gumi社の決算資料を読んでみた PART3
こんにちは、なりちゃんです。
皆様お待たせいたしました!(誰を?)
今回は、gumi社の決算レビュー記事第3弾となります。
もはや一体誰のために書いているのかさえ見失ってしまったgumi決算レビューシリーズ・・・
実際、書こうかどうか迷いましたがある人が背中を押してくれました。
書きなさい!
誰かのためじゃない。
あなた自身の願いのために!
・・・ワタシの願いって一体なんなんでしょうか?(知るかw)
冒頭からかなり不穏な空気が漂っていますが、構わず進みます!
ヨーソロー!
さて。
gumiと言えばエイリム、エイリムと言えばブレフロです(暴論)
そんなブレフロコンテンツの親会社であるgumi社の2020年4月期 第1四半期決算をレビューしていきたいと思います。
バックナンバーはこちらからどうぞ。
いよいよ待望のブレイブフロンティアシリーズ最新作、ブレイブフロンティアレゾナが9/15に正式リリースということで今や遅しと待ち構えているわけですが、ブレフロプレイヤーとして直近のgumiグループの業績を確認しておきたいところ。
そして、日頃ブレヒロをプレイされている皆さんにとっては、ブロックチェーン事業に関する重要なお知らせもリリースされていますから、そのあたりも確認していきましょう。
【目次】
前期末決算の確認事項
早速本題に入りたいワケですが、前回の記事でワタシが疑問に感じていた点というものを少し確認しなければなりません。
(前回記事は短信発表時に投稿しており、有報を見ていないため。)
マニアック論点なので適度にスキップ推奨。ただし、業績を理解するための重要なエッセンスが含まれています。
何が疑問だったのかというと、
「繰延税金資産の回収可能性」
ですね。
詳細が気になる方はPART2の記事の末尾に書いているのでご覧ください。
要するにポイントはこうです。
- 2019年4月期は繰延税金資産を積み増しした(進路、オールグリーン!)
- 2020年4月期は一転して取り崩した(総員、第一種戦闘配置!)
- 取り崩しの原因は将来の業績見通しだけど、本業の収益性にリスクがあるの?
とまぁ、超簡単に言うとこの3点に集約されるワケですね。
繰延税金資産の回収可能性のお話なので、その内訳についても簡単に見ておきます。
(2021/4期の金額がPART2より更新されています)
※1と※2の脚注を含めてみると分かるとおり、固定資産の減損や投資有価証券の評価損(減損処理)があったので、その分の一時差異が増えて、課税所得が出たので繰欠が減ってるけど、将来の業績見通しが悪そうなので評価性引当額が増えている、ということになっています。
※3については個人的に気になったんですけど、多分減損損失の一時差異を減価償却超過額に入れてしまっているよね?
そうすることもあるし、明らかに事実と異なるワケでもないのでいいんですけど、税効果ってそもそも理解が得られにくい領域なので、他の開示と整合させやすいように「減損損失」と別掲した方が読み手に伝わりやすいのではと・・(誰目線やねんw)
あと、有報提出くらいのタイミングで2022年4月期の業績予想とか出ないかな~と淡い期待を抱いていたんですが、9/13現在では見通し不安定ということで公表されていませんね。
あえて意地悪い言い方をするワケではないのですが、コロナ関連の事象が業績に与える影響は軽微と言っているので、裏返すと本業がそれだけ不安定だということになってしまうので、どうなるものやらと。
とまぁ、こんな印象を持ちつつ迎えたQ1決算を具体的にみていきましょう。
gumiグループ全体のQ1決算
まずは簡単に連結PLの前年同期比をみてみましょう。
一言で言えば減収減益、営業外損益と特別損益でもマイナスとなっている点にも着目しておきましょう。
決算説明資料のp10、11に四半期業績の推移を分かりやすくまとめたスライドがありますのでそちらも参照してみてください。
売上高が減少したのは、既存タイトルは堅調だが新規タイトルのリリースが無いという点が大きく響いている様子。一方コスト面では大型タイトル継続開発により開発費が増加しているとのこと。
営業外損益以下については後述します。
前期比較を見た所感
個人的には、ある程度想定どおりと言える感じだったのではないかという印象を受けました。
売上高が減少していることで営業赤字となってはいますが、これは前期末の決算時点で判明していたことですし、リリース時期が延期となった結果、Q1の終わりかQ2頃から新規タイトルが出るのかな?くらいの印象だったので、新しいリスクが疑われるような感じではないのかなと感じています。
繰延税金資産の回収可能性という観点から業績の懸念はしているものの、Q1の時点で判断できるものでもありませんし、新規タイトルリリース後の業績を分析していくことで見えてくる部分もあると思いますので、引き続きQ2以降の業績推移を見守っていきたいと思います。
営業外・特別損益の状況
これは主に暗号資産の時価の下落によるものです。
(詳細はこちらのプレスリリースで説明されています⇒Link)
連結PLの営業外費用に、暗号資産評価損672百万円と、持分法による投資損失587百万円が計上されています。
クリプト界隈にいる方にとっては説明すら不要でしょうが、一応おさらいを。
暗号資産は今年の4月頃に全面高の状況でしたから、gumiにとってはそのタイミングで前期末決算を迎えており、営業外収益が大幅に増収となっていました。
その後の反落を受けてQ1決算を迎えているため、そりゃ時価の下落はしていますよねというお話です。
持分法による投資損失はVR Fund, L.PというXR事業の投資先なのですが、これはちょっと注意が必要かも?
