季節は春、新年度を迎えるこの時期、とりわけ受験競争を経て新大学生となる学生さんにとっては感慨深いものがあるでしょう。志望通りの大学に進学出来た者、志望した大学が叶わず、他大学や他の選択をされた者と受験を巡り残酷に明暗分かれることになります。

 

 

子供に受験戦争をさせたくないとストレートに大学に進学できる大学附属の中高校、あるいは小学校から通わせたいと望む親御さんが多いそうです。有名私大の附属学校は数多くあれど、その中で最も人気が高いのが慶應義塾大学付属校です。私大最難関校であり、全国に知れ渡る慶應義塾ならば鼻高々です。

 

子役タレントから人気女優にステップしてテレビで活躍中の芦田愛菜ちゃんは慶應義塾女子高校から今年4月に内部進学で慶應大法学部に進学します。彼女の出身高校である慶應女子高は慶應大進学率100%、つまり慶應女子の生徒全員が慶應大に進学できるという訳です。大学受験を経ずに一流大学に進学できるなんて羨ましいですが、慶應の附属学校は総じて超難関で入学するのも大変です。

 

 

ところで、慶應義塾は小学校の附属学校があります。明治7年創立の150年の伝統校「慶應幼稚舎」と最近新設された「横浜初等部」がそれにあたるのですが、中・高は受験が大変だけど小学校なら間違って合格できるかも?そう考えて受験させる保護者さんもいらっしゃるのではないでしょうか。今回はこの慶應幼稚舎の話を中心に慶應義塾の附属校システムについて解説していきたいと思います。

 

慶應義塾の附属学校

 

 

ここで、慶應大学の附属学校を紹介していきます。

 

慶應義塾大学 附属学校系列

 

慶應大学の附属学校は国内はいずれも関東圏内で、アメリカ・ニューヨークにも系列校があります。小学校が2校、中学校が3校、高校が5校ありますが。内部進学率は95%以上、中には東京大学や京都大学といった国公立最難関大や海外の大学に進学される生徒もおり、それを差し引くとほぼ全員が慶應義塾大へ進めることになります。

 

 

慶應義塾大学は学部によって難易度が変わります。全部で10種類の学部があります。文学部・経済学部・法学部・商学部・医学部・理工学部・総合政策学部・環境情報学部・看護医療学部・薬学部の10学部で最難関は理系だと医学部、文系だと法学部です。

 

 

慶應と並ぶ私学の雄、早稲田大学の最難関学部の政治経済学部や法学部ですら慶應の最難関学部には及ばず、医学部に関しては異次元レベルです。

 

 

進学できる学部は、高校時代の成績順などで決まるのですが、最大規模の生徒数を誇る慶應義塾高校の場合、卒業生706人中(21年度)、進学者の多い学部の順に法224人、経済211人、理工102人、商93人、医22人、環境情報21人、文12人などとなっています。最難関学部である医学部には各高校に定員の約3%が割り振られており、成績トップの生徒が進学することになります。

 

 

いずれの学部も偏差値は非常に高く、受験校としては国内超難関私大と位置付けられているだけあります。そんな慶應義塾大学に入りたいけど受験が大変そう、そこで附属の小学校受験です。

 

 

ペーパー試験や面接がない慶應幼稚舎

 

 

 

先述したように慶應義塾の付属小学校は2校あり、東京・渋谷区恵比寿にある慶應幼稚舎と横浜・青葉区あざみ野にある横浜初等部です。幼稚舎は1874(明治7)年と150年の歴史ある伝統校で、幼い塾生の教育をめざし和田義郎が設けた「和田塾」に端を発し、1898(明治31)年より小学校と位置づけられました。6年間担任が代わらないなかで教科別専科制を実施し、一人ひとりの個性と可能性を認め合い、高め合う過程を通じて、成長を見守っていきます。横浜初等部は2013(平成25)年創立とまだ新しい学校です。

 

 

この2校の小学校の中で今回は慶應幼稚舎について解説していきます。一学年の定員は144名(男子・96名 女子・48名)と男女2・1の割合となっています。学区はないので、全国どこからでも願書を提出することができます。幼稚舎受験の競争倍率はここ3年平均だと11倍超と当然ながらなかなかの人気です。

 

 

