レッツ4パレットを整備する

自動車&バイク

久しぶりに原付を買った。
と言っても私が自分で乗るわけではない。
山の下まで買い物などに出かけるのが面倒だと言う事で、ならば原付はどうかという話になった。
車でも良いのだが、又側溝に落ちてしまうといけないので。

問題は原付で山道を上がってこられるかと言う事。
絶対大丈夫というのなら、信頼性も考えて新車でも良いかなと思った。
しかしもしダメだったらもったいない。
まずは安い中古を買ってみて、実用的に使えるかどうか判断しようかと思ったのだ。

三島や沼津にも中古バイク屋はあるのだが、乗りだし価格で10万円前後と高い。
新車が15万円くらいで買える事を考えると高いでしょ、どう考えたって。
と言う事で通販で見てみる。
関西ではレッツ4パレットが約2万円、東京でレッツ4無印が2万円、関西から買うと送料が3万円、東京で買うと送料は2.3万円。
未整備ジャンク扱いの但し書き付きだけれど、特段不具合はないとも書かれている。
本体より送料が高いのは致し方ない。

結局関西で売られていた赤いボディのレッツ4パレットにした。
何せ2万円のスクータなので、各部の点検と整備を行う必要がある。

タイヤに関しては、前輪は未だ使用可能で後輪はすり減っている。
これは事前に分かっていた。
山道を走るので、タイヤは出来るだけ粗いパターンのものをと言う事でVeeRubberを選んでみた。
最初に注文したパーツは以下の通りだ。

その後クラッチ関係のベアリング、イグニションプラグを追加注文した。

まずは分解してみる

エアクリーナガスケット、エアクリーナのスポンジはボロになっていたので交換する。
ウエイトローラは純正(2008/2009年式が11.7g×3、2010/2011年式が12.29g×3)を、5g×6にする。
5.5gのものの方が良かったのだが、MonotaROに在庫がなかった。

ドライブベルトは国産品で2万キロの耐久性が謳われているものにした。
輸入物であればもっと安価に入手が出来るが、山道で酷使する事も考えてこれにした。

ドライブベルトは、とりあえず見える部分のネジを全部外せば拝む事が出来る。
エアクリーナのカバーも外す。

クラッチの摩擦材残量は十分だが、抜けない

最初にクラッチ側を点検した。
スクータのクラッチは意外に減らない(寿命が長い)のだが、微速走行が多かったりすると焼けてしまう。
シグナスのクラッチは丈夫というかトラブル経験は無いが、スカイウエイブはハイギアードな事もあり、上り坂などで半クラッチ状態が続くと、すぐに過熱して臭いが出る。
そのまま半クラッチを続けると、クラッチのあたりのカバーが溶けたりするそうだ。

クラッチは摩擦材の残りも十分にあった。
カバーの変色もなかった。

こんなに厚みがある。

クラッチ部分は清掃だけを行うのだが…
クラッチ側プーリーが抜けない…
とりあえずラスペネをシュッとやって、他の部分をバラしてみる。

ウエイトローラは純正品だった

ウエイトローラは純正と思われるものが3個入っている。
ウエイトローラを入れる所は6箇所あるが、純正だと3個しか入っていない。

極端に減っているわけではなく、ちゃんと丸い形をしている。
しかし多少ガタガタになっているので、この際だから交換する。
このレッツ4パレットは、年式からすると11.7g×3個の合計35.1gではないかと思う。
これを5g×6個に交換する事で、約5g(約14%)ほど軽くなる。
レッツ4の場合はいたずらに回転数を上げてもパワーが付いてこないので、合計25g~30g位が適当ではないだろうか。

5gのウエイトローラは穴の直径も大きく、いかにも軽い感じ。
薄くグリスを塗って装着する。
このウエイトローラは向きのないタイプだ。

ドライブベルトは18mmあった

ドライブベルトにひび割れや亀裂はなかった。

ドライブベルトは純正品が付いている。
品番は27601-32G30である。

走行距離はメータ読みで707kmとなっている。
ドライブベルトは約18mmまで減っている(新品は18.6mm)。
使用限度の17.6mmまで減るのに約2万km走れるらしいので、ベルトの減り具合からすると1万kmは走っている事になる。
ウエイトローラの減り方もそんなものかなと思うので、メータは1回転して707km、つまり10707kmがこのスクータの走行距離ではないかと推測できる。

