日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

いささかうすら寒く閑かな日本の大学キャンパス

2024年05月07日 07時27分42秒 | 政治
 イスラエルによるパレスチナ地区ガザ侵攻への無差別攻撃の激化に伴って、米国のコロンビア大学、イェール大学、ニューヨーク州立大学などで始まった抗議デモ、これが全米の大学、わけても名門私立・州立大学等に燎原の火のように燃え拡がっているという。
昨年10月7日のイスラム組織ハマスによるイスラエルへの大規模攻撃事件が勃発したときには学生たちはハマスに対して抗議していたのだが、ネタニヤフ首相によるガザへの無差別攻撃が始まるや一転してイスラエルへの抗議が優勢になり、それに伴うように大学当局への政治的圧力が及ぶに至って先鋭化していったようである。このほぼ半年にわたる時間経過の中で第二次世界大戦以来の対ユダヤ感がめまぐるしく変化していったような「歴史の早送り」が起こったような雰囲気を感じる今日この頃である。
第二次世界大戦をはさんでその前後においてアメリカにおけるユダヤ・ユダヤ人観はヨーロッパ大陸でのそれ、特にドイツやポーランドなどとは少々異なって表向き差別感は少なかったと言われている。アメリカの資本市場におけるユダヤ資本の占有率が大きかったことも与ってのことではあったのだろうが、ナチスと争そうドイツ=ヒットラーに対抗する政治的立ち位置としても親ユダヤ的である必然性もあったのだろう、が・・・。
全米でのその歴史的ユダヤ観は比較的に冷静?で、それゆえに昨秋のハマスのロケット攻撃は件の大学生たちからも非難されるものであった。しかし、これに対するイスラエルのガザへの10倍返しの反転攻撃は明らかに民族浄化の殲滅作戦と見られても仕方のない規模と威力と結果を呈している。これが正義感に燃える若い学生たちには許せなかったのであろう。実にユダヤコンプレックスと言うべき反応と言ってもよい。それでも、アメリカ西部のUCLAなどではキャンパス内でユダヤ批判ばかりでなくハマス批判のデモも同時に起こっているとも報道されているというから、これはアメリカらしい反応と言うべきものと筆者は感じている。
それにしても、他所の国はともかく日本の学生が、フンともスンとも言わないのはどういうわけだろう?!。ユダヤ・パレスチナ双方は言うに及ばず、中東情勢の判り難さがあるとはいえ、しわぶき一つ聞こえないのは如何なものか? 全米名門大学生のように「闘争せよ」とは言わないが、まるで「皆殺し」体制のナタニヤフ政権への抗議の声を上げるぐらいの「知的エネルギー」が発露されないのは、筆者の本心では寒々しく感じている今日この頃である。

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