社労士が自身の希少性を高めることができるダブルライセンスとは?【後編】

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前回の記事の続きです。前回の記事をお読みでない方はぜひご覧ください。

DCプランナー

DCプランナーとは

私の会社では、確定拠出年金(DC)を導入しています。

社員の方からライフプランやマネープランに関する相談があったときでも、公的年金・企業年金ともにしっかりと説明できるようにと考え、資格取得を通じて勉強をしました。

DCプランナーは、商工会議所が運営している検定になります。

1級と2級があり、2級は誰でも挑戦できます。
(1級は、2級合格が受験資格となります)

私が取得したのは2級ですが、企業の人事担当者として求められる知識水準を考えると2級で十分ではないか、と判断しました。

なお、2021年に大幅に試験内容が変更され、以下の通りとなっております。
・PBT方式(紙の試験)からCBT方式(パソコンを用いた試験)に変更
・1級は、税理士のように科目単位での受験・科目合格制に変更(科目合格は有効期限の定めなし…一度合格すればずっと有効)
  A分野(年金・退職給付制度等)
  B分野(確定拠出年金制度)
  C分野(老後資産形成マネジメント)

皆さんの所属企業がDCを既に導入している場合はもちろん、導入を検討している場合でも学習し取得を目指すことはプラスになるはずです。

DCプランナーの勉強方法

学習方法は、先ほどのリンク先のホームページに教材が紹介されており、それらを中心に勉強すれば合効果的です。

計算問題が出ますので、計算パターンを覚える反復学習が必要です。

TOEIC

社労士が英語(語学)を武器にする意義

従来の「人事業務」は、公的保険手続や給与計算など非常にドメスティックな業務が中心でした。

しかし、現代のようなグローバルな時代になりますと、自社の支店を海外に設けたり、海外の企業に自社の社員を出向させたりと、人事業務の中にも「外国とのやりとり」が少なからず入ってきます。

また、給与計算事務などをアウトソーシングする「シェアードサービス」を利用する場合、必ずしも国内のシェアードサービス会社を利用するとは言い切れません。

今後、日本国内の企業でも、海外のシェアードサービス会社に業務を委託するケースが増えてくるのではないかと感じております。

これは、海外(アジア・インド系など)の企業に委託する方が、日本国内で同じ業務内容を行っている会社に委託するよりも、コスト的にメリットがある場合が多いからです。

しかし、シェアードサービスに給与事務・公的保険手続事務を委託するといっても、企業側でその業務分野を担当する者が皆いなくなる・不要となるわけではありません。

企業の中にシェアードサービス会社と自社の懸け橋となる、窓口担当者をおく必要があります。

その担当者は、社内の人事業務(社内の人事制度・給与計算・公的保険手続)に詳しい方であり、かつ、外国のシェアードサービスに業務委託する場合はある程度の語学力が必要となるでしょう。

社労士…特に勤務社労士の方がそのような立場を担うことができれば、社内で大きな優位性を得ることになります。

また、開業社労士の方でも、海外進出を考えている、または既に海外進出しているクライアントを自身の語学力をベースに獲得できれば、かなり差別化を図れると思います。

そのような意味でも、やはり開業・勤務問わず、今後の社労士が外国語を習得しておくことは、マスト要件ではないにしても、強ければ大きな差別化になります。

言語はやはり英語が中心ですが、それプラス1言語あるとより良いと言われています。

プラスするもう一つの言語は、漠然と言語を選択するのではなく、現在自分が勤務している会社の支店のある国の言葉であったり、会社が今後展開を見込んでいる国の言葉であったりと、選択理由が明確な方がモチベーションが続きます。(ちなみに、私の場合は「英語」と「中国語」を勉強しています。)

TOEICのスコアは何点あればよい?

TOEICのスコアが高ければ、英語を使った仕事ができるようになるわけではありませんが、自身の学習の目標としてある程度計測可能な目標を設定しないとモチベーションが上がらない方にとっては、目標スコアを設定することは良い手段となります(私自身はこのタイプです)。

「TOEIC スコア 目標」などで検索をかけると、様々な切り口から目安が設定されておりますので、自身の希望や状況に近い理由を探して、目標スコアを設定すると良いです。

一般的には「900点オーバー」というのがハイレベルとされていますが、その域に達するにはかなりの勉強量が求められます。

そのような意味でも、
・何のために英語(TOEIC)を勉強するのか、目的を明確にし
・その目的にフィットした目標スコアを設定する

ことが非常に重要です。

企業の中には、昇進昇格の基準としてTOEICのスコアを設定しているところもありますので、そのような企業にお勤めの方であれば、その基準に合ったスコア目標を設定すると一石二鳥ですね。

行政書士

社労士 × 行政書士

開業されている社労士の先生で、行政書士とのダブルライセンスの先生は結構多いです。

ご存じのとおり、社労士試験には「民法」がありません。

しかし、開業社労士・勤務社労士関係なく、法律に携わる専門家の基礎知識として「民法」の知識は必須です。

例えば、契約、不法行為、安全配慮義務、使用者責任などの概念は、社労士の業務でも頻繁に論点として登場します。

もちろん、「それが理由なら、民法だけ勉強すればよく、行政書士の資格まで取得するのはオーバースペックではないか」という意見もあります。

私の場合は、
・漫然と特に目標なく「民法を勉強する」というだけでは、具体的なマイルストーンやゴールがないため、行動に移しづらい/モチベーションが続かない
・行政書士を取得しておけば、将来社労士とのシナジーで他者との差別化ができるかも

と考え、受験を決意しました。

行政書士試験の勉強方法

私の場合は、法学部出身ということもあり、市販テキストを用いた独学でなんとか合格することができました。

ただし、社労士試験同様、状況が許されるのであれば、各種予備校を利用していただくのが、合格への最短ルートだと思います。

特に、民法や行政法という行政書士にとってのメイン科目は、法律にあまり触れたことがない方にとっては独学で理解することが難しいかもしれません。

最後に

大切なのは、「ダブルライセンス・トリプルライセンスで自身の希少価値を高める」という視点です。

これがないと、単なる資格マニアで終わってしまいます。

もちろん社労士一本でいく王道もありますが、今後社労士の数も継続的に増加していく中で、何らかの方法で「差別化」という視点は持ち続ける必要と思います

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