「グローバルニッチトップ100選」上場企業の株価指標の現在値

「グローバルニッチトップ100選」に選ばれた上場企業について、2022年10月14日現在の株価、時価総額、PER、PBR、配当利回り、信用倍率を表にまとめました。

大きな機械の中の小さな部品ひとつであっても、この部品がないと機械が動かない。そんな部品を独占的に作っている「ニッチ企業」が日本にはたくさんあります。
国際競争力のあるニッチ企業を日本政府が選定したのが、「グローバルニッチトップ100選」です。

こうした企業のデータを調べ、現在の株価指標の一覧表が見たいと思い、企業データの表を作成しました。私自身がこのようなデータをネット上で探し、なかなか見つからなかったために作成した表ですが、読者のみなさまの参考になれば幸いです。

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「グローバルニッチトップ企業100選」とは

「ニッチ」というのは、日本語でいえば「すきま産業」という意味です。
「グローバル」は「地球規模」の意味ですから、「グローバルニッチトップ企業100選」は、その分野で世界トップレベルに昇りつめて活躍する日本のすきま産業企業100社を、日本政府が選定し認定したということです。

はじめに、「グローバルニッチトップ企業100選」の歴史と、どういう基準で選ばれているのかを、簡単にまとめます。

2020年度の選定は2回目だった

「グローバルニッチトップ企業100選」は、経済産業省により、2013年度にはじめての選定が行われました。
国内外で高い競争力を有して活躍する企業のなかで、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などによる差別化により、ニッチ分野において高いシェアを確立している企業100社が選定されました。
これら企業を顕彰するだけでなく、成功例のモデルケースとして、新しく海外進出する企業の参考になることを目的とした制度です。

その後、①デジタル経済の進展、②世界の政治経済情勢の変動、また、③少子高齢化のような社会構造変化など、日本を取り巻く事業環境の変化があったため、2020年度版を新たに選定したとのことです。

経済産業省による選定基準

2020年度の選定基準は、以下です。

  • 大企業:特定の商品・サービスの世界市場の規模が100~1,000億円程度であって、過去3年以内において1年でも、概ね20%以上の世界シェアを確保したことがあるもの
  • 中堅企業・中小企業:特定の商品・サービスについて、過去3年以内において1年でも、概ね10%以上の世界シェアを確保したことがあるもの

応募した249社のうち113社を2020年度版「グローバルニッチトップ100選」として認定しました。

経済産業省ページのリンク

経済産業省の「2020年版グローバルニッチトップ企業100選」ページから選定された113社のリストをダウンロードすることができます。
このリストには、選定された理由(どのような技術または商品が強みなのか)も掲載されています。

ただし、選定企業の多くは非上場企業で、リストには上場企業と非上場企業が混在してリストアップされています。

2020年度版「グローバルニッチトップ100選」上場企業の現在データ

表を作ったキッカケ

「グローバルニッチトップ100選」のうちで上場企業について、現在(または最近)の株価等をまとめた表を探していました。

いくつかの投資関連サイトで「グローバルニッチ関連銘柄」の一覧は掲載されているのですが、「グローバルニッチトップ100選」の選定企業でない会社も混ざっていて、どういう基準で企業を掲載しているのかわからない一覧ばかりでした。

そこで今回は、自分でデータを整理し、表を作成しました。

データの入手元

2020年度版「グローバルニッチトップ100選」の中には、44社の上場企業があります。
上場企業のリストは、「株チェッカー」さんのブログを参考にさせていただきました。
(ごく最近に上場した企業があったら、本記事のリストからは漏れてしまいます。あしからず。)

株価やPER、PBR等のデータは、Kabutanで読み取った2022年10月14日終値を表にまとめます。

「グローバルニッチトップ100選」上場企業のデータ表

「グローバルニッチトップ100選」上場企業44社のデータが次の表です:

