緊急事態宣言解除

　禍去って禍また至る。そんな10月もようやく秋らしさを感じ、不快な気候から逃れられるとなると私は爽快で、ひどく晴ればれとしていた気分になる。
　透明な、自分自身がからっぽになったような澄んだ解放されたような気分がここにはあり、「GoTo　一人旅」をしたいと思い焦がれる心境は「不自由なコロナ渦」から解放される安堵感とこれから迎える「晩秋」の孤独感のすべての秋を私一人だけの空間として、独り占めにしたいとする欲望があるからではないか。

　明日はどんなことがあるのだろうと期待する私たちは皆「偶然の旅人」なのかもしれない。
「偶然の旅人」のページを開くと、いつしか木々で覆われ、ひんやりとした静かな時間の中で忘れられた様にひっそりと佇むベンチに落ち着く。そんなロマンチックな気分にさせてくれる村上春樹。春樹は苦手だが、好きな作品もある。

　そして、聴きたいと思っていた昔の懐かしい流行歌のしらべが不意に耳に流れ込んでくる、なんていう偶然は、生きていてよかったと感じる至福「錦上花を添える」そのものではないだろうか。

　ことしの「紅白」に五木ひろしさんは出ないそうだ。演歌好きの私にはとても残念である。