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日本の国技・大相撲を知ろう~その2番付を学ぶ~【コラムその158】

日本の国技、大相撲

神事でもあり、スポーツでもある大相撲は、日本を体現する文化の一つとして世界的にも広く知られています。

 

しかし、日本人は意外と相撲のことをよく知らないのです。

そこで大相撲についてご紹介していきたいと思います。

 

前回はこちら。

sportskansen.hatenablog.jp

 

今回は大相撲における力士の生命線、番付について学んでいきます。

1.力士の階級

まず、力士の階級にはどのような種類があるのでしょうか?

…書きたいのですが面倒くさいので、wikipedia先生に教えてもらいました。

うーん、とても分かりやすいですね!

 

まず注目したいのは関取の項目。関取とは十両以上の70人だけのことを指します。

幕下以下は関取とは呼びません。

 

そして幕下以下は給料なし、結婚も許されない(既婚者は別居!)、というあまりに厳しい世界です。

関取かそれ以下かは、まさに天と地ほどの差なのです。

 

とはいってもみな相撲部屋に住み込み必要経費は師匠に渡されるので、衣食住に困ることはありません。

それでも辞めてしまったら一文無しですから大変な世界です…。

 

この番付、どのように決まるのでしょうか?

これは協会の定める番付編成要領によって決められています。

 

この中には「力士の階級順位の昇降は、その本場所相撲の勝星により協議する。」と記されているものの、具体的にどうやって決めているのかは記載がありません。

つまり、詳細な部分は番付編成会議による裁量によって決められているのです。

 

力士の人生を左右する番付ですが、どうやって決まっているのか分からないし、文句を言うこともできないのです。

この有無を言わさない感じ、なんとも体育会系ですね…。とはいえ、基本的には勝てば上がるし、負ければ下がるというのは間違いないようです。

 

その中でも横綱だけは特別で、「品格、力量が抜群であること」とされています。

横綱の力量は原則2場所連続優勝が必要とされていますが、品格については日ごろの態度までも審査対象になります。

 

ただ結局のところは、世論を見ながら決めているんじゃないかという気はします。

 

2.番付表の歴史

そんな番付が記された番付表、こちらも面白い歴史が詰まっています。

 

その由来は、興行先に立てられた木の掲示板の「興行札」です。

これには興行日時、出場力士の名前と序列が書かれていました。

 

しかし興行として人気が出ると木の掲示板では足りなくなり、木版印刷で広く告知されるようになりました。

これは1716年~1735年ごろとされていて、まさに江戸時代真っただ中の話です。

 

現在でもこの流れを継いで、行司が毛筆書きしたものを写真製版して印刷しています。

デジタル化するのは簡単ですが、あえて伝統を大事にしているわけですね。

 

そして実際に書く際には鉛筆で枠取りをした後、下書きなしの一発勝負で書き上げるのだそうです。

行司は相撲を取り仕切るだけでなく、書道の達人でもあるのです。

 

続いて番付表の中身を見ていきましょう。

(wikipediaより)

 

一番目立つ場所に書いてあるのは「蒙御免(ごめんこうむる)」

これは江戸時代に寺社奉行から興行の許可を受けていたころからの名残です。

 

その下には開催場所や期間、行司の名前などが書かれ、右に東、左に西の力士が書かれています。

同じ地位の場合はの方が位が上です。

 

地位に応じて文字の大きさも変化していきますが、一番下の序ノ口ともなるとまともに読めなくなってきます。

このことから序ノ口のことを「虫眼鏡」と呼ぶことがあります。

 

また番付表を書く際には独特のルールがあります。

・横書きは右から左へ書く

 →これは戦前の日本でそのようになっていたころの名残で、縦書きの方向をそのまま取り入れたためです。

・「相撲字」と呼ばれる独特の書体を使う

 →なるべく空席が出ないようにというゲン担ぎで、文字を太くし隙間が出ないようにしています。

 

このように番付表一つとっても、相撲の長い歴史独特の文化をうかがい知ることができるのです。

 

3.力士以外にも階級がある

ところで番付表を見てみると、名前があるのは力士だけではありません。

実は行事や呼出、床山(髷を結い上げる人)にも番付があるのです。

 

とはいえ力士と違って力量を明確に測るのが難しいため、基本的には年功序列となっています。

それでも場合によっては優秀なものが追い抜いたり、技量が足りないものが追い抜かれたりといった事例があるようです。

 

特に行司については、以下の基準で成績評価が行われます。

1.土俵上の勝負判定の良否
2.土俵上の姿勢態度の良否
3.土俵上のかけ声、声量の良否
4.指導力の有無
5.日常の勤務、操行の状況
6.其の他行司実務の優劣

 

ただ、結局現在は大体年功序列に落ち着くことが多いようです。

ちなみにかつては完全な年功序列だったため上がつかえており、先輩行司が亡くなるとお祝いで赤飯を炊いた、というとんでもないエピソードもあるそうな。

 

4.まとめ

以上、大相撲の番付について学んできました。

番付一つとっても面白い歴史がつまっていて、知れば知るほど大相撲が面白くなってきます。

 

ぜひ実際に見に行く際には番付表を手に取って、大相撲の歴史を感じてみてください。

実際に大相撲を見たくなったらこちら!

sportskansen.hatenablog.jp

 

次回へ続く。

sportskansen.hatenablog.jp

 

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