銘柄コード会社名価格時価総額PERPBR利回り信用倍率
3407旭化成948.91兆3,513億円8.20.743.71%6.53
3446ジェイテックコーポレーション1,34683.4億円36.63.75-%122
3891ニッポン高度紙工業1,990221億円8.41.081.49%1.26
4027テイカ1,244327億円10.20.582.83%662
4062イビデン4,0505,860億円13.81.490.96%4.4
4082第一稀元素化学工業1,206303億円7.70.932.58%3.35
4186東京応化工業6,1002,624億円12.21.52.56%4.87
4216旭有機材2,257455億円7.70.842.61%1.92
4970東洋合成工業6,450527億円14.72.990.62%218
5185フコク984176億円60.474.99%19.06
5482愛知製鋼2,075419億円0.2-%2.33
5695パウダーテック2,16064.0億円8.40.513.71%
5726大阪チタニウムテクノロジーズ2,8401,132億円70.74.140.49%2.5
5984兼房809115億円8.30.433.66%
6136OSG1,8341,865億円13.21.132.61%1.64
6143ソディック751437億円6.20.493.54%11.93
6145NITTOKU2,427447億円17.91.331.21%16.71
6157日進工具1,119302億円20.91.881.87%8.98
6159ミクロン精密1,351101億円18.30.590.57%
6268ナブテスコ3,0353,753億円15.91.562.52%2.74
6272レオン自動機1,094328億円14.11.062.08%5.1
6278ユニオンツール3,395686億円13.60.952.42%0.26
6284日精エー・エス・ビー機械3,645582億円101.292.64%2.34
6289技研製作所3,010873億円24.32.092.26%15.83
6349小森コーポレーション698410億円13.50.384.17%0.85
6363酉島製作所1,288387億円9.50.853.31%1.38
6373大同工業71779.8億円40.294.11%29.02
6376日機装937721億円40.622.58%3.02
6384昭和真空1,40091.6億円80.84.96%
6473ジェイテクト9413,299億円13.20.512.29%11.35
6481THK2,4443,179億円9.70.88-%2.06
6814古野電気1,041343億円13.60.652.33%1.21
6841横河電機2,2676,232億円22.11.791.47%0.27
6859エスペック1,724419億円110.873.91%93.9
6914オプテックスグループ1,972771億円15.81.861.76%7.21
6920レーザーテック16,5651兆5,963億円46.320.990.76%2.81
7012川崎重工業2,2963,955億円12.30.762.12%12.31
7250太平洋工業1,038652億円6.70.463.95%2.11
7408ジャムコ1,356388億円44.53.42-%1.72
7730マニー1,9782,197億円40.54.451.61%5.55
7747朝日インテック2,4697,043億円56.85.90.53%2.7
7826フルヤ金属7,580557億円5.61.473.33%57.5
7856萩原工業1,038156億円15.90.573.43%0.22
7963興研1,67386.0億円13.90.741.48%262

エクセルでソートをかけてみたい方は、csvファイルのダウンロードをどうぞ:

gnt-ansi.csv

グローバルニッチトップの有効期限について

グローバルニッチトップは、2013年、2020年の2回選定されました。
連続受賞は、100社のうち13社でした。
上場企業で連続受賞したのは次の5社です。

  • テイカ(4027)
  • 東京応化工業(4186)
  • 小森コーポレーション(6349)
  • エスペック(6859)
  • フルヤ金属(7826)

選定が繰り返されたことと、連続受賞があまり多くないことは、7年程度で事業環境が大きく変化し、新しく選定する必要が生じることを意味するのかもしれません。

2020年度版はすでに2年経過してしまっていますが、まだもうしばらくは賞味期限はあるのでないでしょうか。

まとめ

「グローバルニッチトップ100選」は、経済産業省が国際競争力が高いニッチ企業を選定し認定する制度です。これまで、2013年、2020年の2回選定が行われました。

本記事では、2020年選定の113社のうち、上場企業44社について2022年10月14日終値での株価、時価総額、PER、PBR、配当利回り、信用倍率を表にまとめました。

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