最初に世界遺産に登録された12の遺産

1972年にUNESCO総会にて採択された「世界の文化遺産および自然遺産の保護に関する条約」=通称「世界遺産条約」。翌年には世界で最初にアメリカ合衆国が条約を批准し、締約国数が20に達した1975年12月に正式に発効となりました。

そして約3年後の1978年、最初に世界遺産の登録是非について議論したのが第二回世界遺産委員会、アメリカ、ワシントンD.C.。記念すべく最初の世界遺産が登録されました。

この時点では委員国はわずか下記13か国(うち太字の5か国の資産9件が世界遺産登録になりました)

アメリカ・イラン・オーストラリア・エジプト・イラク・チュニジア・ナイジェリア・フランス・ポーランドカナダ西ドイツ・ユーゴスラヴィア・エクアドル

登録された下記12件(登録ID順)をご紹介します。

ガラパゴス諸島(エクアドル):大小100以上の火山によりできた島々。移動手段が制限された環境にも関わらず、ゾウガメやフィンチなど様々な動物が生息していることからダーウィンが進化論の着想を得たとされている。地質学的にも生物学的にも評価された。詳しくはコチラ。

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キトの市街(エクアドル):エクアドルの首都であり、歴史上はインカ人都市、大航海時代のあとはスペインによる植民地化により、キリスト教化した街並みがよく保存されていると評価された。街にのこる中世の教会や聖堂建築も評価されている。詳しくはコチラ

DEZALBによるPixabayからの画像 キト市街

アーヘン大聖堂(ドイツ):フランク王国の王、カール大帝の命により建設された北ヨーロッパ最古の聖堂。神聖ローマ帝国の歴代の国王の戴冠式など、時代の重要な場として使われてきたこともさながら、建築としてもゴシック・ビザンチンなど様々な様式を併せ持ち、聖堂建築としての傑作である点も評価されている。詳しくはコチラ。

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ランス・オ・メドー国定史跡(カナダ):ヴァイキングが入植した痕跡や、コロンブス以前にヨーロッパ人がアメリカ大陸に到達した痕跡が残っているとされている。またサガなどの伝承・作品に影響を与えた地域としても評価されている。

シミエン国立公園(エチオピア):エチオピア北部に位置し、同国最高峰のラス・ダシェン山などの山々をもつ国立公園。ゲダラヒヒやアイベックスなどの貴重な動植物が生息している。

ラリベラの岩窟教会群(エチオピア):12世紀末頃キリスト教が多かったこの地域にイスラム教徒が拡大し、信者たちは公にキリスト教の聖地巡礼が出来なかった。そんな中ザグウェ朝の7第国王ラリベラは国内に岩を掘って目立たない岩窟教会を建築。特にギョルギスの聖堂は十字架のような箱をした教会であり、現在もエチオピア正教にとっては聖地である。詳細はコチラ

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ナハニ国立公園(カナダ):ナイアガラの落差の倍ともいわれるヴァージニア・フォールズや、この地域の地層は1万年前の地質など、地球の歴史が垣間見える点、そして美しい自然美が評価された。

ゴレ島(セネガル):セネガルの首都から沖合に出た離島であり、フランス領から独立するまで、一部奴隷制度がはびこっていた島。ここには奴隷の収容所が今も残っており、こうした負の側面を未来に遺していくべく世界遺産に登録された。

メサ・ヴェルデ(アメリカ):古くからこのコロラド州南西部にはアナサジ族が生活しており、クリフ・パレスに代表されるような岩窟住居が残っている。これら今はこのエリアでは消滅してしまった遺跡が保存状態よく残っていた点が認められた。

イエローストーン国立公園(アメリカ):世界初の国立公園に指定されており、この国立公園には様々な間欠泉や温泉、など火山活動による自然現象を確認できる。またグリズリーやオオカミ、アメリカバイソンが生息し、生態系としても貴重な自然環境です。詳しくはコチラ

yellowstone-river-258591_1280よるPixabayからの画像

クラクフ歴史地区(ポーランド):ポーランド最古の街であり、最古のヤギェヴォ大学や、かつてのポーランド城ヴァヴェル城、レオナルド・ダ・ヴィンチの「白貂を抱く貴婦人」があるチャルトリスキ美術館など、様々な歴史的建造物が残る街。

ヴィエリチカ岩塩坑(ポーランド):白の金ともいわれたポーランド王都の財を支えていた岩塩。この採掘坑には工夫たちが作り上げた信仰のための岩塩レリーフや、また礼拝堂が残っている。詳しくはコチラ

提供写真

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