日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

日本政府の「SDGs」への本気度が空けて見える

2021年10月20日 06時31分10秒 | 政治
 「ことばを覚えたチンパンジー アイちゃん」で有名な京都大学付属霊長類研究所は、霊長類に関する研究で、イギリスと並んで日本が誇る世界屈指の学術成果を誇る研究所である。今も、世界各地の森の中で研究活動を続け、日々豊かな成果を上げている。地球環境の劇的な変化、加えて開発による生物多様性の危機など、いよいよもってその研究活動の必要な時代において、予算に困窮する当該大学とその後ろで手配する文部科学省はこの研究所の規模縮小に大ナタを振るという。
 「京都大霊長類研究所(愛知県犬山市)の研究費不正問題を受け、大学側が今月中にも研究所の再編を決定する方向で調整していることが14日、大学関係者への取材で分かった。名称を変更し、学内の重要組織である「附置研究所」から除外するなど大幅な規模縮小を検討。日本の霊長類研究をリードしてきた著名な研究所だったが、関係者は『事実上の解体だ』と指摘している」(2021/10/15毎日新聞)。
 問題の発端は、愛知県犬山市にある同研究所のチンパンジーなどの檻の設置や修繕の名目で非合法的な会計処理をしたということ、これを主導したのが定年規定を外された元教授であったことなど、部内における人間関係も含む行き違いがあったように見受けられる。ここで生起した問題の不適切さについて筆者は詳らかにしないが、そのことと件の研究所の世界に冠たる存在とは自ずと分別すべき問題である。
 この新聞報道を受けてネットでは異議申し立ての投稿が大量に寄せられている。そのごく一例;――
・「国は、研究費をケチっておいて、大学が無理栗捻出したら、見せしめで吊し上げか。
 政治家の不正は、全省庁、官僚、政治家を動員して隠蔽したのに?ひどい国になったね」
・「これ、霊長類研究では日本を代表するどころか、世界を代表する研究所なのに、それを解体するのか。別に、再発防止をちゃんとすればいいだけの話なのに、研究所を解体してしまっては、手ぐすね引いてその地位を奪いたい国や大学がほくそ笑むだけだろう。はっきり言って、日本における貴重な世界先端の研究所を自ら放棄するなんて、本当に馬鹿げている」。
 こういう大人の反応があるところ、まだまだ日本の世論は一部に健全さが残っているい思い知ったのが収穫ではあったのだが、付置研究所からの格下げということになると、財政的にも人員的にも現状維持は心許ないはずである。
日本政府の「SDGs」への本気度が、こんなところからも空けて見えてくるのであるが・・・。

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