レッツ4は2005年から2014年まで生産されたそうだ。
派生車種としてのレッツ4パレットは2008年から加わったようだ。
フレーム番号からすると2009年頃のUZ50FK8となる。

以前に乗っていたレッツ5Gは新車で、次に購入したシグナスXも新車で、スカイウエイブは中古を買った。
スカイウエイブは推定10年前のモデルだったわけで、このレッツ4パレットは12年前のスクータと言う事になる。

スカイウエイブもさほど錆はなかったが、このレッツ4パレットも意外に綺麗だ。
メッキ部分などに多少の錆は見られるが、屋根のある所で保管されていたのかも知れない。
平均走行距離が1ヶ月に数十kmだと推定できるので、ちょっとした買い物用という感じか。

外れないクラッチと格闘する

ドライブベルトを交換するにはクラッチユニットを外す必要がある。
レッツ4はクラッチ回りのクリアランスがないので、クラッチ側のプーリーを外さないとベルトが抜けない。
古いベルトは切断して抜いてしまったが、新しいベルトを掛けるためにはクラッチを抜かなければ。

クラッチは、カバーを外して手前に引っこ抜けばそれだけなのだが、抜けない。
どう頑張っても抜けない。
ラスペネをかけ、プラスチックハンマーでコンコンやっても抜けない。
タイロッドエンドプーラは長さが足りずに引っかからない。

思いっきり引っ張って、クラッチ側プーリーが抜けても安全なようにナットをかけておくが、そんな事をするまでもなく抜けない。
仕方が無いのでいったん作業を中断し、プーラを買う事にする。
果たしてプーラで抜けるのか?クラッチが変形して終わるのか?

クラッチの部分を回してみると、シャーシャー音が出る。
テンションをかけておくと音は出ない。
ベアリングは安いものなので交換するのは良いとして、ベアリングプーラが必要かな。
その前に、プーラでクラッチが引っこ抜けるかどうかも問題なので、引っこ抜いてから考える事にする。
もしかしたら無理矢理外して変型して使えなくなる、なんて事だってあるかも知れない。

バルブスプリングコンプレッサを使ってみる

ウチにある工具で何とか出来ないものか。
プーラーは注文したが、早く外してみたくて工具をあさる。
するとバルブスプリングコンプレッサが目にとまった。
これをこう引っかけて…

ギュッと力を加えたら、ガコっと抜けた!

ベアリングは2個使われている。
奥側のローラベアリングと、手前のボールベアリングだ。
奥側のベアリングはグリスが固くなっていたので、洗浄して新しいグリスを詰め込んだ。

これが購入したプーラである。
バルブスプリングコンプレッサよりも数倍丈夫そうに出来ている。

クラッチ部の手前側のボールベアリングは、少しゴロゴロ感がある。
これが音の原因だ。
交換しなくてもすぐに壊れる事はないと思うが、ここまでバラしたのだから交換する。
しかしボールベアリングを交換するためには、ローラベアリングを抜く必要がある。
仕方ない、両方交換しよう。

クラッチ部のベアリングを交換する

ニードルローラーベアリングはボールベアリング側から貫通ドライバーなどで叩けば外す事は出来る。
これは何と言う事はなかったが、問題はボールベアリングだ。
手前方向に抜けてこないのは見れば分かる。

奥側に抜くわけだが、奥側はクリップで留まっている。

ウチにあったクリップ外しでは(レバーの部分が大きすぎて)穴の奥のクリップに届かない。
そこで要らなくなったラジオペンチの先を削ってクリップ外しのSST(Special Service Tool)を作った。

コイツでクリップを外す。

ベアリングを抜くには、長ねじを使った。
これで引っ張り出そうというわけである。

万力は、単にスペーサ代わりだ。
塩ビパイプなどで良いと思う。

さほど固いものではないのですぐに抜けた。
しかしトルクカムのピンに引っかかって、そこを通過するのに力が必要だった。
ベアリングの品番は、ニードルローラーベアリングがスズキの品番で09263-20093、一般品番だとFJT-2014Aになる。
ボールベアリングは6901LUか、両面シール品であれば6901LLUになる。

