散水栓を増設する

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植木への自動散水を、電磁弁とスマートコンセントで実現している。
家のカーポート側には散水栓があるのだが、南斜面側には何もない。
唯一給湯器の水抜き用のバルブがあったので、そこを使って自動散水ノズルに配管していた。
しかし植木が増え、水量が増えたために散水時に給湯器がONになり、湯を植物にかける事になる。
これまでは水量が少なかったため、給湯器がONにならなかったのだ。

当初は手っ取り早く対策を行うため、スマートコンセントから給湯器を制御した。
単純に給湯器のコンセントにスマートプラグを入れたのではダメなので、微分回路を使ってスイッチを”押す”仕組みにした。
その1その2その3
同時に配管の増設を考え、部品を注文した。

水道配管は地下に露出部があるので、そこから分岐させるのが手っ取り早い。
上が温水で下が冷水用の配管だ。

地下には水槽用のRO浄水器もあるので、ここへの配管も行う。
従来は洗面所の配管を分岐して、長いホースで配管していた。
1階で水を簡単に分岐させられるのは洗面所と洗濯機用の水栓だが、洗濯機は冬場は湯を供給しているので、残るは洗面所しかなかった。

地下の水道配管を確認すると、何と鉄管だった。
今時は塩ビ管が一般的だと思うのだが、何故鉄管なのか。

鉄管だとネジを切ってつなぐ事になるのかなと色々調べてみると、HI-LA継ぎ手なるものを見つけた。

これは配管を締め付けて固定する継ぎ手で、配管にネジを切る必要はない。
また金属管と塩ビ管などの異種管接続も可能だし、チーズになっているものもある。
こんな便利なものがあるんだ。

別のメーカになるがL型のものもある。
これはHI-LAのように金属でパイプを締め付けて抜けないようにするのではなく、抜け止めの仕組みをジョイントに付けている。

この抜け止めパーツがHI-LAの場合は本体に内蔵されているのだが、構造としては下の製品の方が見てよく分かる。
コメント欄で教えていただいたのだが、外側にロックの付いている下の写真のものの方が抜けにくいのだそうだ。

ストレートのものもある。
下の写真のものは継ぎ手部分は配管同士を接続してシールするもので、引っ張りに対する強度を確保するのが管を挟んで留めるパーツになる。
HI-LAの場合はこの管を抑える金属パーツがジョイントに組み込まれたような構造だ。
管への装着自体はどちも似たようなものだが、HI-LA型は管が引っ張られる方向に弱い(場合によって取り付け時に内部の金属パーツをたたき込む必要がある)ので、おそらくプロは管の状態によって使い分けるのだろう。

※地下が暗かった事もありピンボケ写真がありますがご容赦を。

まずは配管の保温カバーみたいなものを外す。

HI-LAマルチはこの辺りかなと、当ててみる。

その中間辺りを切断する事にする。
パイプカッタもあるのだが、手っ取り早くハンドグラインダで切ってしまう。

適当な間隙を開けて2カ所を切り、水の流れる幅を作る。
切り取ったパイプを見たら、内部はプラスチック管になっていた。
錆び防止かな?

パイプを切って、どうやってHI-LAを入れるかは下の絵をご覧いただきたい。

ついでに、配管計画も。
これもコメント欄で、電触に関して教えていただいた。
電触(電食)とはイオン化傾向によって金属が腐食することだ。
例えば鉄管と銅管を接続すると、鉄が腐食(錆び)ていく。

HI-LAは内外ともに樹脂コートなので問題はなさそうだが、メッキパーツはニッケルなのかクロムなのか?
6mmホースを接続する部分は真鍮である。
ここの組み合わせでも電圧が発生する。
6mmホースのコネクタはステンレス製もあるはずなので調べてみなければ。

この配管だけではなく、散水ホースの接続部などにも亜鉛メッキものとクロムメッキやステンレスものの接続部がある。
水槽関係は基本的には金属は使わない(海水に金属が溶け出すため)が、散水系はあちこちにマズいところがある。

水道のネジにはG(平行ネジ)とR(テーパネジ)がある。
下の図だと全部テーパネジの部品で構成出来るのだが、散水ホースをワンタッチのコネクタでつなごうとすると上の構成になる。
上の構成だと、6mmホースをつなぐ部分を平行ネジからテーパネジに変換しなければいけない。
ただし平行ネジのナット側の部分にはガスケットが入っているので、実は変換しなくてもそのまま嵌合させる事が出来る。

と言う事で上の図のように部品をつないでいく。
テーパネジの部分にはシールテープを巻く。
平行ネジはガスケットが入っているのでシールテープは不要なはずだが、ガスケットの厚みでテーパねじ部品が深く入らない場合はシールテープがないと水が漏れる。

