ナローボディのハイエースをいろいろ工夫して、家族4人で車中泊やバンライフを楽しんでいます。
今回は、過去に製作した車中泊DIYの中で、結局使わなくなってしまったものと、実用性が高くやって良かったと思えるものをご紹介したいと思います。
車中泊DIYはトライ&エラー
トライ&エラーというか、スクラップ&ビルトといいますか。とにかく車中泊DIYはそうイメージ通りにはいかないものです。はじめからメーカー製のバンコンキャンピングカーを買えばそうではないのかもしれませんが、自分でコツコツと週末を使ってDIYしていくわけですから、苦労と失敗はつきものです。
狭い車内スペースをできるかぎり有効に活用したいと思っても、DIYすることによって逆に空間は少しずつ狭まっていきます。
せっかく良かれと思ってこしらえたDIYも、実際に車中泊で使ってみると思ったより使い勝手が悪かったり、あるいは新しいDIYのせいで、以前にこしらえた別のDIYがしわ寄せを食って全体的に使いづらくなってしまったり・・・。
そうなると、せっかくの苦労もまた一からやり直しになるのです。
DIYすること自体が目的ではなく、DIYはあくまで快適な車中泊空間を手に入れるための手段でなければなりません。家族4人が楽しく快適な車中泊を過ごせることが、すべての報いにつながるのです。
今までに作ってみたものの、使い勝手が悪くて結局使わなくなってしまったDIYの一つに「2段ベッド」があります。
ハイエースの一番後ろに、元々の自作ベッドキットに90度立体交差するように横向きにフレームを組んで、子どもが寝られるベッドをこしらえたのでした。
2段ベッドの考え方自体は決して悪くないと思うんですよ。
ベッドのサイズは約150センチ×54センチ。作製した当時、上の子の身長が110センチほどで、横になると足元にはまだ十分余裕がありました。おそらく、サイズ的には小学校5~6年くらいまでは使用できるんじゃないかと思います。
ベッドは組み立て式にしてあって、各パーツはバラバラに分解できます。
ただ、実際の車中泊では、就寝の時に組み立てたりばらしたりすることは想定しておらず、いったん出発前に2段ベッドを設置したら、車中泊の間はずっと設置したままで過ごします。
そうすると、寝る時以外も常にリビングの後ろ1/3のスペースが2段ベッドで占領されてしまって、車内でご飯を食べる時やリビングでくつろぐ時に、ベッドの存在がとても邪魔になってしまうんですね。翌朝朝ごはんを食べる時も同じくです。
うちは、わりと就寝以外でも車内で過ごす時間が長いので、2段ベッドの圧迫感が次第に窮屈に感じられるようになり、2段ベッドは3~4回使ったあと、やがて使用しなくなりました。
まず車中泊におけるライフスタイルを考えるべき
車中泊DIYはあくまで快適化の手段であって、作ること自体が目的ではありません。車中泊を快適に過ごすためのDIYを考えるには、車内で過ごす自分たちの姿をまず先にしっかりイメージすることが大事だと思います。
そういう意味で2段ベッドは、単に寝泊まりすることだけを考えるなら十分使えるのですが、就寝場所だけでなく食事やくつろぎの場所にもなるリビング兼寝室として考えると、2段ベッドは大きすぎて邪魔になってしまうのです。
それに加えてもう一つのデメリットが、ハイエースの後部に2段ベッドがあると、リアゲートを開けた時の使い勝手がとても悪くなってしまうことでした。
シチュエーションによってはリアゲートを開けてハイエース後部から出入りしたり、リアゲートのひさしの下で食事をしたりするパターンもあり、車の後ろが2段ベッドで分断されてしまうのは、トータル的に考えるとデメリットの方が大きかったのです。
車内スペースの使い方や車内での動線は、それぞれの家族によってスタイルが異なると思います。「車内の食事」「くつろぎの時間」「就寝スペース」のどれを優先に考えるか?あるいはどうやって両立させるか?ということも、車中泊のDIYを考える上で関係してくると思います。
他の方のいろいろな車中泊DIYの記事を読むと、「これいいなあ。うちもやってみたいなあ。」と思うわけですが、それを実際に自分たちの車に取り入れたらどうなるか?というのはまた別の話しで、作る前に出来上がりをイメージするのはなかなか難しいことです。そういう意味で、うちがチャレンジしてきたDIYの失敗や学びをできるだけありのままお伝えすることで、少しでも皆さんのお役に立てればと思います。
おすすめ車中泊DIY事例
