パラジウムは短期的に底堅い?今後の見通しと採掘企業について
本日は弱気相場でも比較的底堅いと個人的に思える金属を紹介したいと思います。
あくまで私の感想なので、投資判断は自己責任でお願い致します。
最近当ブログで書いてきた金属は軒並み2024年にかけて下落が予測されており、今から買いを検討するような金属はありませんでした。
最近はリセッション危惧と金融引き締めにより弱気相場なので、無理に投資する必要はないと考えていますが、パラジウムは他の金属に比べるとまだ短期的に底堅いのではないかと思います。
今回の記事はパラジウムの2022年内の見通しと2023年以降の数年単位での見通しについて書きました。
1. パラジウムの短期の見通し
1-1. 日足・週足チャートは他の金属より底堅く見える
パラジウムは2022年3月に直近のピークをうちました。
使用サイト https://jp.tradingview.com/chart/qT0vElHG/
ただ、ここ数日~数週間におけるチャート形状を見ると、パラジウムは以下の金属などよりは底堅いように見えます。
銀先物の週足チャート ('22/7/3 時点)
プラチナ先物の週足チャート ('22/7/3 時点)
1-2. ファンダメンタル的には微妙
リセッション危惧や金融引き締めにより、最近は弱気相場なので株・コモディティの価格は全般的に上昇しづらいと思います。
一方で、パラジウムの生産はロシアが世界の38%を占めており、禁輸措置に及ぶとすれば、再度上昇する可能性もあります。
2021年のパラジウム生産国の内訳
また、2021年までのデータですが、パラジウムは戦争関係なく供給不足の傾向があることも念頭に置く必要があります。
パラジウムの供給ー需要グラフ
「生産国の内訳円グラフ」と「供給ー需要グラフ」は下記サイトを参考に作成
2. パラジウムの2023年以降の見通し
さて、打って変わって2023年以降の数年単位の見通しについて書きたいと思います。
2-1. ファンダメンタル的に需要は下がりそう
下のグラフに示すように、パラジウムの需要のうち85%はエンジン車の浄化触媒です。
パラジウムの需要量と内訳
下記サイトを参考にグラフ作成
将来的には自動車の電動化が進み、エンジン車の販売台数は減少するため、パラジウムの需要も低下することが予測されます。
Edison Invest Researchのアナリスト達も2027年にかけて下落を予測しています。
このような価格予測は外れることが多いのであくまで参考です。
パラジウムの価格見通し
下記サイトを参考にグラフを作成
Palladium price forecast: Will the market rebound in 2022?
また、パラジウムが高価になったことにより、パラジウムの代替が進んだり、使用量の大幅削減が図られることも予測されます。
参考 南ア:Johnson Matthey社、プラチナの供給過剰の縮小とパラジウムとロジウムの供給不足を予測|JOGMEC金属資源情報
パラジウムの代替については過去に書きました↓
owngoalkun-credentials.hatenablog.com
2-2. 月足チャート的に上値は重そう
パラジウム先物の月足チャートを見るとヘッドアンドショルダーのような形をしており、上値は重いように見えます。
2-3. 数年単位で価格が上昇するシナリオはあるのか
1-2. で書いたようにパラジウムの生産はロシアが世界の38%を占めております。仮に禁輸措置が発動されても、数年間も供給不安や価格上昇をしつづけるかは予測しづらいです。
以下のような情報もありますが、数年にかけて上昇するかは懐疑的だと思います。
南ア:Implats社、パラジウム価格は供給不足のため今後数年間は上昇すると発言|JOGMEC金属資源情報
3. パラジウムへの投資手段
3-1. ETF
・1675 (TSE) (WisdomTree パラジウム上場投信)
・PALL (NYSE) (abrdn Physical Palladium Shares ETF)
・PHPD (LSE) (WisdomTree Physical Palladium)
3-2. パラジウム採掘会社の株
複数のサイトを参考にしました。
2021年でパラジウムの世界シェアが高い順番に載せています。
1位 Norilsk Nickel (MOEX: GMKN)
市場シェア : 38.3%
2位 Impala Platinum (OTC: IMPUY)
市場シェア : 16.5%、時価総額 : 89億ドル
3位 Sibanye Stillwater (NYSE: SBSW)
市場シェア : 14.8%、時価総額 : 70億ドル
SBSWについては以下の記事に書きました。
採掘金属のうち約42%がパラジウムです。owngoalkun-credentials.hatenablog.com
4位 Anglo American Platinum (OTC: ANGPY)
市場シェア : 8.3%、時価総額 : 240億ドル
5位 Northam Platinum (OTC: NMPNF)
市場シェア : 3.0%、時価総額 : 41億ドル
ランク外
・A-Mark Precious Metals (Nasdaq: AMRK)
時価総額 : 7億ドル
・Platinum Group Metals Ltd. (NYSE: PLG)
時価総額 : 1.4億ドル
採掘会社については以下3つのサイトを参考にしました。
Top 5 Palladium Stocks | Learn More | Investment U
How to Trade in the Best Palladium Stocks | IG EN
パラジウム採掘生産会社の世界市場シェアの分析 | ディールラボ
4. 所感
あくまで私の感想なので、投資判断は自己責任でお願い致します。
金属の中で今のところ唯一短期目線の買いを検討するとしたらパラジウムです。
他の金属に比べると底堅いように見えます。
ただし、昨今の弱気相場に引きずられて下落するリスクもあるので、無理に売買する必要もないと思います。
一方、数年単位の長期目線ではパラジウムの価格が上昇することは懐疑的です。
情報収集を継続していきたいです。
本日は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。
以下のような記事もありますので、よろしければご参照下さい。