ところで、パイプの切り口は処理するのだろうか?
動画などを見ても処理してないように見えるのだが、何もしないと錆びるはずだ。
コメント欄で教えていただいたのだが、端面をカバーするようなものが売られている。
金属パイプに樹脂管が入っているものなら、その樹脂の種類によってキャップ的なものを接着する。

鉄管を完全に覆うと言うよりも、端面の上にキャップ的なものが乗る?感じだろうか。
調べてみると、鉄管に樹脂管が入っている構造の管を接続する時に使うもののようだ。
これだと完全にシールされるので、端面が水に触れる事が防げる。

今回使うHI-LA継ぎ手は樹脂管が入っているのではなく樹脂コートされたものなので、端面にはさび止め塗料を塗っておいた。

HI-LAジョイントを入れようと、パイプを下げたらパイプ内の水が垂れてきた。

水がなくなるのを待ち、HI-LAの部品をパイプに通す。
固定ネジ、パイプを抑える金具、平ワッシャ、ゴムの順だ。

反対側にも部品を入れ、HI-LA本体も通す。

パイプの切断点がHI-LAの中心になるように位置を調整してネジを締めていく。
赤矢印の部分に塩ビ管を入れて絶縁し、電食を防ぐ。

中間に入れるパイプを作る。

HI管はグレーの塩ビ管(VP)用の接着剤は使えない。

締め付けるネジが結構大きく、こんな巨大なネジを締めるスパナがなかった。
モンキーはここまで開かない。
仕方がないのでパイプレンチで締める。

ネジを締めれば完成である。
元栓を開けて水漏れがないかをチェックする。

次にボールバルブの先にチーズやアタッチメントを付ける。
ワンタッチのコネクタに散水用のホースを接続するが、その散水用ホースの途中で電磁バルブを入れている。

電磁バルブはスマートコンセントに接続されている。
スマートコンセントのタイマにより、決まった時間に散水される。

電磁弁は手持ちのものを使ったのでDC24V仕様なのだが、1/2のテーパネジ付きで100Vのものであれば配管が簡単確実になる。
中華バルブの多くは平行ネジ(G)なので、配管する時は注意が必要だ。

黄緑色のチューブは6.35mm(1/4)のポリウレタンチューブで、RO浄水器に接続されている。
これも海外仕様の1/4インチサイズ(6.35mm)とミリ規格の6.00mmがある。
この黄緑のチューブの長さが少し不足して、塩ビ管を入れられなかった。

とりあえず配管しておかないとRO浄水器に水が行かなくなってしまう。
RO浄水器は水槽の蒸発水を補充するためのもので、1日あたり1~2リットルの水が必要なのだ。

素人工作なので漏水があると困る。
ビニル袋をかぶせ、そこに漏水センサを放り込んでおく。
これはWi-Fi接続されており、漏水があればスマートフォンに通知が来る。

この仮配管状態で少し様子を見た。

スポンジ的なものが入った断熱材を当てて、上から薄い断熱テープを巻いていく。

下側は発泡スチロールの断熱材があったので、それを切り欠いて付けた。
HI-LAとボールバルブの間はテープを巻いているが、この部分を切り離して塩ビ管を入れる予定なので、今はテープを巻いただけだ。
発泡スチロールの断熱材の長さがちぐはぐなのは、塩ビ管を入れた時に使うためである。

RO浄水器には1/4インチ(6.35mm)のプラスチックチューブ(黄緑色)で接続する。
RO浄水器自体が輸入物のため、6.0mmのチューブだと緩くて抜けてしまう。
従来使っていたのは国内メーカ品(中華ものはピンホールが開く恐れがある)で、硬化もしていなかったし、もちろん漏れもなかった。

6.35mmの(黄緑色)チューブが意外に早く入手出来たので、塩ビ管を入れる。
長めに作ったのは、さらに分岐が欲しくなった時にここを切ればチーズが入れられるかなと思ったからだ。

断熱材をかぶせる。
塩ビ管なしの時にかぶせたものを外し、上下逆にしてピッタリ。

絶縁したので電位差を測ってみると、約-0.6Vだった。
鉄管側が低電位になるので、鉄管側が腐食する。

電磁バルブからは内径12mm(実測だと13mmくらい)のリールに巻かれた散水ホースで1階のベランダまで配管する。
そこで外径8mmのプラスチックチューブに分岐させる。
従来はタケノコをプラスチック製のワンタッチコネクタに接続していたが、どこからか水が漏れていた。