ローラベアリングは千円程度、ボールベアリングは400円くらいだ。

トルクカムのピンが少し内側に出っ張っている。
これに引っかかってボールベアリングがスムーズに抜けなかった。
と言う事は入れる時も苦労するわけで、本来はまずこのトルクカムのピンを抜くのが先だったのだ。
正しい工程で作業しなかったためにベアリングが少し引っかかった。

絶対通らないほどピンが出っ張っていれば考えたのに、ギリギリ通ってしまう所が何とも。
と、言い訳しておこう。

トルクカムを外す

まずはトルクカムの部分を分解しなければいけない。
トルクカムを外すには、そのカバーを取る必要がある。
カバーは嵌まっているだけなのだが、手で回して動くようなものではなかった。
私はパイプレンチで挟んで回した。
直径が約45mmあるので、大きめのパイプレンチでないと回せない。
少し回るようになれば(固着が解消すれば)手で引っこ抜く事が出来る。

上の写真がカバーを引き抜こうとしている所だ。

カバーを引き抜くとトルクカムの機構が見える。
ピンは外側にしか抜けない(内側には落ちないようになっている)ので、スリットの間から引っこ抜く。

バラバラにした状態でベアリングの交換をやるべきだったのだ。

ベアリング交換後はグリスを塗って元通りに組み付ける。

トルクカムにおかしな摩耗はなかったが、走行距離によっては溝に段付きが出来るそうだ。
そんな時はPROXXONの電動小型リュータみたいなもので削れば良いかもしれない。

ベアリングを取り付ける。

最初にボールベアリングを取り付ける。
ニードルローラベアリングを付けてしまうと、ボールベアリングは取り付けられなくなる。

どうせだったらオイルシールも変えた方が良かったかなと思ったが、パーツを注文していなかったので再使用する。

ベアリングを入れるのにさほど力は要らない。
新しいベアリングの上に古いベアリングを乗せ、その上からディープのソケットで押した。
ベアリングには薄くグリスを塗って、カジリを防止しておく。

プラスチックハンマーでごく軽く叩けばすんなり入っていく。
ピッタリ奥まで入った事を確認して挿入は完了である。

ベアリングが入ったら、トルクカム部分を組み立ててしまう。
グリスを塗ってピンを入れて嵌めるだけだ。
グリスは、グリス逃げのような溝があるのでたっぷり入れても大丈夫そうだ。

ここのオイルシールも、どうせなら替えた方が良かった。
これも今回はパーツを注文していないので再使用する。
この上からカバーをかぶせて完成である。

次にクリップを取り付ける。
ベアリングが規定に位置まで入っていれば、これも問題なく入れる事が出来る。

工具さえあれば何と言う事はない。
ピンセット程度の力ではクリップを縮める事は出来ない。
クリップが外れて跳ねてどこか行方不明になるなんて事が無いように。

規定の場所まで入ればOKだ。

この状態でレッツ4に装着して回してみると、シャーシャー音は出なくなっていた。

ニードルローラーベアリングは、手前の方にあるので作業性は悪くない。
ただボールベアリングを入れる時よりも力が必要だった。
大きめの万力かプレスでもあれば良いが、なければ(平均して荷重がかかるように)厚めの鉄板を乗せるとか、ソケットレンチなど当てて叩いていけば入る。

2個のベアリング装着が完了したらクラッチを組み立て、ベルトを掛けてレッツ4に装着し、ウエイトローラ側プーリを組み付けて作業完了だ。

プーリーはパーツクリーナーで十分に脱脂する。

組み立てる

パーツの整備が完了したら元通りに組み付ける。
50ccの原付は全てのパーツが小さいので組み付けに力は余り必要ない。
給脂すべき所にはグリスを塗り、脱脂すべき所は綺麗に脱脂する。

