日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

群馬県知事の悔しさは記号論理学の問題である

2021年10月18日 07時33分09秒 | 政治
 「都道府県魅力度ランキングに対し法的措置を検討――群馬県の山本一太知事の発言が波紋を呼んでいる」と題して、群馬県知事さんのご立腹が話題になっている。そして、それを冷やかす新聞川柳:「群馬県 笑い飛ばせよ 空の風」(山梨県 台原洋 朝日川柳)
 「都道府県魅力度ランキングは、民間の調査会社『ブランド総合研究所』が年1回おこなっているもので、点数が大きいほど消費者はその地域を『魅力的』と感じる人が多いことになるといい、群馬県は2021年、44位(前年40位)と順位が下がった。これに対し、山本知事は10月12日の臨時会見で『なぜ群馬県の順位が下がったのか、判然としていません。根拠の不明確なランキングによって、魅力がないと誤った認識が広がることは、県民の誇りを低下させるのみならず、経済的な損失にも繋がる由々しき問題で、弁護士とも相談の上、法的措置も検討して参りたいと話した」(2021/10/13 「弁護士ドットコム」)という。
 筆者はこの知事さんの怒りのご様子をTV報道でも見たのだが、どうやら彼は本気で怒っているようで、そのことでも改めてびっくりしたのである。なるほど「魅力度ランキング」という「命名」を字句どおりに読んだ上で、46都道府県中魅力度44番目と言われればビリから3番目の「魅力的でない県」というようにも読めないこともなく、地域思いの知事さんにとっては悔しくなっても不思議ではないかも知れない。
 この「調査」は、主催団体の説明によれば全国各市町村の認知度・情報接触度・情報接触コンテンツ・観光意欲・居住移住意欲・イメージ・産品購入意欲等々の主催団体が定めた「特定項目」に対してのアンケートから判断した結果について「仮に」魅力度と命名して発表したものであって、これをもって「魅力度」と丸めた「名称」を付けることが妥当であるか否かは大いに議論の余地のあるものではあろう。その「余地」をどの程度の厳密さにおいて承認するか否かが、情報の受け手の「記号論理学」的判定であるがゆえに大いに問題をはらんでもいたのである。
 その「記号」理解の結果が、最下位であることを積極的に受容することで、その無意味性を承認させてしまう極めて政治的手段をとった茨城県大井川知事や栃木県福田知事のような老獪な?指導者もいるし、上記山本知事のように怒りをもって格闘する「熱血人」もいるということである。
 そもそも、この魅力度ランキングなるもの、主催者の言として「消費者調査を行い、その結果を発表しているだけであり、調査結果の発表を押さえつけようという発言であれば、それは言論の自由、報道の自由を妨害することでもあり、世の中のすべての調査結果の公表・公開を妨害するということになるのではないでしょうか。 まさか、そのような考えでの発言とは思えませんので、この発言の意図が理解できないというのが率直な感想で、困惑しております」(2021/10/13 「弁護士ドットコム」)と言ったという。
 群馬県知事には「笑い飛ばせよ 空の風」とは好い助言であろう。。

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