昨日4日(日)は、JILAさま主催の朗読会に出演させていただきました。
多くの方にご来場いただきありがとうございました。
会場は日暮里サニーホール・コンサートサロンで、マイク無しでも響きわたる素敵な会場でした。
テーマは「My Favorite Story」私のお気に入り物語ということで、
私は、新美南吉の「手袋を買いに」を読ませていただきました。
新美南吉の作品の代表作は、何と言っても「ごんぎつね」だと思いますが、これは南吉が19歳の時に「赤い鳥」に載った作品です。
そして、「手袋を買いに」は20歳の時に書き上げた作品と言われています。
お若い時に沢山の作品を書き上げています。
そして、29歳の若さで生涯を閉じました。
「ごんぎつね」は可愛そうな話でありますが、90年近く前の物語が今もまだ人気で、教科書にまで取り上げられています。
何をそんなに人々の心を打つのでしょうか?
良いことをした狐なのに、誤解をうけたまま打たれて死んでしまう。
このことが読んでいる人の感情をゆさぶってしまうのでしょう。
許せない。
可哀想。
でも、最後は誤解が解けてよかったと。
でも、それは死んだあとでした。。。
良い人が誤解を受けて死んでしまう。
このような物語はあまりないのかもしれません。
新美南吉は10代の時にこのような物語を作り出すというのはすごいですね。
しかも、展開がとても分かりやすい。
読んでいて、感情の流れもはっきりしている。
「手袋を買いに」は、子狐とお母さんは一緒に街まで手袋を買いに行こうとしますが、お母さんは昔、街に行ってあひるを盗もうとしたのをお百姓に見つかって、とんだ目に遭って、命からがら逃げたことがあって、どうしても行く気持ちにはなれず、結局子供だけを街まで行かせることにしたのです。
お母さん、薄情?なんて最初は思いましたが、きっと大丈夫と信じていたのでしょうね。
最後、「人間ってほんとうにいいものかしら」と言う台詞がありますが、この台詞に全てが表されているのでしょうか。
新美南吉が感じた人間の世界なのかもしれません。
わたしは、「ごんぎつね」は勿論大好きな作品ですが、「手袋を買いに」も大切に読みたい、お母さんと子狐の関係を大切に表したい愛する作品です。
今回、この「手袋を買いに」を読ませていただき、思いの深い朗読会になりました。
でも、やっぱりリアルな朗読会はいいですね。
午前中にリハーサルがあり、本番まで緊張しながらの待ち時間でしたが、本番は楽しく読ませていただきました。
良き1日に感謝です。