日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

世に「無用の長物」というモノは無いということ⁈

2021年10月21日 07時48分32秒 | 政治
 この二年のコロナ騒ぎの中で、人間社会はありとあらゆる面で縮退してきたのではないかなどと筆者は決めてかかってきた。しかし必ずしもそうではない、らしい? そういう中の一つがマスクである。1ミクロンに満たないウィルスを遮断するという細菌学の見地からの機能性だけでも甲論乙駁・千差万別果てしもない提案の有ることは言うに及ばないが、なにしろこれが顔を覆うという個人の美容・美貌に関わる存在故にその美的デザインの重要性は時として本末を転倒させて消費させる程のものである。かくて、いまや幾百幾千のマスクが薬局・薬店からスーパーの売り場に陳列されている。その千変万化は筆舌に尽くし難い。
 ・・と気が付かせたられたのは、ある日のことかかりつけの歯科医院で、睡眠中に喉がカラカラに乾燥するのだが何故かと尋ねると先生曰くに、「いい歳をしてそんなことを知らないの? 口を開けて寝ているからですよ」という答え。しからばどうすればよいかというと薬局に「マウステープ」というものを売っているからそれで口封じをしなさいという答え。
 早速、買ってきてこれをつけてみると快調は快調だが、なんだか発言を封じられているよう感じが悪い。もうちょっと何かないかいなと思案していると、程なく猛暑の神無月が一夜にしてびっくりするほど寒くなった。その時ふと脳裏をよぎったのがあの「不愉快なマスク」だ。国富数百億円(466億円とも260億円とも、はたまた90億円とも、例にしてうやむやのままだったが)を費やして、衛生学上無益にして、美観的にも陳腐な布マスク、それを全国民に郵送するという経済無観念。そのまま廃棄すれば環境悪化につながると思えば捨てられもせず。ただ抽斗の奥に捨て置いた通称「アベノマスク」を思い出した。開けてみると行儀よく2枚、今やこっけいなほどに陳腐な小さなマスクが出てきた。
 これを付けてみると、急に冷え込んだ晩秋の夜の冷気をやさしく包んでくれる。チンチクリンゆえに脇からも正面からも空気が流れ込んで呼気・吸気を邪魔しない。鼻にかけるのでなく睡眠中に思いもかけずやりたくなる口呼吸の乾燥防止機能に期待するのだからきっと問題無かろうと付けてみるとこれが大当たり。
 爾来一週間、まだ試用中だが実に快調だ。家内の分も分けてもらって4つを洗いながら当分使わせてもらおうと思っている。外は空っ風が吹いている。予期に反してアベノマスクにちょっと幸せな気分を感じている。
世に有るものに無駄は無いという高僧の教えが空っ風の中から聞こえてくるような晩秋の夜・・
 

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