社会人選手の苦労はやはり練習時間の確保でしょう。
学生であれば週5日以上の練習も可能ですが、社会人は日々の仕事があるため練習時間が限られます。
多くの方が週に1回や2回、仕事終わりや休みの日に練習をしているのではないでしょうか。
そういった時間のない選手が試合で勝つには、限られた時間でいかに効果の高い練習をするかが重要です。
今回は練習時間を確保できない選手が優先して行うべきことについて解説します。
前提として基礎は出来ている人が試合で勝つことを目的としています。
「課題練習で何をすればいいかわからない」そんな方は是非参考にしてください!
結論:優先的に行うべき練習とは
課題練習で何をするか悩んだら下記を優先的に行ってください。
- サーブを取り入れた練習
- レシーブを取り入れた練習
- 3球目、4球目の練習
理由は単純で試合で必ず使う技術だからです。
今回卓球YouTuberの試合を3つほど分析しました。
レベル的には中~上級者となり、基礎的な技術が出来るうえで、その精度や質が高い選手達です。
1試合目:シェーク裏裏vsシェーク裏裏(両者ラリータイプ)
1試合目は有名な某卓球YouTuberのオープン大会での試合です。
どちらもシェーク裏裏の正統派ドライブマンで、1発の威力は高くないもののオールマイティーで穴が無いタイプです。
1試合のラリー回数は下記のとおりです。
ラリー回数 | 1球目 | 2球目 | 3球目 | 4球目 | 5球以上 |
得点数 | 18 | 20 | 15 | 13 | 23 |
得点比率 | 20% | 22% | 17% | 15% | 26% |
シェーク裏裏同士の戦いで、卓球で一般的に多い組み合わせではないでしょうか。
サーブ、レシーブで42%となっており、3球目までで59%、4球目までで74%となります。
逆に5球目以降のラリーとなると26%となり、4回に1回程度しか続いていないことが分かります。
2試合目:シェーク裏裏vsシェーク裏裏(ラリータイプ・変化タイプ)
こちらもシェーク裏裏同士の戦いです。
県大会3回戦となり、レベルの高い選手同士の戦いとなります。
一方は正統派ドライブマン、一方は守備的な戦型で多彩なサーブ・レシーブや変化をつけたブロックでミスを誘うプレースタイルです。
1試合のラリー回数は下記のとおりです。
ラリー回数 | 1球目 | 2球目 | 3球目 | 4球目 | 5球以上 |
得点数 | 5 | 11 | 15 | 3 | 20 |
得点比率 | 9% | 20% | 28% | 6% | 37% |
1試合目と比較し守備型がいることでラリー回数が増えています。
しかし、3球目までのラリーは57%となり、4球目までで63%となります。
ラリーの多い試合でも4球目までに得点となる比率が高い結果となりました。
3試合目:シェーク裏裏vsペン裏(ラリータイプ・パワータイプ)
最後は全国大会4回戦となり、一番レベルが高い試合となります。
ラリータイプのシェークドライブマンとパワータイプのペンドライブマンの戦いです。
1試合のラリー回数は下記のとおりです。
ラリー回数 | 1球目 | 2球目 | 3球目 | 4球目 | 5球以上 |
得点数 | 12 | 7 | 16 | 4 | 5 |
得点比率 | 27% | 16% | 37% | 9% | 11% |
こちらの試合は5球目以降のラリーが11%と10球に1球程度しかありません。
両者球のスピードが速く、回転量が多いため大きなラリーになる前に得点となることが多かったです。
そして3球目まででも全体の80%となり、非常に高い比率となりました。
試合動画総括
上記3試合をまとめた結果が下記となります。
1球目 | 2球目 | 3球目 | 4球目 | 5球以上 | |
1試合目 | 18 | 20 | 15 | 13 | 23 |
2試合目 | 5 | 11 | 15 | 3 | 20 |
3試合目 | 12 | 7 | 16 | 4 | 5 |
合計 | 35 | 38 | 46 | 20 | 48 |
割合 | 19% | 20% | 24% | 11% | 26% |
サーブレシーブで約40%、3球目までで約60%、4球目までで約75%が得点となっています。
いかがでしょうか、思ったよりラリーが続く回数は少ないと感じませんか。
対戦相手のレベル、戦型によってラリー数の比率も変わってきますが、1〜4球目が重要なことには変わりません。
つまりサーブ、レシーブ、3球目、4球目の練習を行うことが、試合で勝つ上には最も効果がある練習と言えます。
連続攻撃やドライブの引き合いの練習をいくら行っても、相手のサーブを返球できなかったり、レシーブで決められてしまっては意味がありません。
ラリー練習を捨てるわけではありませんが、まずは4球目までの質を上げることをおすすめします。
普段ラリー練習ばかりを行っている方はその比率を見直してみてはいかがでしょうか。
