歩合とは、白米の、玄米に対する重量の割合を指します。仮に精米歩合が70%であれば30%削るということですね。お酒に使うために残した割合と考えれば大丈夫です。
精米歩合が低くなると、その分だけ余計なものを削ることになるため、日本酒の香りが高くなったり、雑味が減るといった効果が出ます。大吟醸のようなお酒がするする飲めるというのは、これによるものと考えられます。
また、醸造アルコールとは、主にサトウキビなどを発酵させて作られたアルコールを指します。別途アルコールを添加する理由として、
- 味わいがすっきりさせるため
- 火落ち菌と呼ばれる乳酸菌の増殖を防ぐため
などが挙げられます。なお、醸造アルコールの上限は白米の重量の10%以下に制限されています。
【SAKE TIMES】さんのイラストで説明すると以下のようになります。
この辺りを知っていると、銘柄を選ぶ際に選択肢を広げることができると思います!
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日本酒のワンポイントナレッジについてはこちらも合わせてご覧ください。
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本日は以上です。
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