人類を救う 100万人の法華経入門 『妙法蓮華経信解品第四』について 6 | 中杉弘の人間の探求

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944 ※瓔珞(ようらく)があると仏壇を美しく荘厳することができます。瓔珞とは、装飾のことです。

 

人類を救う 100万人の法華経入門 『妙法蓮華経信解品第四』について 6

 

 「世尊、爾の時に窮子(ぐうじ)、傭賃展転(ゆうにんてんでん)して、父の舎(いえ)に遇い到(いた)りぬ。」
 世尊、その時に窮子、雇われて賃金をもらい、展転して、父のお城にやってきたのです。これは、「長者窮子の譬え(ちょうじゃぐうじのたとえ)」と言います。

法華経には、七つの譬え話があります。『妙法蓮華経譬喩品第三』で子供達がもらったものは、大白牛車(だいびゃくごしゃ)です。これが、「三車火宅の譬え」です。

「長者窮子の譬え(ちょうじゃぐうじのたとえ)」とは、ある長者の子供が家出をして乞食になってしまったのです。王様は年を取ってしまい、「私はもうじき死ぬのだから、子供を見つけてくれ」と言って、使者を出したのです。すると、乞食になった子供がいたのです。「あれだ!」と使者が見つけてきたのですが、子供は身も心も乞食になってしまっていたのです。

迎えに行ったりすると、「俺を捕まえて殺すつもりだ」と思って逃げてしまうのです。だから、上手く家来を使って、王様に子供を会わせたのです。「貴方は王様の子供ですよ」などと言っても「俺を捕まえて殺すつもりだな」と思っているのです。家来は、「面白い仕事がありますから、来ませんか?」と誘ったのです。

乞食になった子供にお城の仕事を少しずつやらせていったのです。乞食なのですから、体を洗い、作業服を着せて、掃除から教えていったのです。そのうち、仕事を覚えて、お金を貯めることができるようになって、少しは財産ができるようになったのです。

その段階になって、「実は、貴方はこのお城の王様の息子なのですよ」と言われたのです。息子は、ビックリしたのです。その息子は王様に会って、財産を引き継ぐことができるようになったのです。これが「長者窮子の譬え(ちょうじゃぐうじのたとえ)」です。
 「門の側に住立して、遥かに其の父を見れば、師子の(ゆか)に踞(こ)して、宝几足(ほうきあし)を承(う)け、」
 門のそばに立っているその父を見れば、地面より一段高い師子の座に座り、几足(ほうきあし)の机に向かい、
 「諸の婆羅門、刹利(せつり)、居士、皆恭敬し圍繞(いにょう)せり。」
 諸々のバラモン、刹利(王侯貴族)、居士(在家の男子の修行者)、皆恭敬し、王様はそれらに囲まれていたのです。王様は、家来が何百人もいるのです。その座に座り王様は仰がれているのです。それを見て子供はビックリしてしまうのです。「私のお父さんはすごいな。こんなに偉いのか」とビックリ仰天したのです。
 「真珠の瓔珞(ようらく)、価直(あたい)千万なるを以って其の身を荘厳(しょうごん)し、吏民(りみん)、僮僕(どうぼく)手に白払(びゃくほつ)を執(と)って左右に侍立(じりゅう)せり。」
 真珠の瓔珞、価値は千万を超える品々をもって、それが身を飾り、役人と人民、子供の召使が手に白払という法具をとって、左右に立っていたのです。
 「覆(おお)うに宝帳を以ってし、諸の華旛(けばん)を垂れ、香水を地に灑(そそ)ぎ、衆(もろもろ)の名華(みょうげ)を散じ、宝物を羅列して、出内取与(すいぬいしゅよ)す。」
 宝石の幕を覆いかくして、諸々の幢幡(どうばん)を垂れて、香水を地にそそぎ、諸々の名華を散じて、宝物を羅列して、出したり、取り与えたりしたのです。
 「是の如き等の種々の厳飾(ごんじき)有って威徳特尊(いとくどくそん)なり。」
 かくのごとき等の種々の立派な飾りがあって、おかしがたい威と、人に尊敬される徳があり。
 「窮子、父の大力勢(だいりきせい)有るを見て、即ち恐怖(くふ)を懐いて、此に来至(らいし)せることを悔(く)ゆ。」
 窮子は、父の大勢力があるのを見て、すなわち恐怖を抱いて、ここに来たことを悔いたのです。「僕は殺されてしまうな」と思ったのです。
 「窃(ひそ)かに是の念を作さく、」
 ひそかにこの念をなしたのです。
 「此れ或は是れ王か、或は是れ王と等しきか、」
 これ或は、これが王様か、或はこれが王と等しいお方か、
 「我が傭力(ゆうりき)して物を得べき処に非ず。」
 わたしが働いて、この王様に仕えることはできない。何故ならば、私は乞食になっているからです。
 「如(し)かじ、貧里(びんり)に往至(おうし)して、肆力地(しりきところ)有って衣食(えじき)得(え)易(やす)からんには。」
 大王は怖いけれども、この家に住んでいれば、ご飯が食べられて、衣服が与えられるでしょう。それをあてにして、「ちょっと住んでみようかな」とすけべ心が出てきたのです。(7に続く)

 

 

『妙法蓮華経信解品第四』

世尊、爾の時に窮子(ぐうじ)、傭賃展転(ゆうにんてんでん)して、父の舎(いえ)に遇い到(いた)りぬ。
門の側に住立して、遥かに其の父を見れば、師子の牀(ゆか)に踞(こ)して、宝几足(ほうきあし)を承(う)け、

諸の婆羅門、刹利(せつり)、居士、皆恭敬し圍繞(いにょう)せり。

真珠の瓔珞、価直(あたい)千万なるを以って其の身を荘厳(しょうごん)し、吏民(りみん)、僮僕(どうぼく)手に白払(びゃくほつ)を執(と)って左右に侍立(じりゅう)せり。

覆(おお)うに宝帳を以ってし、諸の華旛(けばん)を垂れ、香水を地に灑(そそ)ぎ、衆(もろもろ)の名華(みょうげ)を散じ、宝物を羅列して、出内取与(すいぬいしゅよ)す。
是の如き等の種々の厳飾(ごんじき)有って威徳特尊(いとくどくそん)なり。」

窮子、父の大力勢(だいりきせい)有るを見て、即ち恐怖(くふ)を懐いて、此に来至(らいし)せることを悔(く)ゆ。

窃(ひそ)かに是の念を作さく、

此れ或は是れ王か、或は是れ王と等しきか、

我が傭力(ゆうりき)して物を得べき処に非ず。

如(し)かじ、貧里(びんり)に往至(おうし)して、肆力地(しりきところ)有って衣食(えじき)得(え)易(やす)からんには。

 

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