オメガ3が豊富な油 5選 + α! ~アレルギーに効く~
オメガ3脂肪酸(n-3系)であるα-リノレン酸をたくさん含み、がん、心筋梗塞、脳卒中などの生活習慣病やアレルギーを予防してくれる油があります。
※アレルギーと油については以前にも取り上げています。
エゴマ油、亜麻仁油等がオメガ3で有名なオイルですが、いかんせんオメガ3であるα-リノレン酸そのものがとても酸化しやすく、熱に弱いという弱点があります。
オメガ3(α-リノレン酸)が豊富な油の中でも比較的酸化しにくく、短時間なら加熱できる油もいくつかあります。
(油の中に抗酸化物質であるビタミンEなどをたくさん含むことなどによりそれを可能にしています)
今回はアレルギー体質の人におすすめな油5選をそれぞれの特徴とともに紹介します。
低温なら加熱できるオメガ3脂肪酸が多い油
■ カメリナオイル トータルバランスよし いちおし
以前の記事 → 究極の身体にいい油発見しました!
特徴
豊富なレシチンが脂質の代謝を良くし、肝機能を高め、動脈硬化や認知症を防ぐ。
美肌効果もあり。
レシチンには乳化剤の作用があるのでビネガーと卵で無添加のマヨネーズができる。
「植物の魚油」と言われている。
ちなみにα-リノレン酸が人間の体内でDHAやEPAに変わります。
魚にDHAが多いのは魚のエサとなる植物プランクトンにα-リノレン酸がたくさん含まれているからです。
原料 アマナズナの種子
主な産地 カナダ、アメリカなど
臨界温度 150℃ コールドプレスなら190~240℃が可能
加熱 短時間なら可能(ビタミンEのトコフェロールとβ-カロチンが豊富で抗酸化力が強いため)
保存方法 冷暗所保存
脂肪酸の組成
α-リノレン酸 38%
オレイン酸 20%
イコセン酸 20%
リノール酸 16%
その他 6%
栄養素
脂溶性ビタミン : ビタミンE
ファイトケミカル : β-カロチン
■ サチャインチオイル(グリーンナッツオイル、インカインチオイル)
特徴
ビタミンEである γ-トコフェノールに利尿効果があり、むくみ予防に効果大。
ファイトケミカルのケルセチンがアレルギーを抑制。
原料 サチャインチという 蔓(つる)性植物の種子
主な産地 ペルー
臨界温度 130℃
加熱 短時間なら可能
保存方法 冷暗所保存
脂肪酸の組成
α-リノレン酸 50%
リノール酸 30%
オレイン酸 8%
その他 12%
栄養素
脂溶性ビタミン : ビタミンE ( γ -トコフェノール(豊富)、トコトリエノール)
ファイトケミカル : ケルセチン、β-カロチン
■ チアシードオイル
特徴
食品中トップクラスのミネラルを含むスーパーフード、チアシードのオイル
ファイトケミカルのケルセチン、ミリセチン、ロズマリン酸がアレルギーを抑制。
原料 チアシード
主な産地 メキシコなど
臨界温度 ?
加熱 短時間なら可能
保存方法 冷蔵
脂肪酸の組成
α-リノレン酸 62.9%
リノール酸 18.8%
オレイン酸 7.2%
その他 11.1%
栄養素
脂溶性ビタミン : ビタミンE
ファイトケミカル : ケルセチン、ミリセチン、ロズマリン酸、カフェイン酸、没食子
加熱できないオメガ3オイル
■ エゴマオイル
特徴
ファイトケミカルのロズマリン酸、ルテオリンがアレルギーを抑制。
α-リノレン酸含有量はとても多いが最も酸化しやすく使用には注意が必要。
常温で空気にさらしただけでどんどん酸化する。
サラダ等に使うとしても食べる直前の使用が理想的。
原料 荏胡麻の種子
主な産地 日本、中国、韓国
臨界温度(酸化がはじまる温度) 70℃
加熱 できない
保存方法 冷蔵
脂肪酸の組成
α-リノレン酸 60%
その他 40%
栄養素
脂溶性ビタミン : ビタミンE
ファイトケミカル : ロズマリン酸、ルテオリン
■ 亜麻仁オイル(フラックスシードオイル)
特徴
ファイトケミカルである ピノレシノール、ラリシレシノール、セコイソラシレシノールが女性ホルモンに似た働きがあり更年期症状、PMSの予防効果がある。
原料 フラックスシードオイル
主な産地 カナダ、ロシア、ニュージーランド等
臨界温度 108℃
加熱 できない
保存方法 冷蔵
脂肪酸の組成
α-リノレン酸 50%
オレイン酸 14%
リノール酸 15%
その他 21%
栄養素
脂溶性ビタミン : ビタミンA、,E
ファイトケミカル : ピノレシノール、ラリシレシノール、セコラシレシノール、β-カロチン
高温でも加熱できるオメガ3オイル
■ PROBODY 亜麻仁油
特徴
