日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

自家撞着の少子化対応、少子化に一層拍車をかけた自民政権

2023年02月03日 07時38分59秒 | 政治
 「共産党の小池晃書記局長は27日、参院本会議の代表質問で、日本の少子化の背景に『明治憲法下での家父長制や男尊女卑の家族制度を<美しい国>と美化する自民党政治』があると批判した」(2023/01/28東京新聞)。これは正しい指摘だ。
 子育てに関するこの国の関わり方は実に冷淡で、戦前にも「消耗品としての兵隊」を確保するために「産めよ増やせよ」と国民に激しく働きかけたもだが、だからと言って子供手当を出して子育てに国が援助したなどという歴史を知らない。このことは今もあまり違わず、子育ては社会が担うものではなく家族が担うものだとして、民主党政権時代に一律児童手当を支給していたのに反対し、再度復権した安倍政権ではまっ先に所得制限を復活させたのだったが、小池氏の主張はそれをとがめたもののようである。
 「これに対し、岸田文雄首相は直接の答弁を避けつつ、『これまでの(政府の)取り組みで女性の就労は大きく増えた』などと主張。ジェンダー平等に関しては多様性が尊重される社会の実現に重要だ」と述べるにとどめた」(同上)
 昨年一年に生まれた赤ん坊の数は、前年度比ですら5%減という驚くべき数字で、結果75万人程度と見なされている。年率8%減とは、絶滅危惧状態というべきだ。つまり、この国の人口維持は腰砕けの状況であって、システム論的には復活の可能性の無い弾性限界を迎えてしまった事態であろう。もはや植民政策への転換が必要な事態だろう。
 子供手当に所得制限を加えるという論理はどこから持ち出してきたのであろう? 子持ちと所得は原則的に無縁であって、人間心理として自己の生命の延長としての次世代への遺伝子の伝達は万人の意識せざる願望である。それに対して所得の有無で国家が支援をしたりしなかったりするのは論拠を全く持たない暴論である。
 所得の多寡に関して課税する「所得税率」はその納税者が持つ子供の数とは無関係のものとして適切に決めればよい。万人が等しく願望する事象に対して所得の多寡によって褒めたり褒めなかったりは無根拠も甚だしい。甚だしい言いがかりをつけたから小池氏に政府与党は軽蔑されたのであろう。反論するまでもない当然のことだ。
 自民党の茂木幹事長は、前非を悔いてかどうかはともかく、今国会代表質問で子供手当の所得制限撤廃を提案した。誤りを正すことは善いことだ。悔い改めるのに躊躇は要らない。所得制限フリーの国民皆子供手当法案を、たまには与野党一致して成立させたらよい。

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