注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
名護市営球場(タピックスタジアム名護)は、1977年開場、沖縄県名護市にある野球場。
北海道日本ハムファイターズが春季キャンプを行うことで知られている。
ファイターズは1978年の球場開場当初からキャンプ地として使っており、北海道よりもよっぽど沖縄との縁の方が長い。
そして何より、12球団で初めて沖縄キャンプを行ったのも何を隠そうファイターズ(の投手陣)なのだ。
しかし1990年代後半ごろから球場の老朽化が目立つようになり、選手からもその危険性が危惧されていた。
それでも2008年まで改修作業は行われず、この年金森選手が腐食して破損した外野フェンスの部品を踏んでしまい捻挫してしまうという事故も発生した。
その後2014年に入りようやく名護市は予算に球場改修費を計上、やっとファイターズ20年来の念願がかなう形となった。
改修の間ファイターズはアメリカのアリゾナでキャンプを行い(この間2016年に大谷翔平を擁し日本一も経験)、2020年より改修が完了した当球場で再びキャンプを行っている。
そんな球場のある名護市は、沖縄県本島の北部に位置する市。人口は沖縄県で7番目に多い。
名護湾や山地があるなど自然に恵まれた土地で農業・漁業も盛ん。
2000年にはG8サミットが行われたほか、沖縄の名物ソーキそば発祥の地としても知られている。
那覇などの沖縄県の主要都市とはまた雰囲気が違い、沖縄の自然を集約したような穏やかな土地柄である。
そんな名護市も旅した記録はこちら。
【アクセス】
最寄まで★★☆☆☆
最寄は名護バスターミナル。バスターミナルとはいっても昔ながらの売店とラーメン屋があるくらいの簡素な施設。
那覇空港からは高速バス一本で来ることができるので、距離の割にはマシかなぁ…という感じ。
高速バスの111番、117番とほぼ同経路をたどるやんばる急行バスも便利。
こちらは那覇バスターミナルや名護バスターミナルから締め出されている代わりに、運賃が3割ほど安いという大きなメリットがある。
しかも基本的に現金しか使えない沖縄のバスにおいて、全国の交通系ICカードやPayPayなどのスマホ決済も利用できる。
うまく活用して沖縄での旅をより充実したものにしよう。
最寄から★★★★☆
名護バスターミナルからスタジアムまでは徒歩10分かからないくらい。
海に向かって通りを歩いて行くだけなので迷うこともない。
ファイターズののぼりが立っているところはフラワーロードになっていて見栄えも良い。
【観戦環境】★★★★☆
この球場の良さと言えば、なんといってもこの絶好のロケーション!
沖縄の海を一望しながら、同時にプロ野球も楽しめる。最高の休日すぎる…。
沖縄では北谷も最高だ。
ビジョンはシンプルではあるが、全面LEDで非常に見やすい。
ファイターズがキャンプをやっていなかったらこうはならなかったはず。
照明塔は一応ついているが、この大きさで明るさが足りるとはとても思えない。
どうやら夜に試合をやることは想定していなさそうだ。沖縄なら遅くまで明るそうだし。
スタンドは地方球場の中ではかなり大きい部類。
屋根も十分なサイズがあるし、名護市の規模を考えると異例ともいえる立派さ。
プロ野球って儲かるんだなあ。
ファウルゾーンは大きく、ちょっとだけ臨場感には欠ける。
その分選手が練習できるスペースが確保できるのかもしれない。
地味に立派な音響設備までついている。活用する機会があるのかは分からないが…。
入り口はこちら。階段は2ヶ所。
この日は練習試合なのでゲートもなく無料で入れた。太っ腹だ。
正面にはファイターズのグッズショップも設置。
もちろん沖縄限定グッズも販売されている。
コンコースはシンプル is best。
地味に授乳室やエレベーターなんかも備えている。
バックスクリーンと海はこれくらいの距離。球場の中から見るよりは遠く感じる。
それでも近いことには間違いないのだが。
外には通行人を守る防球ネットも設置されている。
もちろん練習場は隣に用意されていて、選手の様子をすぐ近くで見ることができる。
この距離の近さこそ春季キャンプのだいご味だ。
【雰囲気】★★★★☆
練習試合ということもあって特に試合演出もなく、高校野球のように淡々と試合が進んでいった。
それでも4000人も集まったし、何よりこの景色があれば何時間だっていられるのよ。
球場から歩いて5分でこのステキすぎるビーチにたどり着ける。心が洗われますなあ…。
名護市による施設の改修がなかなか進まなず危うくファイターズと離れ離れになるところだったが、立派な球場が完成したことで無事関係性は修復した。
めでたしめでたし。
【グルメ】★★★★★
たとえ試合演出はなくとも腹は減る。
球場前には地元のお店がいくつも出ていて興味津々。
まずは沖縄名物のタコスとサーターアンダギーを購入。
タコスはさすが本場の味といった感じで、トマトやレタス、チーズ、そしてお肉も入って大満足。お肉はひき肉です!
ソースも思ったより辛くなく余裕で食べきることができた。
そしてサーターアンダギーはデカすぎ!爆弾サイズだ。これでたったの150円。
プレーンと黒糖の二種類があり、やはり沖縄に来たからには黒糖を購入。これ一つで十分お腹が膨れる。
沖縄は暑くてエネルギーを使うからなのか、全体的に食べ物がデカい気がする。
こちらは「INAHO FARM」さんのソフトクリーム。
沖縄に酪農のイメージはあまりなかったが、考えてみれば本島から運んでくるよりは県内で生産した方がいいに決まっている。
とはいえ、牛乳の消費量は全国最下位のようだ。酪農が難しいことは間違いないらしい。
味わいもどことなく本島のものとは違うようで、どちらかというとコッテリというよりサッパリな感じ。余計なものが入っていない自然な風味がする。
また新たなソフトクリームに出会うことができて楽しかった。
名護は沖縄そば発祥の地と言われているが、その中で一番の有名店である宮里そばは本日定休日。
しかし私にはもう一つ行きたいお店があった。
それがこちらの「Warren’s Place 2.1 Burgers & Beer」。ファイターズの選手も通う名店だ。
お店のウリはとにかく肉にこだわったシンプルなハンバーガー。
トマトやレタスがなく本当にびっくりするほどシンプルなのだが、その分お肉の味を直に感じることができめちゃくちゃうまい。
これはファイターズの選手も大満足だろう。
また飲み物は沖縄名物でもあるルートビア。
「湿布の味」とも形容される独特な風味は確かに好き嫌いが分かれるだろうが、ジャンキーなハンバーガーにはジャンキーなルートビアがめちゃくちゃ合うのだ。
ちなみにこちらのお店は家族経営でやっているらしいので、あまり迷惑な行為は控えましょう。
全体的に結構塩接客だが(笑)、味は間違いない。
店主さんは恰幅のいいアメリカのひと。無愛想だがユーモアのあるおやっさんだ。
【満足度】★★★★★
チケットもなく、ただただ試合を見て、ただただ帰るというだけだったが、めちゃくちゃ充実した旅だった。
個人的には沖縄で一番好きな球場かもしれない。
那覇は楽しいけど人が多すぎると感じている人は、名護でゆっくり海を見て、グルメを楽しみ、そして野球をのんびり観戦するなんてのも最高かも。
ゆるやかなうちなータイムがそこに待っている。
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