読書人間の電子書斎

〜今まで読んだ本を記録して自分だけの図書室を作るブログ〜

【知らぬ間に育まれる絆】「私はネコが嫌いだ。」よこただいすけ

猫が出てくる絵本が読みたいと思って探してたら、この表紙の黒猫の口のぷっくり加減が可愛くてアマゾンでポチっとした絵本

先は分かっていたもののやっぱり泣かされた

 

★あらすじ

15年前、娘が拾ってきた黒猫の仔猫

 

頑固オヤジは娘の熱意に負けて仔猫を飼うことにする

 

仔猫だからトイレもできやしないし、手がかかるし、大きくなったらなったで黒猫は餌をくれと夜中に騒ぎ、粗相をする、人のご飯を狙う

 

そんな黒猫に対してオヤジは「私はネコが嫌いだ」とぼやく

 

黒猫とオヤジの日常は時とともに流れて、黒猫は老いて弱っていった

 

オヤジの「嫌い」の意味は…

 

★感想

味のあるイラストが好きだし、黒猫の顔や仕草も可愛い、なんならオヤジが1番可愛いまである絵本

 

「私はネコが嫌いだ」というオヤジのボヤキですすめられていく話

終始、ネコうざい…みたいな態度だったオヤジの最後の見開きのページで号泣する

 

仔猫の時から世話して最後まで看取るなら好きだよなと思うけど、私も最初はそんなに猫が好きではないのに仔猫を世話して看取ったからオヤジの気持ちが分かる

 

「私はネコが嫌いだ」と悪態をついても、十数年一緒にいる間に知らず知らずのうちに猫との絆ができていたんだよな…

 

素直に猫を可愛がれない偏屈で不器用なオヤジの気持ちを、黒猫は全部わかってたから最期の時にオヤジの膝を選んだ

 

オヤジの最期の「猫が嫌いだ」には「大好き」「さようなら」「死ぬな」「ありがとう」…色んな想いが詰め込まれているように感じた

 

 

「私はネコが嫌いだ」という言葉で色んな表現ができるのがすごいと思った絵本だった