インフラファンドとは:その① ~分配金利回り、将来性、リスクについて~

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 インフラファンドという投資アセットをご存じでしょうか?比較的新しく誕生した分野なのでまだなじみのない方もいらっしゃるかもしれません。現在7つのインフラファンドが上場していますが、いずれも株式やREITと比べると分配金の利回りの大きい銘柄が並んでいます。私は分配金がある程度安定している点と株式に比べて値動きが小さいと感じていることから、ポートフォリオに組み込むことで分散効果があると思い投資資産の 10% 程度を保有するようにしています。今回はインフラファンドの仕組みやその魅力的な分配金の水準、私が考えている将来性やそのリスクについて説明していきたいと思います。

インフラファンドの仕組み

 インフラファンドは太陽光発電所や港湾施設などのインフラを投資対象としています。以下は日本取引所にあったインフラファンドの仕組みの抜粋です。

インフラファンドの仕組みも基本的にはREITと同様で、多くの投資者から資金を集め、インフラを保有し、そこから生じる収益等を投資者に分配します。

日本取引所ホームページより

 利益の 90% 以上を配当として投資家に分配することで、法人税が免除されています。ただこの措置は上場から 20 年間のみというのが REIT と異なります。こののちどうなるかはまだわかりません。現在は実質太陽光発電所のみが投資対象です。太陽光発電所は FIT という制度で、発電所が稼働してから売電価格が 20 年間固定されています。また太陽光の量は大きく変動したいため、年間の発電量は安定しているといわれています。そのため売電収入は読みやすい投資先といえます。(ちなみにFITとは太陽光発電、風力発電などで発電された電気を電力会社が固定価格で買い取る制度です) そのため投資家に分配する分配金をかなり将来まで予想を提示しているインフラファンドもあります。また分配利回りはおおむね 5~7% の間で推移していることが多いですね。

インフラファンドの将来性とリスク

 先にも述べましたが現在日本のインフラファンドはその投資先がほぼ太陽光発電となっています。今後風力発電など別の再生可能エネルギーに投資する可能性があります。今後再生可能エネルギーの割合が増えていくことは、潮流となっておりますので再生可能エネルギー市場の拡大という将来性はあります。政府の後押しもある程度ある可能性もあります。また今後再生可能エネルギー導入が盛んになることにより、技術革新も進む可能性は高いです。効率が上がることにより、インフラファンドの収益力が向上する可能性がありますね。

 リスクとしては法人税減税措置が上場から20年という点、FIT により売電収入が保証されるのも20年都いう点です。20年後に法人税が課せられることで投資家への利益還元が低下する可能性や、FIT終了により売電価格が低下することになればインフラファンドの収益も低下することとなります。一方でFIT期間中もある程度のリスクはあります。インフレが進んでもFITにより売電価格は変わらないため、実質的に価値が減少していく可能性はあります。

どのような投資先か

 20年後の将来は正直見通しにくいですが、それまではある程度の収益は見込みやすいので安定した配当を得たい、という方には向いた投資先かと思います。FITが始まったのは 2012年からですので、古い太陽光発電所でも2032年ごろまではある程度安定していそうです。また初めて上場したインフラファンドはタカラレーベン・インフラ投資法人ですが、これは2016年6月です。ですので2030年ごろまでは少なくとも安心して持っていられるのではというのが個人的な見通しです。その後は社会情勢や再生可能エネルギーの発電効率がどうなっているかなどを総合的に判断して保有継続かどうかを判断する必要があると考えています。

 今回弊ブログでインフラファンドについてまとめてきました。インフラファンドに長く興味があり投資もしてきていましたが、今回勉強してみて今まできちんと理解できていなかったことも多かったと改めて感じましたね。素人なりの理解ですが皆様の参考になりましたら幸いです。これまでのまとめ記事も紹介しておきます。

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 それでは、また。

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