TikTok攻略【マイノリティのWeb戦略06】

「マイノリティのWeb戦略」は、フラメンコなどのニッチジャンルの発信者がインターネットを介して新規のファンを獲得していくにはどうしたら良いのか?というテーマの連載です。

前々回はYouTube、前回はニコニコ動画と、動画サイトの攻略法を考察して来ましたが、今回はショート動画分野でトップを走るTikTok(ティックトック)について考察してみたいと思います。

TikTokの概要

TikTokは、ここ数年で若年層を中心に急激にユーザー数を伸ばしてきたスマートフォン向けのショート動画共有アプリです。

運営は中国のByteDanceという会社で、2016年9月に「抖音」の名前で中国国内向けにリリースされ、2017年9月には「musical.ly」を吸収合併。同11月に「抖音」と「musical.ly」を統合したショート動画共有アプリ「TikTok」として全世界で配信を開始しました。

日本でTikTokが流行しはじめたのは2018年のことで、その後、新しい物に敏感な10代・20代を中心に一大ブームが起こっています。

世界的に見ても、再生回数だけでいったらYouTubeをも上回るほどの急激なブームが起こったわけですが、その勢いは一過性のものでは収まらず、これに危機感をおぼえた他社が続々とショート動画市場に参入するという展開になりました。

2021年頃から他社の類似サービスが普及してきた事もあって、TikTokは一時ほどの熱狂的な状態ではなくなりましたが、ショート動画市場では依然としてトップの地位にあり、重要な発信プラットフォームの一つであることは間違いありません。

TikTokのシステム

TikTokのシステムは、スマートフォンで撮影した短い動画を次から次へと連続で視聴するスタイルに特化したものです。

TikTokに投稿する動画は、縦長の画面(スマホで撮影・再生することを想定)でないとダメで、時間制限があります。

時間制限については、当初は15秒までだったのが、だんだん伸びて、現在は最大で10分までの投稿が可能となっています。

TikTokが爆発的にウケた要因の一つは、過去の実績やフォロワー数に関わらず、誰でもある程度の再正数が得られるシステムを採用している事でしょうか。参加初日から「バズるかも?」という夢を持てますし。

TikTokの動画表示アルゴリズムは非公開ですが、自分の感触では、最初に投稿した数本の動画は優先的に表示されて伸びるのですが、いいね!やコメントが少ないと次の動画から徐々に伸びなくなっていく、というような印象です。

なお、YouTube・インスタグラム・Facebookなど、他社のショート動画(リール動画)サービスはTikTokと同様のシステムを採用していて「15秒から60秒程度の縦画面動画限定」「弱小アカウントでも再正数を伸ばしやすい」という特性はほぼ同じです。

TikTokとショート動画の将来性

ショート動画市場という新たな地平を切り拓いたTikTokですが、ショート動画市場はまだ立ち上がったばかりで流動的な状態にあり、今後も人気が継続するのか?は不透明だと思います。

TikTokは再生回数でYouTubeを上回ったりしたのが話題になりましたが、日本国内の推計アクティブユーザー数で比べると、現在、YouTubeが約6500万人いるのに対してTikTokは2018年の時点で950万人、現在のユーザー数は非公開ですが2100万人程度(2023年1月時点)と推定されています。

つまり、TikTokは再生回数ほどはユーザー数が多いわけではないということですが、これは「1つの動画が15秒から30秒程度と短く、アプリを立ち上げると強制的に連続で再生される」というシステム上、YouTubeに比べて再生回数が伸びやすいという事情があると思います。

こういう事も考慮すると、再生回数で上回ったとしても、ユーザー数や総再生時間では、YouTubeには遠く及ばないという事が見えてきます。

年齢層もYouTubeが全世代を満遍なくカバーしているのに対して、TikTokは若年層に偏っています。

若年層の特徴として、また新しいプラットフォームが話題になれば、そちらに大挙して移動してしまう可能性が高いので、状況急変のリスクが大きそうです。

自分のTikTok利用状況

攻略法を考察する前に、自分自身のTikTokの利用状況を書いておきます。

TikTokは2018年頃から話題になっていたので自分もずっと参入を検討してはいましたが、当初はPCからの利用が出来なかったし、将来性も良く分からないし、他のプラットフォームへの対応に追われていたりで、参入を見送っていました。

しかし、その後もTikTokの人気は続いてYouTubeを脅かす勢いになっており、PCからの利用にも対応してきたので、2021年春頃から参入の再検討を始めました。

そして、2021年の秋にYouTubeショートに参入したついでに、TikTokとインスタグラム(リール動画)にもYouTubeショート用に作った動画の投稿を開始することにしました。

そんな感じで自分自身はTikTok運用歴も短いし、現状は本気運用とは程遠いのですが、今までの運用で判明してきた事なども交えつつ、TikTokの攻略法を考察してみようと思います。

なお、ハッシュタグなどの基本的なことは、全プラットフォーム共通の攻略法としてこちらの記事にまとめてありますので、あわせてお読みいただければと思います。

キャプション【150文字→500文字に拡張】

TikTokの動画にはキャプション(説明文)を付けることが出来ます。

元々TikTokのキャプションは150文字までしか入れられませんでしたが、最近になって最大500文字に拡張されました。

150文字だと字数を追い込むのがかなり大変でしたが、500文字までokならかなり余裕がありますよね。

ただし、今のところPCからの投稿の場合は従来の150文字までに制限されています(2022年6月現在)。

TikTokの場合、キャプションにURLを入れてもリンクにならないので、外部への誘導が出来ませんが、ハッシュタグは使えるので、上手く活用してアクセスを伸ばしたいところです。

