ブレリアPart12(Buleria12)【YouTubeファルセータ動画44】

ブレリアPart12 動画
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YouTubeファルセータ動画第44弾はブレリアPart12です。気が付いたらファルセータ動画の1/4以上をブレリアが占めている状況となっていますね。まぁ、それくらい重要な形式なのですが。

オリジナルのファルセータを2つ演奏

今回は、全て自作のファルセータで固めましたが、1つ目のファルセータと2つ目のファルセータでキーが異なるため繋ぎ部分を新たに作ったり、かなり追加・変更が多かったため、思いの外時間がかかりました。以下、個別に解説いたします。

1つ目のファルセータ

1つ目のファルセータは2004年頃作曲し、2018年に録音した「Individual Flamenco」からの抜粋で、曲の冒頭で弾いているものです。

このファルセータは、Am69→A♭M7(♯11)という変態的なコードから始まりますが、ここの調性はAマイナーキー(Ⅰm)→Cマイナーキー(♭ⅥM7)という短3度転調だったりします。

今回のバージョンは、最初の方のアルペジオパターンを変更したのと、次のファルセータ(Eメジャーキー)に繋ぐために、後半部分を作り足しました。

作り足した部分は、D(onF♯)→B7(onF♯)→F♯m7→B7(onF♯)→…と、F♯音を通奏低音としたAマイナーキー→Eメジャーキーへ転調するための仕掛けです。

全体に、このファルセータはフラメンコでは普通使わないようなコードを連発していて、かなり挑戦的な作りと言えるでしょう。

2つ目のファルセータ

2つ目のファルセータはEメジャーキーのブレリアで、元々はアレグリアスの踊り伴奏用に作って仕事でも弾いていたものです。

踊りのアレグリアスでは、ブレリアテンポのファルセータ要求が結構な頻度であるのですが、その割には、Eメジャーのブレリアって既存ファルセータの供給量が少ないので「ならば自分で作ろう」という事になりますよねー。

このファルセータは1999年頃に原型は出来ていたと記憶していますが、それから徐々に変化してきていて、今回の録画でも手を入れたし、実に23年の歳月をかけて完成に近付いている感じでしょうか(遅……w)

――以前、踊り伴奏の仕事でこれを弾いた時、もう一人のギタリストから「その3つ目のコード何?」って尋ねられた事がありました。

その時は、自分でもよく分かっていなくて(感覚で作ってたので……)咄嗟に答えられなかったのですが、この3つ目のコードはEsus4(♯5)ではなく、AmM7(onE)とするのが正解ぽいですね。この解釈に従うと、冒頭2コンパスはこんな進行になります。

E→Am(onE)→AmM7(onE)→Am6

このように、前半はメジャー&マイナーの音が混ざって微妙な調性感なのですが、後半はいたって普通の進行です。

他にもEメジャーのブレリアはいくつか作っているのですが、その中でも、今回弾いたものはお気に入りのファルセータです。

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