というのは、この投資先は前期末決算では絶好調で持分法による投資利益を通期で20億以上も計上していたんです。それが一転、Q1決算で5億以上の損失となっているので、その投資先の収益構造がどうなっているのか興味深いですよね。
特別損失の150百万円は役員退職慰労金です(さらっとw)
会計基準変更の影響がありますよ~
gumi社に限った話ではないのですが、当期は収益認識に関する会計基準等の適用による影響があり、比較情報を見る時にちょっと注意が必要ですよという点に触れておきます。
簡単に言ってしまうと「会計ルールが変わったことによって、いつ、どのように売上計上するか」という会計処理が変わりましたということです。
(詳しくは四半期報告書p12の会計方針の変更を参照)
超簡単に説明するとこうです。
【変更前】
ワタシ「iTuneカードで1万円ダイヤ課金するやでポチぃ!」
エイジ「1万円キター!あ、アップルさんケツモチ代3千円っす!ちっす!手取り7千円か、ヒャッホゥ!」
このように、課金した瞬間に全額が売上計上されます。
【変更後】
ワタシ「iTuneカードで1万円ダイヤ課金するやでポチぃ!」
エイジ「1万円キター!あ、アップルさんケツモチ代3千円っす!ちっす!残り7千円の見積り利用期間は半年か。お~い岩渕君、この7千円を6ヶ月の月割計上ってメンドイんだけど!どうなってんの?」
ぶっち~「仕様です」
このように、課金額が見積り利用期間にわたって売上計上されます。
Tips
ちなみにこのアップルさんのみかじめ料に関してアメリカで裁判が繰り広げられていますね。
グローバル893として世界各国からみかじめ料をせしめて超ウハウハなアップルさんの収益構造が変わってしまうかもしれない事案なので、今後の行く末には注目したいところです。
収益認識基準そのものについては巷にいくらでも解説本などがありますので、興味のある方は調べてみてください。
見積り利用期間をどのように決定しているのか詳細は分かりませんが、詳しいフリをするならば、ポイント引当金のように過年度の使用実績を取って期待値の高いエリアを採用するって感じでしょうかね?
要するに、買ったダイヤが使われるであろう時期にあわせて売上を計上しようね、というルールになっているので、それっぽいやり方をしていますよということです。
これに伴って、
「当第1四半期連結会計期間の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の累積的影響額を、当第1四半期連結会計期間の期首の利益剰余金に加減しております。」(原文ママ)
という復活の呪文のようなことをしています。
要は「前期までの決算情報は修正しないけど、前から修正後のルールでやってたとしたら今どうなってるかという前提で当期の決算やってるよ」ということです。なので、期首の利益剰余金に過年度の影響を加減しているというワケです。
ですから、過年度比較でPL数値を並べる際にはそのような前提で比較情報が作られているよということに留意しましょう。
エイリム社の状況
続いてブレフロシリーズの開発会社であるエイリムの状況を見てみましょう。
と言っても、エイリムはgumiの100%子会社で上場もしていませんから、ワタシが詳細な決算情報にアクセスすることは出来ません。
ですから、客観的に見える状況やプレスリリースなどから推測してみます。
ブレフロ2アップデート終了から2年半
一番大きなことは、ブレフロ2のアップデート終了から実に2年半もの月日が経過しているということでしょう。主力タイトルがなければ大きな売上は見込めないでしょうし、スクエニから開発受託をしているFFBEの受託収入だけでは会社は回らないのではないかと思います。
なお細かなことですが、FFBE幻影戦争の方はスクエニとgumiの共同開発のようですから、エイリム単体の売上とは関係がないようですね。
って思うじゃないですか!?