プロフィール設定

TikTokはキャプションのURLリンクが不可ということで、プロフィールの紹介文やリンク設定がことさらに重要になってきます。

プロフィールの紹介文には適度にキーワードを入れつつ、視聴者の興味を引く内容を書いておきたいところです。

そして、1つのみという制約がありますが、プロフィールにはリンクを設定することが可能ですので、ホームページ・ブログ・他のSNSアカウントなどのURLを設定しておきましょう。

なお、YouTube・インスタグラム・Twitterの3つに関しては専用のリンクスペースが用意されていますので(つまり、この3つを合わせれば4つのリンク設定が可能)、これらを利用している場合は必ず設定することをお薦めいたします。

プロフィールをしっかり設定しておくことで、動画を見た視聴者にフォローされたり、他のプラットフォームに来てくれたりする確率が上がるでしょう。

最適な動画の長さ

TikTokのシステムにおいて、動画の視聴完了率(どのへんまで見られたか?)が最も重要だと言われています。

それに従うなら「TikTok動画は短いほど有利」ということになりますが、実際はそんなに単純な話ではなく、1分動画や3分動画など、動画が長くなるに従ってインプレッション(アプリへの表示)回数は増える傾向があるようで、一概に「どれくらいの長さが有利」とは言えません。

おそらく、インプレッション率を調整することで、長い動画が不利にならないようにしていると思われるので、動画の長さはあまり気にしなくても良さそうです。

サムネイル(カバー)とフィルター

TikTokではカスタムサムネイルは使えないので、動画の中の一場面を選択してカバー画像とするシステムです。

そのかわり、フィルターといって、動画に文字入れや、スタンプ、エフェクトなどの加工を加える事ができます。

ただし、フィルター機能はスマホアプリからの投稿でないと使えません。

TikTokは、動画が表示されるとすぐに再生が始まるシステムなので、カバー画像の重要度は低いのですが、フィルター機能を使って動画に文字入れなどしておくことで、タイトルや内容を一瞬で伝える事が出来ます。

アフレコと音楽の追加

TikTokには、動画自体の音声にもう一つ音声を録音してミックスするアフレコ機能がついています。

また、TikTokに登録されている音楽をBGMとして追加することが出来るのですが、そういう音声追加機能によって、自分の曲が他の人の口パク動画やダンス動画の音声に使われ、拡散して流行化することで大ヒットに繋がる、という成功パターンがあります。

瑛人さんの「香水」などはこのパターンでしたよね。

フラメンコなどのマニアックなジャンルだとこのパターンで人気化する確率は低そうですが……。

リミックスとデュエット

TikTokはリミックスとデュエットという他の投稿者とコラボレーション出来る機能を備えています。

リミックスは他の動画の一部を切り取って使うことが出来る機能で、既存動画を切り取ったものに、自分の撮影した動画を繋げることが出来ます。

デュエットのほうは、他のデュエットを許可している動画と自分の動画を並べてシンクロさせる事が出来る機能です。

どちらの機能も、好きな投稿者とコラボしたり共演したりといった体験が簡単にできる、というのが若年層にウケているのではないでしょうか。

場合によっては、有名人とコラボ出来たりして、自分のコンテンツが一気に拡散することもあるかも知れませんよね。

TikTokのストーリー機能

ストーリー(ストーリーズ)は元々アメリカで人気化したSnapChat(写真チャットアプリ)がウリにしていた機能で、24時間で消える1画面投稿です。

これはSnapChatの人気の火付け役となったもので、Twitter(既に廃止)、インスタグラム、Facebookなどの主要SNSが相次いで導入していましたが、2022年3月よりTikTokにもストーリー機能が実装されました。

TikTokのストーリーは、内容的には通常のTikTok動画とあまり変わらない感じがするのですが、24時間で自動的に消えることと、ストーリー専用セクションや「おすすめ」フィードに表示されて、通常よりアクセスが伸びやすいようになっています。

TikTokに向いたコンテンツ

TikTokでは、どのような動画が需要が高いのか?という事を考えてみましょう。

実際に人気化する動画を見ていて思うのですが、TikTokで再正数を伸ばしていくには、画質・音質や内容の濃さよりも、パッと見のインパクトや、短い尺で伝え切る構成力が重要なのではないでしょうか。

それから、最近は緩和されてきましたが、特定のジャンルに人気が集中する傾向があります。

具体的には「TikTok上で人気がある音楽」を使ったダンス動画・口パク動画とか、一発ギャグとか、動物の面白動画とか、YouTubeなどに比べてインスタントな内容の動画が好まれる感じですよね。

TikTokはスマホアプリで大量に流し見される視聴スタイルが基本なため、集中力を要求されるような動画は敬遠される、という事かと。

フラメンコ系だと「踊ってみた」動画などが相性が良さそうに思いますが、TikTokのシステム特性・視聴者属性を考えると、そもそもの話、フラメンコのような「真面目に追及する系」ジャンルの発信にはあまり適さないかもしれませんね。

ちなみに、自分がやっている演奏動画等(フラメンコギターもゲーム音楽も)はTikTok視聴者には全く刺さっていないようで……。

TikTok攻略のまとめ

今回はショート動画共有サービスのトップを走るTikTokの特性と攻略を考察してみましたが、自分自身は正直なところ、どう攻略して良いのやら、明確な方向性を見いだせていません。

TikTok向けにインスタントな内容の動画を沢山投稿していけば伸びるのかも知れませんが、別にそういうものを発信したいわけではないし、その労力はYouTubeに突っ込んだほうが建設的かな?と思うわけです。

自分はそんなスタンスなのですが、ショート動画はかなり面白い可能性をもったプラットフォームだと思うし、TikTokも支持層を広げる努力をしているようですので、状況は今後変わっていくのではないでしょうか。

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