エアクリーナのスポンジは新品にした。
エアクローナのガスケットも新品にした。

ドライブベルトカバーのガスケットは注文してあるのだが納期はあと10日ほどかかるという。
品番は11482-32G00で、これは後日交換する。
古いガスケットでも使えない事はないが、少しヨレていてべろんとなった部分がある。

なので、伸びた部分を切断して組み付けてしまう。
シアノアクリレート系接着剤で付ければそのまま使えるが、今回は部品を頼んであるので接着はしなかった。

納期がかかると思っていたのだが、早々に入手出来た。
いつもは日中に配達があるのだが何故か夕方近くに配達員が来た。
当日配送か何かかなと思って荷物を見るとガスケットだった。
だったら古いものを切らずに待ったのに。
と言うわけで、新しいものに交換した。

ギアオイルを交換する

ギアオイルを交換する事にする。
ギアオイル量は100mlと少なく、オイルはエンジンオイル(10W-40)で代用できる。

原付スクータに乗るオジサンやオバサンがまず交換する事はないであろうギアオイル、さほど汚れていない。
注入はシリンジで100mlを入れる。

次にエンジンオイルを交換した。
エンジンオイル量は700mlなのだが、推定300mlほどしか入っていなかった。
ドレンボルトの磁石部分には、殆ど鉄粉は付いていなかった。

綺麗に洗浄しておいた

ドライブベルトケースを掃除しておく。
油分で固まった汚れだとかベルトやクラッチの摩耗粉などで汚れている。
エンジンクリーナ(噴霧用工具)とコンプレッサがあれば、灯油で洗うのが簡単だ。
無い場合はパーツクリーナを吹き付ける。
パーツクリーナは、洗浄力は低いが価格の安い”大阪魂”が840mlで199円である。

外した部品も洗浄する。
これも灯油で洗浄した方が安上がりで良いと思うが、パーツクリーナーでも勿論綺麗になる。
パーツクリーナの場合は脱脂されるので、早めにグリスアップしたほうが良い。

中央下のコロッとしたものはセルモータのピニオンのかみ合う減速機構だ。
スライドさせた中にも部品が入っているので、そこにもグリスを塗っておく。
外側に余り沢山グリスを塗ると、飛び散ってドライブベルトに付着する気がする。

イグニションプラグを交換する

純正品番はNGK CR6HSAである。
C6HSAは抵抗なしのもので、輻射雑音などが増えるがプラグとしては普通に使える。
CRF70Fは接地電極が3本で中心電極がイリジウムだったかな。
スカイウエイブ(CJ43)は純正指定がCR8EKである、これは接地電極が2本だ。

複合点火装置の実験をした時に、イリジウムプラグにしてみたり2接地電極プラグにしてみたりした。
自動車の場合はエミッションコントロールがあるので、失火は許されない。
二輪車も最近は排ガス対策のために様々な工夫がされているが、古いモデルに関してはプラグによって燃焼状態の変化が分かる場合もある。

接地電極数を増やして失火を防ぐ事は、古くから行われている。
イリジウムやプラチナプラグは、電極を細く出来る(摩耗しにくい)事で放電要求電圧を下げようとする。
また中心電極が細い事で火炎伝搬の障害になりにくいなどもある。

NGKでは二輪車用としてMotoDXプラグを販売している。
接地電極の断面をD形状にする事によって、30km→80km加速を0.3秒も短縮、アイドリング燃費を2.3%も向上させるなど、一昔前に燃費グッズ顔負けの性能を誇る。

40km→80km加速のデータがこちらのサイトにあった。

MC51(38馬力)が3秒156で加速しているタイムを0.3秒近く短縮出来ると、MC22(45馬力)のタイムを凌ぐ事になる。
プラグ交換で2割もパワーが上がるのか。
MotoDXプラグを使えば、MC51がMC22を追い回せるかも知れない。←どう考えてもそんな訳はない。

NGKによればアイドリング時の燃料消費量が減るとなっている。
アイドリング時の燃料消費量を減らそうとすると、アイドリング回転数を下げる位しか思いつかない。
昔のバイクならともかく、排ガス規制に対応する現在のバイクの失火率が高いとは思えない。
能書きには燃焼効率の向上が謳われているのだが、それ以上の説明はなく謎である。

