ハンザ同盟都市リューベック(ドイツ)

scholty1970によるPixabayからの画像

※アイキャッチ画像は「scholty1970によるPixabayからの画像」

Hanseatic City of Lübeck ( Germany ) OUV(iv)

1987年世界遺産登録 2009年軽微な範囲変更

■中世の北欧で経済の中心となった「ハンザ同盟都市」の盟主

ドイツ北部、シュレスヴィッヒ=ホルシュタイン州の都市リューベック。街を流れる運河に囲まれた旧市街のうち、3つのエリアが世界遺産に登録されており、2009年には外側に緩衝地域が設定されました。

3つのエリアは、Zone 1: Burgkloster Zone 2: Petrikirche Zone 3: Marienkirche, Rathaus, Marktplatz となっていて、Zone 2の西側には、アイキャッチ画像の中心に位置する”ホルステン門”があり、街のシンボルになっています。

世界遺産の資産範囲 UNESCO世界遺産HPより引用

リューベックは13世紀頃からハンザ同盟都市の盟主として商業発展しました。ハンザ同盟とは、中世後期の北ドイツの都市による都市同盟を指します。バルト海域の貿易の中心となり、ベルギー(世界遺産「ブリュージュ」も参照)やオランダ等、ヨーロッパ北部の経済圏を支配しました。

当時はタラやニシンなどの漁業を中心に栄えたようで、数百年に渡ってハンザ都市として発展します。こうした街はドイツではリューベックの他にも、ハンブルク、「ブレーメン」など、「自由ハンザ都市」と呼ばれます。

15世紀に建てられた”ホルステン門”はドイツらしいレンガ造りで、門の上部にはラテン語でCONCORDIA DOMI FORIS PAX(内に結束、外に平和を)という文字が書かれているそうです。

またZone 3には”リューベック・マリエン教会”があます。13-14世紀にかけて建てられ、こちらもレンガ造りの教会で、ゴシック様式の建築です。上から見ると複数のバットレスで支えているのが分かり、フランスのノートルダム大聖堂と同様のゴシック構造の基本を成しているのが分かります。隣接するのは市庁舎で、機能的に密接に関連し、議員は会議に先立ってミサに参加し、集会を聖堂で行ったそうです。

クリスマスの時期には、これらの建築を囲うようにマーケットが並び、それはまるで中世のクリスマス市。リューベックのクリスマスマーケットで特に有名なのが、マジパンと呼ばれるアーモンドと砂糖で作られた洋菓子で、屋台にも名物菓子として登場します。

Sabine103によるPixabayからの画像 マリエン教会と市庁舎

また、ここリューベックにはベギン会の宿舎が多く存在したことでも有名です。ベギン会とは北西ヨーロッパに広範にみられた信仰を中心とした女性たちの互助組織のようなもので、ベルギーにも世界遺産ブリュージュをはじめ、様々な都市に教会や宿舎があり、全体としても1つの世界遺産に登録されています。

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