ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

愛知県の東西分水工

2023-02-25 06:54:22 | 愛知(ダム/堰堤)
どーも、ワシです。さて、今回は愛知県新城市日吉大坊(しんしろし ひよしだいぼう)にある東西分水工を目指します。目的地は新東名高速道路の新城インターチェンジの南南東に位置し、豊川と並行して走る県道69号(県道443号)の「東西分水工」の看板のあるところを入って行くと到着します。

この東西分水工は以前訪れた大野頭首工で分水した豊川用水を東部幹線水路と西部幹線水路に分けるための施設です。

下の案内図に出ていますが、豊川用水はここで東部幹線水路と西部幹線水路に分岐します。これは下流側から見た東部幹線水路の始まり部分。写真奥にちょっと見えるのが豊川用水の水路。

ユニークな形をしたこれはネルピックゲートと呼ばれるもので、用水の流量が変動しても水位を一定に保つ働きをするそうな。別名「水位調整堰」とも言います。ネルピックとはこれを考案したフランスの会社「アルストム・ネルピック社」にちなむものですが、このゲートが優れているのは動力を用いることなく水圧の力によって水位を自動的に調節できるところにあるらしい(参考)。

このゲートを通過した水はあちらへ流れてゆき、東部幹線水路になります。


一方、これと並んで配置されているのが西部幹線水路の開始部分。

ここに設置されているゲートは「スルース・ゲート sluice-gate」。名称に由来があるのかと思いきや、これは訳せば「水門」。なんだよ〜、深読みしたやんか。これは上流の水位が一定の場合、開閉操作により流量を調節するようです。

「水門」を通った水はあちらへ向かい、西部幹線水路になります。


近くにある東西分水工についての案内板。それによれば豊川用水事業は愛知県の東三河地域と静岡県の湖西市(こさいし)地域に農業用水と上水道用水、そして工業用水を供給する目的で整備され、昭和43年に通水が開始したそうです。その後、人口増加と生活水準の向上、そして工場が建設されたことで恒常的な水不足に悩まされることに。そこで用水の安定供給を目指して新たな水源を確保するための豊川総合用水事業がスタートし、平成13年(2001年)に完成し現在に至っているそうな。この東西分水工がいつ設置されたのかは書かれていませんが、少なくとも2001年までには設置されたものと思われます。


東部幹線水路を下流へ向かっていくと大原調整池から合流したり、また、西部幹線水路を下って行くと駒場調整池に流れ込んでいるのがわかります。その意味でいえば東西分水工の果たす役割がいかに大きなものであるのかがわかりますね。

当ブログではそれぞれの築造物を「点」として紹介していますが、それぞれの点はなんらかの水路によって結ばれていて、ある時、点と点が線になった瞬間、なるほど、そうだったのかと合点がいきます。そして水利事業の大変さと素晴らしさに感銘を覚えたりするんですよね。

なんか、ワシ、キザなこと言ってる?

へへへ。

ちなみに奈良県御所市にも東西分水工がありましたね。(参考
コメント    この記事についてブログを書く
« 少し兄貴!…新戸川砂防ダム(... | トップ | 地域生活のための…西屋敷川砂... »

コメントを投稿

愛知(ダム/堰堤)」カテゴリの最新記事