アイドリング時の燃料消費量を下げるには、大量EGRなどを利用してパワーを下げる(スロットルを開ける方向でポンピングロスを減らす)方法が一般的だ。
細かな所ではオルタネータ負荷をコントロールして、アイドリング時にはバッテリー電圧を低めに誘導するなどもある。
少ない燃料で大きなパワーをと言ったって、ガソリンの熱量には限界がある。

なおバイク用のみではなく、ルテニウム配合中心電極を使ったプラグならば漏れなくパワーアップと燃費性能向上が起きるそうだ。

今回は怪しげな能書きのプラグは使わず、純正指定そのままのものを使用した。

レッツ4のプラグ、おそらく無交換だろうから走行1万kmとなる。
電極はエッジが失われて丸くなっている。
プラグは中心電極がマイナス電位になる。
電子はマイナス極である中心電極から、+極である接地電極に移動する。
その為マイナス極である中心電極の金属が蒸発しやすくなる。

2気筒以上の同時点火のエンジンの場合は、逆極性で火花が飛ぶ。
その為接地電極側が減るので、接地電極にプラチナチップを埋め込んだタイプが使われる。
ハイテンションコードが2本出ているタイプのイグニションコイルが使われているエンジンでは、接地電極に耐摩耗構造が採られたプラグを使う必要がある。
NGKのルテニウム合金中心電極プラグは、接地電極側にはプラチナチップが使われている。

耐摩耗性が重視されるのは、エッジがなくなると電荷の集中が起きにくくなり、火花が飛びにくくなるからだ。
通常の金属で中心電極を細くすると、寿命が著しく短くなってしまう。
そこでプラチナやイリジウムを使用し、細い電極で耐久性を持たせる。

電極のエッジを増やすために、中心電極に溝を入れたり+字を入れたり、接地電極を斜めにカットするなどしたプラグも(あった)ある。

BlogAの方には以下のように書いた。

それより効果があるのは穴開け加工だ。
接地電極の中心電極の真上に当たる部分に細いドリルで穴を開ける。
中心電極が細いプラグなら中心電極はそのままに、中心電極が太いプラグの場合は中心電極にも穴を開ける。
これによりエッジが増えて着火性能が良くなる。
点火性能に敏感なバイクにお乗りの方は、一度試してみると面白いかも。

タイヤを交換する

タイヤは、後輪は摩耗限度まで減っている。
前輪は未だ使えそうなのだが、この際なので一緒に交換する。
舗装路とは言っても山道を走る機会が多いので、粗いパターンのタイヤを探した。
サイズ的にオフロードタイヤっぽいものが使えないので選択肢は限られるのだが、VeeRubberというタイヤを注文した。

面倒なリアタイヤを外す。
通常はマフラーを外すのだが、今回は手を抜く。
マフラーのフランジのネジはこんな感じだ。

作業性確保のため、原付は寝かせてしまう。

このファンカバー、空気の入り口が狭くなっている。
調べてみるとエンジンのオーバークール対策だそうで、短距離走行が多い場合にエンジン温度が上がらず、カーボンが蓄積して走行不良に陥る場合があったのだとか。
そこで冷却風量を少なくする対策を行ったリコール部品がこれらしい。

レッツ4のみではなくアドレスでもエンジン温度が上がらず、結露によってオイルが乳化するなどの症状が見られるそうだ。
アドレスでも対策用のパーツが出ていて、これを付ける事で油温を10℃以上上げる事が出来るそうだ。
ちなみに冬場に普通に走っている時の油温は40℃にも満たないのだとか。

マフラーの留めネジ2本を外し、マフラーを少し引っ張りながらナットを緩めてタイヤを外す。

ホイールからタイヤを外すのだが、タイヤレバーが見当たらない…
確かスカイウエイブのタイヤ交換の時に使ったはずなのに。
でも原付のタイヤくらいならと、適当な工具でやってみる。
と、ドライバー(のようなもの)2本で外す事が出来た。