250℃まで加熱できる亜麻仁油
普通は熱に弱い亜麻仁油だが精製することによって
250度まで加熱可能にしたもの。
不純物や加熱で有害化する成分を取り除くことでそれを実現している。
これなら揚げ物だってできちゃいますね。
ファイトケミカル の効果について
植物に含まれる生理活性成分
ケルセチン : 抗がん、高血圧抑制、脂肪吸収抑制、抗アレルギー、毛細血管保護、動脈硬化予防、骨粗鬆症予防
ミリセチン : 抗がん、糖尿病予防、抗アレルギー
ルテオリン : 抗がん、抗アレルギー、抗炎症、高血圧抑制、肝臓の解毒作用、糖尿病予防
ピノレシノール ラリシレシノール セコイソラシレシノール : 抗がん、女性ホルモン様作用、動脈硬化抑制、骨粗鬆症予防
ロズマリン酸 : 抗アレルギー、高血圧抑制
カフェイン酸 : 抗がん、糖尿病予防、脂肪燃焼作用、抗菌、抗HIV、疲労回復
β-カロチン : 抗がん、夜盲症予防、黄斑変性予防
没食子酸 : 脂肪吸収抑制
酸化防止剤となるビタミンEについて
天然のビタミンEはトコフェロールとトコトリエノールの2つがあります。
どちらもα、β、γ、δの4種があり、それぞれ特徴があります。
特にトコフェロールは抗酸化作用がとても強く、酸化しやすいオイルの加熱を可能にします。
サチャインチオイルに多く含まれる γ -トコフェノールには利尿効果があります。
臨界温度について
油を加熱した時に有毒な物質が発生し始める温度を臨界温度といいオメガ3オイルが豊富な油はこれが低くなっています。
ちなみに加熱に強いと言われているオリーブオイルの臨界温度は210℃です。(エクストラバージンオリーブオイルは160℃)
オリーブオイルに限らず精製されていない油は臨界温度が低くなっています。
先ほど紹介したPROBODY亜麻仁油のように精製されることによって油の臨界温度は高くなります。
とはいえPROBODY亜麻仁油のような油はとても高価なので
しっかり加熱したいときは手軽に手に入るオリーブオイルもおすすめです。
腸内環境を整える~理想的な腸内フローラをつくる~
腸内フローラって
腸内には1000種類以上、100兆個以上の腸内細菌がいます。
そのうちの善玉菌は、生まれたての赤ちゃんで90%、3才で70%、大人になると20%にまで減ってしまいます。
減りに減って20%のイメージですが大人はこの20%をキープするのが理想的な状態となっています。
腸内細菌は種類ごとに集団になって住み着いていてこの様がお花畑のようであることから腸内フローラと呼ばれています。
有用である善玉菌と有害である悪玉菌とどちらでもない日和見菌がいて
それらが2:1:7のバランスであることと、
菌の種類が多いということが理想とされています。
腸内フローラのバランスを整えるもの
- バランスのよい食事
- 食物繊維
- 適度な運動
- 十分な睡眠
腸内フローラを乱すもの
- 肉中心の偏った食事
- 食物繊維の不足
- 運動不足
- 睡眠不足
- お酒の飲みすぎ
- 加齢
- ストレス
腸内フローラうんぬんにかかわらずの内容ですね…。
プロバイオティクスとプレバイオティクス
「プロバイオティクス」や「プレバイオティクス」ってよく聞きますよね。
一文字ちがいで混同しがちなこの二つ…
腸にいいことな感じは分かるけどいったいなんなのか、この二つは何が違うのかについてです。
プロバイオティクス
プロバイオティクスとはいわゆる善玉菌そのもののことです。
乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌等 のこと。
プレバイオティクス
プレバイオティクスとは腸内にいる善玉菌(プロバイオティクス)のエサになって増やしてくれる食品成分のことです。(具体的にはあとで記載します)
この2つを両方とることを「シンバイオティクス」といいます。
乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌のちがい
プロバイオティクスの代表である乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌…これまた腸にいいのはわかるけどそれぞれいったい何が違うの??っていう方は多いのではないでしょうか。
それぞれどんな特徴、役割があるのかについて解説します。
共通点としては
作り出す酸で悪玉菌が増えるのを抑えたり、腸のぜん動運動を助けて便秘を改善する効果があります。
■ 乳酸菌
作り出す酸の種類:乳酸
生息部位:小腸の下部~大腸
