発達障害とか運動障害とか言うときの「障害」という言葉は、「異常」と同義(1/4)

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目次
・世間で用いられる障害という言葉の意味ふたつ
・医学は、身体に起こる出来事を一点のせいにする
・「発達障害」と「運動障害」を例に確認する
・なぜ「障害」という言い方にひとは違和感を覚えるのか


◆世間で用いられる障害という言葉の意味ふたつ

 発達障害とか双極性障害とか運動障害といったように、医学では障害といった用語がしばしば使われますね。


 そして最近では、その障害という表記の代わりに、障がい、もしくは障碍と書かれることがありますね。


 でも、そうした、障害障がい障碍(以下、障害とのみ記す)、といった用語はいったい何を意味しているのでしょうか


 今回は、その意味を特定します。


 いきなりですけど、世間で用いられる障害という言葉には、つぎのふたつの意味がありません?

  • A.障害物
  • B.(障害物によって)何かが起こるのが妨げられている状態


 たとえば、こんなふうなことを言うときがありますね? 「ロメロとジュリエッタは、数々の障害を乗り越えて、愛を実らせた」。この場合の障害という言葉は、Aの「障害物」を意味するのではありませんか。


 いっぽうこう言うときはどうですか。「インターネットに接続できない。通信障害が起こっているらしい」。この場合の障害という言葉は、通信の実現が、何らかの障害物によって、妨げられている状態、を意味しているのでありませんか。その障害という言葉は、先のB「(障害物によって)何かが起こるのが妨げられている状態」を意味するのではありませんか。


 発達障害や運動障害といったように医学で使われる障害という用語は、ちょうどいま言いました、B「(障害物によって)何かが起こるのが妨げられている状態のほうを意味しているのではないでしょうか。


 でも、仮にそうだとして、この場合、(障害物によって)何が起こるのが妨げられている、と言っているのか?


 いやいや、ちょっと先を急ぎすぎました。世間で用いられる障害という言葉には、意味がふたつあるというこのことは一旦、頭の隅っこに寄せておくことにして、ゆっくり一からから考えはじめることにしましょうか。


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2021年6月29日に文章を一部修正しました。