ブレーキシュー回りは粉だらけなので、エアでダストを吹き飛ばしておく。

タイヤは簡単に外せたので、新しいタイヤを組んでいく。

新旧タイヤである。

元々付いていたのはIRCのもので、比べてもさほどパターンは違わなかった。
サイズは80/90-10だ。
原付のタイヤは小さいので外すのも組むのも簡単だ。
足で踏めば外れると言うほどではないにしても、ドライバが2本あれば簡単に脱着できる。

組むのは簡単だったが、隙間が空いていてビードが上がらない。
仕方が無いのでエアバルブの中身を抜き、エアガンでダイレクトにエアを入れた。

前輪も交換する。
ブレーキとスピードメータセンサなどが一体になっているので作業性は良い。
ブレーキダストをエアで飛ばし、ドラムはパーツクリーナで綺麗にした。

正規のタイヤサイズは80/90-10で、幅が80mmでアスペクトレシオが90%、ホイール径が10インチの意味だ。
しかしこれに近い3.00-10でも装着できるらしい。
3.00-10は幅が3インチ(約76mm)でアスペクトレシオは100%だとか。
しかしIRCのサイトで見ると3.00-10のタイヤ幅は86mmになっている。
外径は80/90-10が401mmで3.00-10が415mmと書かれている。
80mmの90%なら72mmで、これが両側だから144mm、ホイール径が10インチなので254mm、合計は398mmに、計算上はなる。

バイク屋さんのblogによると、実測で3.00-10の方が1cm以上大きいとなっているので、IRCのサイトの情報が正しいのだろう。

いずれにしても80/90-10に最も近いのが3.00-10で、3.00-10サイズならばブロックパターンのタイヤがあった。

これはIRCのGP-110というタイヤだ。

錆転換塗料を縫っておく

ハンドルの溶接部分などに錆が見られる。
以前に購入した銀色の錆転換塗料があるので、それを塗っておく事にする。
錆転換塗料は錆を剥がさずに塗る事が出来て便利なのだが、この銀色のものは錆が無い所には付着しにくい。
だいぶ前に買ったものなので少々固くなっていて、溶剤が何かも不明(油性には間違いない)なので、そのままボテッと塗る事にした。

どうせカバーで隠れるので問題ない。

その下の部分も錆が出ていた。
更に下はグリス分があり、錆は見られなかった。

ボテボテになってしまった。
ここも一部はカバーで隠れる。

登坂時のエンジン回転数はどの位?

試運転してみると、だいたい10km/h位でクラッチがエンゲージする。
別荘地内の最も急な坂道では25km/h位の速度が出た。
このエンジンは最大出力の5PSが8000回転で、最大トルクの0.46kg・mが6500回転で得られる。
なので、6500回転から7500回転くらいで登坂できれば良いのではないかと思う。

排気音で回転数は分かるだろうか。
FFTで見てみた。

赤い線がピークホールド値なので、これで見てみる。
最初の山は約70Hzの所にあるので、これから計算すると8400回転になる。
2番目の山(最もレベルが高い)はその2倍高調波の140Hz付近だ。

ちょっと回転数が高いなぁ。
計測がうまく行っていない可能性がある。
オシロとバッテリーとインバータを積めば、イグニションパルスから回転数が計算できるのだが、それも面倒だしなぁ。

そうだ、発電機にアワメータを付けていたんだ。
これはエンジン停止中は稼働時間を示し、エンジン回転中はタコメータになる。

早速取り付けてみると、坂道全開で7400回転から7500回転になった。

この位なら良いかな。

整備を終えて

原付を新車で買えば、定期的なオイル交換くらいで手間はない。
タイヤ交換などは走行距離によって行う必要があるが、ウエイトローラやドライブベルト、クラッチやブレーキの寿命は長い。

レッツ5では西東京市まで行った。
往復で150km位走ったが、凄く疲れたという感じではなかった。
レッツ5の燃料タンク容量は5リットル、燃費は40km/l位なので150km走るとそろそろ給油しようかなという所だ。

自動車と違って細い道でも入っていける。
いや、幹線道路よりむしろ細い道を走った方が楽である。
幹線道路では自動車との速度差があるので、常に後方に注意しながらになる。
ちなみにレッツ5はリミッタ(速度か回転数かは不明)が作動し、一定以上の速度が出なくなる。

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