幼稚舎を受験するには入学前年の10月上旬に願書を提出して、11月中に入学受験を行います。テストは「運動試験・行動観察・絵画制作試験」とペーパー試験や面接はありません。私大最難関付属校にしては意外ですが、幼稚舎が求めているのは学力ではなく、あらゆる分野で活躍できるための創作力創造力が備わっているかを審査することになります。入学後のことを考えれば学力を考査するペーパー試験が必要だと思われるかも知れませんが、他の小学受験にはない独創的な受験システムと言えます。

 

 

高い倍率の受験競争を勝ち抜き合格となり、晴れて幼稚舎入学となれば将来の慶應大生は約束されたようなものです。これからは受験を気にせず慶應義塾大学入学は約束されたようなものなので、親御さんとしては歓喜でしょう。しかし現実問題として入学金や授業料にかかる「お金」が一般の小学校と比べて驚くほど高くなります。

 

慶應幼稚舎一年生の入学に必要な学費

 

公立小学校に通う小学生1人あたりにかかる教育費は、年間で約35万円(月額換算約2.9万円)。私立小学校の平均学費(年額)は約160万円ですので、私学平均とほぼ同額となります。一般的な家庭だとかなりの学費になりますから幼稚舎に入れる資質があってもお金の問題が立ちはだかることになります。小学校から大学までオール私立だと学費総額は2,300万円以上、オール私立となれば経済的に余裕のある家庭でなければ厳しいのが実情です。

 

 

幼稚舎の教育方針は「勉強は家庭の責任」を掲げており、自主性を重んじており、クラスにもよりますが、まったく宿題を出さないクラスもあるそうです。授業は小学校から英語授業があり、絵画、造形、習字、情報(パソコン・タブレット操作)と他では学べない科目があります。

 

幼稚舎卒と大学受験組とでは仲が悪い!?

 

 

幼稚舎では1年生と2年生は試験も行いますが、実施している学習内容が簡単で差が出にくいため、通知表の成績は付けません。テスト成績よりも授業内の発言などの意欲やコミュニケーション能力などを重視されます。3年生に上がると成績を付けられるようになり、授業内容も次第に難度が上がっていきます。

 

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中学は内部進学で先に挙げた系列中学に進学することになりますが、ここからは留年も珍しくなくなります。2年連続留年すると退学処分となります。エスカレーターで慶應大に行けると安心して勉学を疎かにするとせっかくのルートを失うことになります。また中学、高校で厳しい受験競争を勝ち抜いた外部生と幼稚舎卒業者との間では、歴然とした学力差が存在するのも事実、志望する大学学部に入るために、学校の授業以外に塾や家庭教師をつけて勉強する学生も珍しくありません。

 

 

そしてようやく慶應大生となる訳ですが、進級・進学も普通の学校と比べて難易度が高いので、中高の受験を経なくても学力はしっかり身に着きます。しかし外部生と幼稚舎出身とでは決定的な違いがあります。ずばり向上心です。

 

柳沢きみお作・青き炎

 

慶應に限らず小中高大一貫校で育つと、社会に出てから影響してくると言われています。そこそこ良い就職先に入れても、温室育ちだと現状に甘えてしまい、出世欲もそれほど強くはない傾向にあるようです。元々がお坊ちゃんお嬢ちゃんとして大事に育てられてきた人が多いから仕方ないかも知れませんね。だから上の漫画にあるように外部生からは温室育ちと陰口を叩かれることも。でも温室でも腑抜けでも腰抜けでも慶應ブランドがあれば社会で困ることもないし正直羨ましいですけどね。

 

 

実際、幼稚舎からの内部生は、大学受験で入学した外部生に対して敵対心とまではいかないですが、あまり馴染まない風潮があるようです。小学校はすべて同じクラスメイトなので仲間意識が強く、固まる傾向にあるので、外部生とは馴染みにくいのかも知れません。それに外部生を格下扱いのように見る傾向があるようです。

 

 

ということで、今回は慶應幼稚舎についての記事でした。一般人からすれば難易度が高い学校ですが、さすが私大最難関校だけあります。幼稚舎に入ることで慶應大生の道は約束されますが、途中で挫折する人が出てくることも事実です。エスカレーター校とは言え、苦労もそれなりにあるということなのです。

 

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投稿者

yuuponshow

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