iDeCo改正で退職所得控除の14年ルールが19年に改悪

2024年1月8日月曜日

早期退職 退職&Uターン

iDeCoの制度が2022年度から一部改正された

一番大きな改正は、iDeCoの加入がこれまでの「20歳から60歳未満まで」から、20225月から「20歳から65歳未満まで」に延長される点。と言っても60歳以降もiDeCoに加入できるのは、国民年金の被保険者(加入者)であることが条件だ。

なので、60歳で原則、国民年金の被保険者ではなくなる第1号被保険者(自営業など)などは60歳以降の加入はできない。自分は現状これに当たるので、今回のこの点に関する改正はほとんど影響がない(少しあるのだが、これは後ほど書くとする)。

そんなことより、自分に一番影響があるのはiDeCoの受給年齢の改正だ。これまでの受給年齢は「60歳から70歳未満まで」だったが、20224月から「60歳から75歳未満まで」に改正される。公的年金の繰下げ受給が75歳までに延長されることによるものらしい。

この改正自体は別に問題はない。問題なのはiDeCoを一時金として受給するときの課税に関するところ。

以前のブログで書いた通り、自分はiDeCoを一時金として受給するつもりでいる。この場合、iDeCoの受給は退職所得として課税される。

ここでポイントとなるのが「iDeCoを受給した前年から遡って14年以内に別の退職金を受け取っていると、その退職金をiDeCoの受給分に合算して退職所得控除を計算する」というところ。

自分の場合、すでに会社の退職金の受取りで退職所得控除を使い切っている。なので、そこから15年以内にiDeCoの一時金を受給すると結構な額の税金がもっていかれてしまう。

ということもあり、iDeCoの一時金の受給は会社の退職金を受け取ってから15年以上経ってから(62歳以降)受け取ることにしていた。退職所得控除額などは以前のブログに書いてあるので、そちらを読んでいただきたい。

ところが今年の改正でこれまでの

iDeCoを受給した前年から遡って14以内に別の退職金を受け取っていると、その退職金をiDeCoの受給分に合算して退職所得控除を計算する」

が、

iDeCoを受給した前年から遡って19以内に別の退職金を受け取っていると、その退職金をiDeCoの受給分に合算して退職所得控除を計算する」

に改正(改悪)されること。これはiDeCoの受給年齢が5歳延長されるのに伴い改悪されるらしい。

そうなると、再度、退職所得控除の恩恵を目一杯使えるようにしようと思うと、会社の退職金を受け取りから20年以上経ってから(67歳以降)受け取る必要がある。

これにはちょっとマイる。

単純に「受給を62歳から67歳に遅らせればイイじゃん」とも思ったりするが、早めにもらっておきたいところだ。なんせ、年齢を重ねれば重ねるほどいつ死んじゃうかわからんし。

ちなみに受取りを5年間先送りにすると退職所得控除は480万円増え、口座管理手数料は4,020円(運用指示者なので、67円/月×60ヶ月)増える。控除額に比べれば口座管理手数料の増加は微々たるものではある。

国民年金の任意加入とNISAへ乗り換え

で「どうしようか」と、いくつかちょっと考えていることがある。

一つは、国民年金の任意加入。これも以前のブログ(ブログ更新により内容が前後しています。この内容も後日アップします)で書いたように、学生時代に保険料の未納が1年、全額免除が1年あるので今のままでは満額支給されない。

なので、60歳から2年間、国民年金に任意加入してこの2年分を追加で納付しようと思っている。そうすればiDeCoの加入も2年延長でき退職所得控除も増える。これがブログの最初の方で、「iDeCoの加入が65歳未満までに改正される」ことに少し影響があると書いた理由だ。

もう一つはiDeCoの拠出を最低限に抑えて、その分をNISAの拠出に回そうかと考えている。というのも、iDeCoのメリットに拠出金の所得控除があるが、自分はほとんど所得がないのでこの恩恵に預かっていない。

ということで自分にとってはiDeCoNISAもメリットは同じで、運用益が非課税になるということだけ。非課税枠を目一杯使っているわけでもないので、どちらか一方でも十分なのだ。

iDeCoの受給は課税対象だし平均寿命はドンドン延びいていく一方なので、今回のような改正はそう遠くない将来に間違いなくまたあるだろう。その内容も、

iDeCoを受給した前年から遡って19年以内に別の退職金を受け取っていると・・・」

が、

iDeCoを受給した前年から遡って24年以内に別の退職金を受け取っていると・・・」

なんてことになるのは必至だろう。自分にとってはデメリットしかない。

そもそも会社員時代に企業型DCを始めて、退職しても60歳までは継続するしか選択肢がないのでiDeCoに移管(ブログ更新により内容が前後しています。この内容も後日アップします)した。なんだか、終わらせ方がめんどくさくなってきた。

公開日:20221301530
更新日:2024181200

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