さて、こんな風にいろいろ失敗も多い車中泊DIYですが、次は「作ってよかった」と思えるDIYをいくつかご紹介しておこうと思います。中には今の形になるまでに何度かマイナーチェンジして、ようやく使い勝手が落ち着いたものもあります。
そんな風に実際に使ってみながら自分たちの使いやすいように少しずつアレンジしていけば、更に完成度が上がっていくと思います。
1.簡易ギャレー
ギャレーとは本来はキッチンとシンクの組み合わさったものをいうらしいですが、ここでは車内で水が使える「簡易的な水道」という意味でギャレーと呼ばせてもらうことにします。
ギャレーを自作する場合のポイントは、タンクや排水タンクをいかにコンパクトに収めるか?です。床上に出る部分をなるべく減らすという意味では、ベッドキットの床下にタンク類を収納するのがもっとも場所をとりません。そこでうちの場合は、排水タンクと給水タンクの置き方を逆にして、床下に給水タンクを置き、床上にシンクと排水タンクを配置する形にしました。くわしくは過去の記事をご覧ください。初期のギャレーは木で外枠を作っていたのですが、省スペースのため布製のダストボックスを排水タンクの入れ物に使ってみたところ、これがとても使い勝手がよく、それ以降ずっとこの形で使用しています。
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ギャレー設置場所についてはこれまで何度か変更してきました。長らく、後部シート右の後ろ側にギャレーを設置して使っていたのですが、最近になってリアゲートの左隅に置き場所を変え、今はそこが定位置になっています。
リアゲートのこの位置に水場があれば外からもアクセスできます。これくらいのコンパクトさならリアゲートからの出入りにも邪魔になりませんし、給水タンクの出し入れもスムーズにできるので準備と片付け作業も楽です。
2.ベッドキットの多分割化
ベッドキットに関しては、市販のものより絶対に自分でDIYされることをおすすめします。
材料は木を使うのが、いろんな細工がしやすいです。そして、床を何枚かのピースに分割して、部分的に開け閉めできるように工夫する「床の多分割化」が車中泊にはとても便利です。
車中泊を続けていくと、床下へのアクセスの面倒さという問題にやがてたどり着きます。
床下にはかなりの収納量がとれますが、それを取り出すには床を持ち上げるか、リアゲート側から荷物を引っ張り出す必要があり、これがなかなか面倒なのです。
そこで、キッチンの床下収納みたいなイメージで、部分的にベッドキットの床が持ち上がるようにしてやることで、床下の荷物に容易にアクセスできるようになりますし、状況によっては床を跳ね上げて自転車やタイヤなどを積むこともできます。
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3.エンジンルームカバー
ハイエースのシートの後ろ、つまり後席シートの目の前にあるエンジンの出っ張りの部分を木の板を使ってカバーを作るというDIYです。
うちがこれをやった理由は見た目の問題よりも、エンジンの熱対策と収納スペース、それとカバーの天板を小さなテーブル代わりに使おうと思ったからです。
天板は2×4材2枚約18センチの幅で作りました。この天板がちょっとしたテーブル代わりになり、また蓋を開けると小さな収納があり、これが何気に後席周りの収納スペースとして便利なんです。
真夏の車中泊ではエンジンの余熱はどうしようもなく暑いのですが、このカバーは内側に断熱材を仕込んであるので、エンジンの熱をある程度防いでくれます。
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エンジンカバーを設置する場合の注意としては、後席シートを前にたたんだときカバーに当たってシートが多少斜めになってしまうことです。うちはシートを前にたたむ使い方はほとんどしないのですが、もしDIYされる時はその点だけ注意が必要です。
あと、このエンジンカバーは車検の時は外す必要はないのですが、エンジンオイルのフィルター交換をする場合だけは、あらかじめ外しておかないといけません。オイルフィルターの交換は後席側のエンジンフードからアクセスするため、カバーがついたままだとフィルターが交換できないんですね。
4.ステップ収納
こちらのステップ収納も「作って良かった~」と思えるDIYの一つです。皆さんにもぜひおすすめします。