直近の決算公告で公表された情報を見てみましょう。
はい、ドーン!(エイジ風に
うん、普通に当期純利益113百万円出てるし、流動比率240%、自己資本比率72%とな。
普通に健全な決算に見えるんですがww
これはひとえに企業努力の賜物ということなのでしょうか。もちろんそんな簡単な一言で片づけられない苦労のもとに今があるのでしょうが、現状見えている財政状態を見る限りは至って健康体のようですね!
前期末決算におけるエイリム株式の減損
となると逆に気になってしまうのが前期末決算における、gumi社がエイリム社株式を減損したというプレスリリースです。
「gumiが連結子会社である㈱エイリムの株式を708百万円減損処理」というものなんですが、そもそもエイリムが発行している株式の払込金額って2億円(資本金と資本準備金それぞれ1億円ずつ)なので、gumiはのれん込みの価格でエイリム株式をもってたワケですよね?
でもエイリムってgumiが組成したファンドの資金で設立した会社じゃなかったっけ?じゃあどのタイミングでのれんが上乗せされてんの??
というちょっと調べれば分かる疑問かもしれませんが、気力・体力ともにおじいちゃんなので、詳しい方いたら教えてください!
まとめると
エイリムは会社としては元気っぽいから、また元気にみんなでブレフロしようぜってことですね(無理矢理
DJT社の状況
さて、最後にブロックチェーン事業での協業先であるdouble jump.tokyo 株式会社です。
DJTとgumiは従前から資本関係があり、協業体制強化についても謳われていますね。
最近ではDJTが複数の上場企業との業務提携をしたり、gumiグループでもブロックチェーン事業に関する新たなファンドを組成したり(プレスリリースはコチラ⇒Link)と、DJTが突き進むブロックチェーン事業を支えるサポーターが増えてきているという印象があります。
このあたりの詳細は、Q1決算説明資料のp5、6のスライドに説明があります。
思えば、ブロックチェーンゲームも最近ではNFTゲームと呼ばれたり、Game-Fiなんていう言葉も出てきたり、play to earn のゲームが盛り上がってみたりと、ワタシがブレヒロを触り始めてほんの1年半程度ですが、目まぐるしく環境が変わっていてニュースを追いかけるだけでもひと苦労です。
そんな荒波をいくDJTですが、本日こんなニュースが飛び込んできました。
取締役及びアドバイザー体制を変更いたしました。
— doublejump.tokyo株式会社 (@doublejumptokyo) 2021年9月13日
取締役については、新たに松谷幸紀氏が取締役に、株式会社gumi代表取締役社長の川本寛之氏が社外取締役に就任いただきました。
その他詳細については当社HP(MEMBER)をご確認ください。https://t.co/31qsIII5TN
そうです、時にはブレヒロプロデューサー、時にはNFTおじさんと姿を変え、ひょっこりディスコードで行われていたオンライン飲み会に顔を出したと思ったらマイクONのまま大いびきをかいて寝る男!(どんな紹介やw)
松谷幸紀氏が取締役に就任しました!
就任おめでとうございます、意気込み十分のようですね!
そしてgumi代表取締役社長の川本氏も社外取締役に就任されています。
おそらくこちらの人事は、gumiの前取締役会長の國光氏が社外取締役として関与されていたことの引継ぎ人事かなと思いますが、引き続きDJTとgumiの協業関係を継続していくことでしょう。
そんなこんなで荒波真っただ中のブロックチェーン、NFTゲーム業界ですが、現状ちょっと海外勢に押され気味な感もあるので、是非日本勢の巻き返しに期待したいところです。
まとめ
いよいよ誰に向けた記事であるのかわからなくなってしまったgumi決算レビューシリーズ第3弾、いかがでしたでしょうか?
いかがもクソもねぇよ!というのが本音だと思いますが、我慢してここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
ブレフロレゾナは9/15からスタート、ブレヒロも海外でジワジワ広がりつつあるのでこれからが正念場です。
ブレフロファンのワタシとしてはどちらも盛り上がってどちらも楽しみたい、ということで最後に唐突なお知らせです。
来たる9/15 22時より、ブレフロRのプレイ配信をやります!
ブレヒロプレイヤーさんにはブレフロ原作の楽しさが、ブレフロプレイヤーの方にはブレヒロの楽しさが、分かるかもしれないし分からないかもしれないw
まったりプレイしつつ、配信をやっていこうかなと思っていますのでお時間のある方は遊びに来てみてください。
(下記リンクが配信予約URLです)
ブレフロR配信開始まであと2日・・
ではでは皆様、良きブレヒロライフを!