栗山監督にはじめての勝ちをプレゼントした投手でした。栗山政権10年間のファイターズブランドを構成した選手のひとりです。致命的ともいえる大怪我2回(大学時代も含めると3回かな?)と戦い続けた野球人生でした。わたしは新庄や賢介のように美しく現役を終える選手よりも、武田久や祐ちゃんみたいにボロボロなってあがき続けて、そして力尽きて引退する選手にこそプロの美学を感じてしまいます。

2006年、夏の甲子園。我らが北海道代表の駒大苫小牧3連覇に立ちはだかった姿はスターそのものでした。その大会では一人で948球投げたそうです。確か、決勝戦1日目の延長15回にその試合最速のストレートを投げたんじゃなかったかな。これはかなわないと思いましたね。野獣系のマーくんとは対照的にシュッとしたイケメンですし、マウンドで汗を拭うのにハンカチを使うってマンガかよ。

忘れられないのは、マーくんが内野ゴロを打って一塁にヘッドスライディング。アウトになたっときに見せたマーくんの笑顔です。最高の舞台で最高の相手と戦っている喜びを感じていたんだと思います。あれから15年ですか。

鎌ヶ谷のラスト登板を見ていたら、この10年間のいろんな思い出がこみあげてきて…。応援してきたファイターズというチームの空気感がどんどん薄くなっていく寂しさ。10年間4番としてチームを支えてきた中田が去り、祐ちゃんもいない、栗山監督もいない。そこにどんな未来が待っているのか、今はまったく想像できませんが、イメージできないからこそ、来年から始まる新たなファイターズにワクワクしている自分もいます。

やっぱりプロ野球は大河ドラマですよ。今年は間違いなくチームにとって大きな転機になりました。北海道移転後のヒルマン-梨田政権までが第一章。ここ10年が第二章。来年からは新しいファイターズの物語のはじまりです。