『柳生忍法帖』東京新公を見たんだ・1

星組公演感想,星組

ライブ配信で星組東京公演『柳生忍法帖』の新人公演を見ました。
気合いで退勤して観劇しましたよ。
見れてよかった!

新公の雑感

楽しかったー!!

今の星組の若手ってけっこう上手い人が多くて。
(ある時期の、技術はともかくキラキラしてたのも面白かったけどさ)
日本物とはいえ、けっこう安心して観られるんですよね。

主演コンビも2番手も実力派の若手だし。
七本槍のメンバーも経験値のわりにじゅうぶんな出来。
脇も良い。芝居も歌もできる生徒がしっかりいる。

『柳生忍法帖』は役が多い作品で、とにかく若手・下級生にまで役がつくのがいいですよね。
1つ1つの出番や見せ場は多くなくても、とにかくセリフなどで経験を積める。顔も売れる。
ファンにすれば「あの気になる子は誰!?」となったり「○○ちゃん、歌がうまくなったねぇ」などと追い続ける喜びも得られる。
そして宝塚ファンをやめられない(笑)。

新公の担当は本公演と同じく大野センセイです。
演出などに大きな違いはなく、新公独自のアドリブもなかったんじゃないかな。

カメラワークのためか、トンチキ感はナマで観たときより控えめでした。

柳生十兵衛あまと

今回主演のあまとくん。102期生、新公主演は2回目です。
文化祭から「芝居うっま!!!」で気になってただけに、真ん中で演じてるのを見られるのはほんと嬉しい。
現在は子役も多いけど、本来大人の男が演じられる人だと思うしね。

で、配信で見た新公ですが、やっぱり上手い、なにやらせても上手い。
視線の使い方などもいい。大柄ではないのに、押し出しも迫力もある。
プロローグでは動きにキレがあるだけでなく、ゆったりと空間を使えるようになったと感じました。

大劇場での新人公演ではノドをつぶしてたと聞き心配なところもありました。
東京公演は、ほんといい声、聴かせるねえええぇぇぇぇ!!

今まであまり考えたことがなかったけど、あまとくんは声がいいんだな。
聞いてて痺れるようなかっこよさがあります。気持ちのいい美声だわ。
発声などは本役のこっちゃんに寄せてる部分もあるのかな、似て聞こえました。

この前買った若手男役本によると、何度かノドをつぶしてるようで苦労してるのね……。
本来、かれはあまりノドが強いタイプではないのかも。
でもそうは感じさせないくらいには美声で、歌もセリフもよかったです。

歌はね、本役がこっちゃんですから、いくらかの聞き劣りはします。ていうか聞き劣りしない人なんてたぶんいないでしょう。
殺陣しながら、芝居しながら歌いまくってもブレることなく歌いきれるなんて、あれはこっちゃんが化け物なだけなんや……。
でも新公としては十分すぎるくらいに上手かった。殺陣とかこなしながらあれだけできる生徒はそうそういないと思うわ。

「柳生十兵衛」としての芝居も血が通ったもの。
男くささも十分にあり、ニヒルで食えない風情のところもとても良かった。
沢庵和尚を説き伏せるところも説得力のあるセリフでした。

ゆらの遺骸を置いて堀の女たちを救いに行く「さらば」の声の名残惜しさもよかったです。
本公演より、ゆらへの慕情が強く感じられました。

主演としての華もあり、良いセンターぶりでした。

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