おすすめの練習内容
4球目までの質を高めるために、おすすめの練習内容を紹介します。
サーブ練習
サーブ練習は一人でも出来るので時間を見つけて積極的に行ってください。
練習前に時間を取ったり、休憩時間や練習後に残って行うのも良いでしょう。
普段の対人練習ではサーブを出す機会が少ないので、サーブ練習で数をこなすと良いでしょう。
サーブは回転量よりコントロールが最も重要です。
出来るだけ低く出す、狙ったコース・長さで出すことで相手の強打を防ぐことが出来ます。
また、サーブの種類が少ないと相手に慣れられてしまい厳しいレシーブがされやすいので、複数の種類のサーブが出せるように練習しましょう。
レシーブ練習
レシーブ練習では下記2パターンでの練習方法がおすすめです。
- 苦手としているサーブのレシーブをする
- 回転やコースを指定せず、様々なサーブのレシーブをする
1つ目は過去の試合を振り返り、取れなかったサーブやレシーブが甘くなってしまった苦手としているサーブを練習相手に出してもらいましょう。
試合でも対人練習でも苦手なサーブを受ける機会は少ないので、自分でその機会を作らないと克服することは難しいです。
2つ目は回転やコースを指定せず、様々なサーブを出してもらいそれをレシーブする方法です。
ランダム性を持たせた練習で、打てる打てないの判断やどの返球方法で返すのか瞬時の判断が必要となるので、判断力を鍛えることが出来ます。
多球練習が出来る環境であれば、ひたすらサーブを出してもらいレシーブのみをするという方法が、短時間で多くのレシーブを出来るのでおすすめです。
1球練習であれば以後解説する4球目練習とセットで行っても良いでしょう。
3球目練習
3球目攻撃の練習で重要なことは、試合と同じ質でサーブを出すことです。
3球目の練習だけになってしまうと、サーブ後の戻りを意識しサーブが甘くなってしまうことがあります。
実践で使用するサーブを出し、その後の戻りを速くすることや、実践に近いレシーブ打つことで試合でも通用する3球目攻撃を身につけることが出来ます。
まずは指定した場所に返球をもらい、8割以上は返球できるように練習をしましょう。
コース指定で3球目が打てるようになったら、全面にボールを送ってもらい、できる限り厳しいレシーブをもらいましょう。
その中でレシーブが甘くなるようにサーブの出し方を工夫すると、サーブの技術も合わせて鍛えられます。
自分がどの様なサーブを出したらどこに返球が来るのか予測出来ることも重要です。
また、読みが外れた際も強いボールでなくても良いので返球が出来るように、繋ぐ力も身につけましょう。
4球目練習
卓球ではサーブ側が有利とされており、レシーブ側でイーブン以上を取れていれば試合を優位に運ぶことが出来ます。
また、サービス+3球目は練習している人も多いですが、レシーブ+4球目の練習はあまり行われておらず、レシーブ後の展開を苦手としている人も多いです。
まずはシンプルにツッツキやストップなどの質を上げ、相手に3球目攻撃をさせずに4球目攻撃を打てるように意識しましょう。
相手のレベルが高い場合は、良いレシーブでも3球目攻撃をされてしまいます。
3球目攻撃の球威を下げるレシーブや4球目をブロックで凌ぐ練習も行いましょう。
例えば返球を台の角に返球するとクロスに返球されやすく、ストレートへ厳しく返すのが難しくなります。
合わせて台の深くにツッツキを送ることで、長い返球が返って来るので3球目のコースを限定することが出来ます。
3球目が甘ければカウンターを行い、厳しい場合もしっかりとブロックで繋ぎ、その後のラリーで得点が取れるように練習をしましょう。
まとめ
今回は練習時間が確保できない人が、何を優先的に行うべきかを解説しました。
結論としてはサーブ、レシーブ、3球目、4球目までを優先的に練習をすることをおすすめします。
今回調査した試合のおおよそ75%が4球目までに終わっており、そこまでの技術の質を上げることができれば得点率を格段に上げることが出来ます。
確かにラリーを続けることは楽しいですし、卓球の醍醐味でもあります。
また、フットワーク練習や切り替えの練習などは身体の疲労感があり、練習をやった感があります。
しかし、それらの練習では不規則にボールが返ってくる試合では対応が出来ません。
試合に勝つためには、続かない練習であったり、サーブ練習など地味な練習も必要です。
練習の為の練習をしないということを意識して頂き、目的を持って練習に取り組みましょう。
本記事が日々の練習の参考になれば幸いです。
おはようございます
これは社会人卓人の永遠の課題ですねー。
僕は週に一回ラケット持てるかどうかぐらいなんですが、練習より試合中心です。
リーグ戦の大会=練習になっていますね
中辻さん
こんにちは!
やはりなかなか練習時間は確保できませんよね。
試合に強くなるには試合数をこなすのも良いですね。
色々な人のサーブを受ける機会があれば、レシーブもうまくなりそうです。