注:本記事は新型コロナウイルス感染拡大後の情報を元にしています
【概要】
岐阜メモリアルセンター長良川競技場は、1991年開場、岐阜県岐阜市にあるFC岐阜のホームスタジアム。
…なのだが、今回は名古屋グランパスが主催試合を行ったのでそちらの模様をお届けしたい。
名古屋グランパス現在のホームである豊田スタジアムはこちら。
なぜグランパスがリーグ最終戦という大事な大事な試合を長良川で行うことになったのか。
それは世界ラリー選手権のコースの一部に豊田スタジアムが組み込まれたからである。
この大会では、わざわざスタジアムの芝をはがしてまでコースにすることになっている。
だから試合をやろうにもどうしようもない、というわけである。
ではなぜそんなことになったのか。その理由の一つには豊田市の意向がある。
まず大前提として豊田スタジアムは豊田市の持ち物であり、グランパスは借りる立場である。
だからスタジアムをラリーで使いますと言われたら、グランパスに断るすべはない。
そしてもう一つの理由は、グランパスは暫定的に豊田スタジアムを使っているという事実である。
そもそもグランパスの本来のホームは豊田スタジアムではなく、名古屋市瑞穂公園陸上競技場である。
ただこちらのスタジアムは、2026年のアジア大会に向けた改修に入っており使うことができない。
だから今は名古屋グランパスを名乗りながらも、豊田市にある豊田スタジアムを使っている。
そして裏を返せば、改修が終わったら名古屋グランパスが豊田スタジアムを使う機会は減る可能性が高い。
そうなると当然、豊田市としても今後の豊田スタジアムの使い道を考えておかなければいけない。
今回の世界ラリーで豊田スタジアムをわざわざコースに組み込んだのは、その使い道を模索する一環と言われているのだ。
いろいろ複雑な思惑がまじりあう今回の長良川開催だが、名古屋グランパスがリーグ戦を行うのは1999年以来である。
グランパスと長良川競技場には浅からぬ縁があり、Jリーグ黎明期の名シーンであるピクシーのリフティングドリブルの舞台はこのスタジアムであった。
今では考えられない劣悪なピッチコンディションゆえに生まれた芸術的プレーである。
オールドファンには思い出深い、名古屋グランパスの長良川開催を改めて楽しんでみた。
【アクセス】
最寄まで★★★★☆
最寄りはJR岐阜駅、あるいは名鉄岐阜駅。
名古屋から行く場合、豊田市駅より岐阜駅の方がよっぽど早く着いてしまうのがなんとも悲しい…。
また岐阜は名古屋の植民地とも言われるほど密接した関係にあり、アクセスの良さと地価の安さもあって多くの人が岐阜から名古屋へ通勤している。
そもそも岐阜にはあまり仕事がないだろうから仕方がない…。
仕事が無くてもメシがある、岐阜旅の記録はこちら。
最寄から★★☆☆☆
岐阜駅からはバスで25分ほど。駅からの距離は心理的ハードルを高める。
ただそれを含めても豊田スタジアムよりは近い。
FC岐阜の試合では基本的に路線バスしかないが、今回の名古屋グランパスの試合では臨時シャトルバスの運行があった。
岐阜の余っているバスを総動員したのではないかと思えるほどぐるぐる走り回っていて非常に助かった。
もしシャトルバスがなかったら人が溢れすぎて大変なことになっていただろう。最悪駅まで歩いて帰る羽目になってたかも。
【観戦環境】★★★☆☆
こちらの項目についてはFC岐阜の記事も併せてどうぞ。
さすがJ1、そしてオリジナル10の名古屋グランパスの試合ともあってスタジアムは満員。
前日見に行ったFC岐阜の試合の約2.5倍ものお客さんが詰めかけた。
立ち見までお客さんがびっしり、長良川にこんなに人が詰めかけるのはいつ以来だろう…。
アウェイサポーターはゴール裏ではなくコーナー部分にエリアが設定された模様。
おかげでコンコースも満員に。トイレに行くのも大変だ。
試合前は横のサブ競技場を使って入場列の整理を行っていた。
ここからどうやってスタジアムに入ったかは不明。
スタジアムに向かっていたらビジョンの裏側を見つけた。
家がすぐそばにあって、スペース的にはかなりぎちぎちなスタジアムだ。
【雰囲気】★★★★★
さすがJ1でもトップクラスの動員数を誇る名古屋、ちょっと岐阜に移ったくらいではその応援の迫力が失われることはなかった。
豊田スタジアムと応援の圧は同等だ。
試合前にはキレイに虹がかかった。試合中降らなくてよかったねえ。
クラブエンブレムが描かれた旗がほとんど全員に配られたが、メインスタンドやバックスタンドで振っている人はあんまりいなかった。
ちょっと寂しかった。
マスコットのグランパス一家は、個人的にJリーグトップレベルのあざとさがあると思う。
かわいくてごめん。
スタジアムは夕暮れへ。試合もシーズンも終了のホイッスルが近づく。
たとえピッチへの距離は遠くても、大音量の声援はすぐそばに。
ゴールが決まって盛り上がりも最高潮。
最終戦の結果は1‐1の引き分け。
長良川の楽しい思い出は、またいつの日か。
【グルメ】★★★★☆
スタグルはデッキ上、そしてスタジアム前のスペースに出ている。
FC岐阜の試合よりもお店の数は単純に1.5倍くらい多いはずだが、それでもパンクしかかっていた。
岐阜の名物鶏ちゃん焼き。ジンギスカンを鶏肉で作ったのがその始まりという説があり、岐阜の家庭料理としておなじみ。
もちろんおいしいけど、味見程度の量しかないのはちと寂しい。もっと入れてくれ。
グランパス名物諭吉のからあげは安定のおいしさ。なんだか豊田スタジアムで食べた時よりおいしく感じた。
味が変わったのか、前より揚げたてだったのか、部位が違ったのか、自分の好みが変わったのか…。
同じものを食べてても、その時々で感じ方は変わるものだ。
名古屋焼きそばなるものを発見したので購入。
普通の焼きそばとの違いは目玉焼き以外でよく分からなかったが、かなり濃い味付けになっていた。
名古屋めしはやたら味が濃いからなあ…。
デザートに安納芋のブリュレを購入。なんか見た目は焼きナスみたい。
トッピングでアイスをつけられるがケチった結果後悔。これはアイスつけないとダメだった…。
この他にもグランパスバーガーや串カツなど豊田スタジアムでもおなじみのグルメや、FC岐阜でも人気のひだコロッケもあり非常に充実。
誰が来てもどこかしらのツボが抑えられる、全体的にとてもバランスのいいラインナップであった。
なんなら豊田スタジアムより充実度は高かったりして…。
【街との一体感】
金華山ロープウェーの乗り場には、二日間で試合を行った4クラブのエンブレムが並んでいた。
一度にこれだけJリーグの試合を行うことは岐阜では二度とないだろう。神奈川とかだったらしょっちゅうあるけど…。
名古屋駅の通路には最終戦のポスターが貼られていた。
名古屋から長良川競技場は豊田スタジアムより近いからね…。
【満足度】★★★★☆
非常に珍しい長良川での名古屋グランパス主催試合であったが、幸いFC岐阜との連戦ということもあってその違いを堪能することができた。
個人的にはこういうちょっとした地方開催は非常に面白いのでもっとやって欲しいのだが、もう60クラブにも膨れ上がってしまったJリーグでは特別な事情でもないと難しいだろう。
そもそもホームタウンが設定されているわけだし…。
また何か機会があればどこへでも見に行きたいところだ。
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