タケノコと継ぎ手はテーパネジだが、そのあとの1/8のネジ穴の開いたチーズは平行ネジだ。
テーパネジのナット側に平行ネジのボルト側を入れると、数山しかネジがかからない。

1/8の穴の開いたチーズは2個接続し、下の写真の一番右側は1/2⇔1/4のアダプタを付ける。
このアダプタはテーパネジなのだが、テーパネジのボルト側は平行ネジのナット側には入る。
1/8のネジ穴の開いたチーズには2種類のガスケットが付属していて、薄い方を入れて径変換アダプタをねじ込んだ。
アダプタは1/4のテーパネジ穴が開いているので、そこにストレートの8mmワンタッチコネクタを付けた。
ここもL形にしたかったのだが、手持ちがなかった。
この状態で通水し、漏れがない事を確認した。

タケノコをつないでいる継ぎ手は錆びるよ、ワンタッチのコネクタが良いよと教えていただいた。
外してみたら、たいした時間使っていないのに錆びていた。
これはチーズ側に、継ぎ手のさびが付いたものだ。
錆はねじの部分で発生していた。
私は配管関係は全くの素人なので、アドバイスをいただけるのは非常に助かる。

そういえば箱のどこかにワンタッチのコネクタが転がっていたかも。
で、探し出した。

これなら平行ネジなのでチーズにちゃんと接続する事が出来る。
緑の方はホース側なのだが、これが合わない。
ホースの外径にはぴったりなのだが、内径はホースの方が太い。
ホースの方が太いと、いくら締めても水は漏れる。
使っているホースは内径公称12mmなのだが、たぶん12.7mmで外径が17mm位だ。

このワンタッチのコネクタは何種類も買っていて、というのはつまり合わなかったものが多かったわけで、さらに探してみる。
2分岐(Y型)のものとか、ホース用のチーズとか、何か色々出てきた。
おそらくホースに合うだろうと思われるものを見つけたので、分岐側から組み立てる。

ホース側は少し緩いかなと思ったが、ギュッと締めれば何とかなりそうだ。

8mmのホースに散水ノズルを付けるのだが、ノズルの数が多くなると流量が間に合わなくなるので3つに分けた。
それぞれのホースには8個から10個のノズルを付けている。

8mmホースで2m/sの流量を確保出来る水量は毎分2.4リットル、タケノコ側に付く12mm(13mm)ホースは同15リットルとなっているので、3分岐は全く問題ない。

ノズルはプラスチック製と金属製があり、金属製のものはリングを回すことで噴射角を変えることが出来る。

中華配管キットでは外径6mm(7mm)×内径4mmのプラスチックチューブが付属してくるものがあるが、6mmのチューブはこのノズルのチーズに入らない。
説明によればチューブを加熱して入れろとなっているが、そう簡単に入るものではない。

しかもリンクのキットはノズルが140個も付属しているが、ノズル1個あたりの流量は毎分約120mlで、外径8mm×内径5mmのチューブを使ったとしても流量は毎分約2.4リットルでしかない。

つまりノズルを20個付けるとチューブの流量に達してしまう。
6mm(7mm)のチューブの場合は毎分約1.5リットルしか流せないので、その配管に付けられるノズルは10個くらいに抑えたい所だ。

まあキットものは安いので、これを買って部品を使う手もある。
8mmのチューブがちょうど良いので、ノズル単体チューブを買った方が良い。

ノズルの先端は外すことが出来、清掃が可能だ。
プラスチック製が毎分約120mlの吐出量で、金属製はミストにした場合で毎分約150ml~狭角にした場合は毎分約2リットルの吐出量と書かれている。

今回のこの散水の仕組みは、1階のベランダと2階のバルコニーに置いているプランター用だ。
この他に屋外用の散水の仕組みも作ってある。
500リットルのタンクに雨水やクーラのドレン水をためて、それをポンプで圧送してプランター用と同様のノズルから噴射する。

南斜面は日当たりが良く、山は水はけが良いのですぐに乾いてしまう。
そのため植物が育たず、草も余り生えない状態だった。
そこで雨水を利用し、ソーラパネルの電力でダイヤフラムポンプを動かして散水する仕組みを作った。

この効果は絶大で、やがて植物が育つようになり草も生えるようになった。
いったん植物が育つとその植物によって日陰が出来る事、植物が吸い上げた水分が地表近くに集まる事でさらに植物が育つ。

噴霧には水圧が必要なので、ダイヤフラムポンプを使っている。
60W入力電力のポンプで毎分5リットル程度の吐出量なので、ノズルは20個くらい付けられる。
これ以上の場合はポンプの台数を増やすか、あるいは大型のポンプを使う必要がある。


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