その切株は、中途半端な高さで残されている。
その近くで庭の掃除をする女性がいた。
もしかすると、この木が伐られた理由を知っているかも知れないと思い、
「これは、なんで伐られちゃったんですかねえ」
と聞くと、
「ああ、それは私が伐ったのよ」
と思いがけない答が帰ってきた。
「この木を元々植えた人がいて、半分くらいに伐れば、来年はもっと良く咲くと言われたのよ」
その人には、何度も確認して、半分に切った結果こうなったのだと言う。
これを植えたという人は、枝を伐るように言ったようだが、幹のことと勘違いしたようだ。
「枝を伐れば良かったのよね、ごめんなさいとは言ったんだけどね」
その人に言ったのか、この木に言ったのか分らないが、この切株に言ったように感じた。
切株を見ると、左の方に薄い緑の葉がある。
小さな枝が1本出て、上に向って伸びている。
来年は無理かも知れないが、何年か先には、またあの花が見られるかも知れない。
団地の中の道を抜けた反対側の、陽当りの良い庭には小さな木が点在している。
何年か前、ここにあった木のひこばえである。
切株が見えないほどひこばえが生えている木もある。
ひこばえが小さいのは、大きくなると伐られてしまうからである。
どんな木が生えていたか思いだせないが、この木が成長することはなさそうだ。
酔芙蓉のひこばえはまだ小さく、それも1本だけだが、無事に育って欲しいと思っている。
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