日本の国技、大相撲。
神事でもあり、スポーツでもある大相撲は、日本を体現する文化の一つとして世界的にも広く知られています。
しかし、日本人は意外と相撲のことをよく知らないのです。
そこで改めて、大相撲についてご紹介していきたいと思います。
前回はこちら。
今回は力士の育成をつかさどる相撲部屋について学んでいきます。
1.相撲部屋の仕組み
相撲部屋は江戸時代にルーツを持ち、指導者である年寄と弟子である力士によって構成されています。
相撲部屋は疑似的な家族とも言え、ただ稽古をするだけでなく寝食も生活も共にするいわば運命共同体です。
更には行司、呼び出し、床山もどこかの相撲部屋に所属しており、逆に所属していないと本場所に出場することができません。
また相撲部屋は基本的に日本相撲協会から独立しており、運営に必要な資金も補助はされるものの師匠が自ら稼ぎ出さなければいけません。
角界全体にどんぶり勘定的な文化があるのは、こういった見えないところにお金の流れがあるからかもしれません。
現在の相撲部屋は計45部屋あり、それぞれが5大一門のどれかに属しています。
最も歴史があるのは伊勢ノ海部屋で、1757年から脈々と続いているほどの伝統があります。
一方で最も新しい秀ノ山部屋は2024年10月に独立してできた部屋で、江戸時代から令和まで相撲部屋は様々な歴史を持っています。
2.相撲部屋の日常
続いて、相撲部屋では日々どういった生活をしているのでしょうか?
実はそれを知るのにぴったりのYouTubeチャンネルがあるのです。
それがこちらの「二子山部屋 sumo food」チャンネルです。
力士の稽古はもちろん、力士の日常も見ることができる大変貴重なチャンネルです。
もちろんチャンネル名にもあるように「食」が大きなテーマとなっており、力士たちの食生活はまさに圧巻。
「こんなに食べるの!?」のさらに上を行く、まさに食いっぷりが大迫力なYouTubeとなっています。
もし食欲不振で悩んでいるなら力士たちの食べっぷりを見てください。
あまりの豪快さに食欲がわいてくること間違いなしです(笑)
さて、相撲部屋では大部屋で大の字になって寝るのが慣習なわけですが、昨今は核家族化が進み家では個室を与えられることも多くなっています。
そのためこういった大部屋での生活になじめず、あえて大部屋を避けるため相撲部屋の少人数化が進んでいるのだそうです。
相撲部屋、というシステム自体を時代に合わせてスタイルチェンジしていく必要は今後出てくるかもしれません…。
3.相撲部屋に潜む闇
そんな相撲部屋の問題点は大部屋なだけではありません。
独立運営であるがゆえに非常に閉鎖的な環境になっており、暴力事件やハラスメントが常習化してしまっていたのです。
近年はそういった問題が顕在化してきており、横綱の日馬富士は暴力事件を引き起こした影響で引退にまで追い込まれる事態となりました。
これを皮切りとして各部屋での暴力問題が明るみとなり、今なお噴出している状態です。
これでは力士を目指そうと思う子供が減ってしまうのは明らかです。
また暴力事件調査のために協会も2億円を費やしており、財政面から見ても看過できる問題ではありません。
現在では相撲協会も暴力事件根絶に向けて動いていますが、効果が出ているのかどうかは結局相撲部屋が閉鎖的なので分からないのが実情です。
二子山部屋のように配信してくれればまだいいのですが、いずれにせよ相撲部屋というシステム自体を考え直さないといけないのかもしれません。
4.まとめ
以上、相撲部屋についてご紹介してきました。
相撲部屋は角界特有の制度でありとても興味深いものですが、一方で問題点も多く出てきていることは事実です。
うまく伝統を継承しながら、一方で問題のない開かれた相撲部屋づくりに今後注力して欲しいものです。
次回へ続く。
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