サイドステップの後ろ半分というのはほとんど使わないデッドスペースなので、ここに収納があると、車からさっと取り出したいものなどを入れておくことができて便利です。
収納ボックスの天板が床とツライチになるので、床スペースがドアぎりぎりまで広がるのもメリットの一つです。
フタの上に買い物したレジ袋や荷物を置いておけるのも助かります。
5.壁面のサイディング
次は後部リビングのサイディングです。
リビングの壁面を木の板でサイディングすることによって、見た目のデザイン性だけでなく収納や断熱などさまざまなメリットがあります。
単に板を張るだけでなく、車のボディ(ガラス面)との奥行きを活かして収納スペースを作ることで、リビングで使うさまざまな生活小物をここに収納しておくことができます。
空間をなるべく確保するという目的でいえば、ハイエースの荷室にはリアヒーターの出っ張りがあるので、このリアヒーターの出っ張りの幅に合わせるように収納をデザインするのがポイントです。そうすることで全体的にスッキリ収まると思います。
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また、リビングに木の壁があると自由にビスが使えるのでいろいろ重宝します。フックを使って小物やリュックなどを吊り下げたり、壁に鏡をつけたり、またギャレーの水道の蛇口が壁から出てくるようにすることも可能です。うちは後付けで16型の液晶テレビを壁面にアームで取付しました。
バンの内装DIYでよく見られるように、リビングの左右とも壁面から天井まで全てを木の板で覆うことも可能なのですが、そのためには板を張るためのベース(柱)をボディに取り付けなくてはならず、壁面が内側に出っ張る分、全体的に室内空間が狭くなってしまいます。
全面板張りは確かにおしゃれですが、内装のデザインにそこまで凝らなくても、片側の壁面だけでも木のサイディングにすることで車内の雰囲気は大きく変わりますから、何も全面板張りにする必要はないと思います。
※壁面収納については、今まで何度か模様替えしてきました。
自分たちの使い勝手に合わせて自由にアレンジしたり作り直せるのも、DIYの良いところです。
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6.ソーラーパネルの設置
車中泊DIYにおける電気関係については皆さんもいろいろと悩まれている部分ではないかと思います。サブバッテリーシステムがいいのか?ポータブル電源がいいのか?ソーラーパネル設置は難しいのか?
ソーラーパネルの設置は案ずるより生むが易し。絶対にやった方がいいDIYだと私は思います。サブバッテリーでもポータブル電源でも、いずれにせよ充電手段としてソーラーパネルは避けて通れないDIYです。AC電源からの充電だけに頼ろうとすると、自宅を出た後どこかで必ず電力不足が生じ、RVパークなどに宿泊せざるをえなくなると思います。持続的な運用には、やはりソーラー充電があった方が絶対にいいのです。
「車の屋根にソーラーパネルを付ける」というと、なんだかものすごく勇気がいることのような感じがするかもしれませんが、ソーラーパネルの取り付けは素人の私でも無理なくできましたから決して難しいDIYではないと思います。価格的にも、車の屋根にソーラーパネルを1〜2枚乗せるだけなら大したことはないです。パネル1枚1万円ちょいくらいでしょうか。接続ケーブルを合わせても100Wパネル2枚で3万円くらいです。
天気さえ良ければ、毎日勝手に電気を生み出してくれるソーラーパネルは、車中泊旅には本当に心強い相棒になってくれます。
ポータブル電源の給電のためにお金を払ってRVパークに停泊することを思えば、その何回分かでソーラーパネルが買えてしまいます。
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今回は、車中泊のDIYについて実用性の高いものをご紹介してきました。なるべく自分の手で、自分たちが過ごす車中泊を快適にするためのDIY。これからも、また新たな快適化のアイデアがあればどんどんチャレンジして皆さんにもご紹介していきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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