らーは、頻繁にいただきものをする犬だった。
「らーくんに食べさせて」と言って多くの方が様々な食べ物を分けてくれた。
野菜屋のトオルも、何度もくだものやお野菜を分けてくれた。
ある日、帰宅したら玄関に置いてあった |
らーがまだ2才くらいだったと思う。
当時、トオルさんの営む八百屋さんは、プレハブでできた仮設の小さなお店で、夕方になると近所の主婦の方でにぎわうような、非常に庶民的な八百屋さんだった。
クルマの後部にらーを載せて、トオルさんの野菜屋さんに買い物に行くと、お店のスタッフほぼ全員が、代わる代わるらーに挨拶をしてくれた。
「らーはバナナが好きなんですよ」と何気に、トオルさんに話したら、買い物の度に、こっそりバナナを袋に入れてくれるようになった。
「りんごも食べる?」と聞かれたので、正直に「大好きデス」と話したら、りんごも買い物袋に入れてくれるようになった。
そして、ある日、帰宅したら玄関に、写真のくだものいっぱいの箱が置いてあった。
トオルさんだけではない。
ゴルフ場の売店でアルバイトをしていた近所のきよみさんは、「残り物よ、遠慮なく食べてね」と言って、ゆで卵をこれでもか!!というほど、何度も何度も玄関に置いててくれた。
お散歩してたら、ファーマーさんが、お芋だの、かぼちゃだの、とにかく「これももってけ~」って、分けてくれた。
らーには安全なご飯を食べさせたかった。
でも、市販の安心安全なプレミアムドッグフードは、私の経済状態では金銭面で無理があった。
手作りごはんにするのが当時のわたしには、当然の選択だった。
成長期のらーの食欲はすさまじいものだった。中学生の運動部・男子みたいなものかな?
なつかしい。
トオルさんのお店、今では大きなショッピングビルに入っているようです。
トオルさんのお店の商売繁盛を願っています!