発酵によって糖から乳酸をつくる微生物の総称。
乳酸菌の種類は多種多様です。
広い意味ではビフィズス菌、酪酸菌もこれに含まれます。
そのほかにも、中性脂肪やコレステロールの低下、免疫機能を高めがんや感染症を予防、アレルギーの抑制など、さまざまな働きがあると言われています。
■ ビフィズス菌
作り出す酸の種類:乳酸+酢酸
生息部位:大腸
乳酸菌の一種で、代表的な善玉菌。
大腸にいる善玉菌のうち、約99.9%がビフィズス菌で、乳酸菌は約0.1%です。
大腸の調子を整えるために、ビフィズス菌はなくてはならないものです。
ビフィズス菌は酸に弱く、経口摂取によって生きたまま腸まで届けることが難しいため、さまざまな研究がなされています。
食品で摂るというよりは腸内に元々存在しているビフィズス菌を増やすことが大切です。
その材料となるオリゴ糖などを摂ることが有効とされています。
■ 酪酸菌
作り出す酸の種類:酪酸+酢酸
生息部位:大腸
アレルギーに対する効果は前回とりあげました
→制御性T細胞:Tレグ(T-reg)がアレルギーをおさえる
酪酸菌が作り出す酪酸は大腸の主要なエネルギー源です。
大腸の水分・ミネラルの吸収や、粘液の分泌によるバリア機能などが正常にはたらくために大切なものとなっています。
また酪酸が大腸の粘膜上皮細胞の代謝を促して酸素を消費させることで、酸素を必要とせずに育つビフィズス菌や他の有用菌(善玉菌)が棲みやすい環境になります。
乳酸菌は生きて腸に届くことが重要視されていますが、途中で死んでしまった菌にも大切な役割があります。
死んでしまった菌は、善玉菌が退治した悪玉菌を吸着し外へだしてくれます。
また、生きている善玉菌のえさとなり、よりよい腸内環境へと導きます。
どうせ死んじゃうから乳酸菌なんてとらなくていいやっていうわけではないのです。
腸活メシ
腸内環境を整える食事、腸活メシとして
プロバイオティクスとプレバイオティクスを意識したものを取り入れましょう。
菌そのものを含むプロバイオティクス食品
菌を育てるプレバイオティクス食品
・野菜 (モロヘイヤ、ゴボウ、かぼちゃ、にんじん、ほうれん草、大根、キャベツ等)
・いも類、こんにゃく
・きのこ類 (なめこ、しめじ、えのき、しいたけ、まいたけ等)
・くだもの (プルーン、キウイ、桃、いちご、柿、リンゴ等)
・豆類 (納豆、大豆、小豆、いんげん豆、えんどう豆等)
( )内は多い順
・野菜 (れんこん、ゴボウ、切り干し大根、モロヘイヤ、かぼちゃ、ほうれん草等)
・いも類、こんにゃく
・きのこ類 (きくらげ、エリンギ、しいたけ、えのき、まいたけ、しめじ等)
・くだもの (キウイ、柿、梨、リンゴ、バナナ、いちご等)
・豆類 (いんげん豆、大豆、小豆、えんどう豆、納豆等)
( )内は多い順
水溶性食物繊維+不溶性食物線維
・海そう類 (のり、昆布、ひじき、わかめ、もずく等)
海そう類は食物繊維をとても多く含みますが粘質多糖類が多く、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の区別しての分析が困難となっています。
( )内は総量のみでの多い順
ちなみに水溶性食物繊維を摂りすぎるとお腹がゆるくなったり
不溶性食物繊維を摂りすぎると便秘が悪化したりしてしまいます。
お腹の調子をみながら適量をとるようにしましょう。
制御性T細胞:Tレグ(T-reg)がアレルギーをおさえる
免疫のブレーキ役、制御性T細胞:Tレグ(T-regulatory cells)
免疫システムを担う免疫細胞にはいろいろな種類がありますが、唯一、免疫反応を抑制する細胞が
制御性T細胞:Tレグです。
これはアレルギーなどのいきすぎた免疫反応をおさえてくれるはたらきをもっています。
すなわち単純にTレグが増えればアレルギーがおさえられるのです。
続きを読むアレルギー改善のために重要な栄養素 後編(ビタミンC、たんぱく質、亜鉛、銅、鉄)
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ビタミンC
副腎皮質ホルモン(コルチゾール:抗アレルギー作用)を作るときに、補酵素としてはたらきます。
いわずと知れた抗酸化作用はアレルギーをはじめ万病の予防となります。
一度に大量にとると、吸収率は70%で余った分は排泄されて意味がないというのが通説ですが、のこりの30%は大腸で腸内細菌などに作用したり、腸粘膜改善作用があり、毒素の排泄もしてくれてむだにはなっていません。
すべての肉体的、精神的ストレスや睡眠不足で消費されます。