[久保MR]レアル・ソシエダVSアスレティック(2022-2023ラ・リーガ第17節)

[久保MR]レアル・ソシエダVSアスレティック(2022-2023ラ・リーガ第17節)

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レアル・ソシエダVSアスレティックの試合結果

3-1 ソシエダ勝利

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レアル・ソシエダVSアスレティックの主な試合経過

12分 【アスレティック】左サイドの崩しからイニャキがボレーシュート。キーパーがセーブ

24分 【ソシエダGOAL】リフレクションからゴール前のセルロートが左足で強烈なシュート

36分 【ソシエダGOAL】ボールを奪ったシルバが久保に縦パスを入れる。久保はディフェンダーとの1対1を股抜きでかわし、左足で見事なシュート

40分 【アスレティックGOAL】左サイドの崩しからサンセットが左足でシュート

62分 【ソシエダGOAL】相手のパスミスから久保がペナルティエリア内でファールを受けPK。PKをオヤルサバルがゴール

75分 久保OUT、バレネチェアIN

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レアル・ソシエダVSアスレティックにおける久保のマッチレポート

久保がMOMに輝いた。

久保にとってはスペインに渡ってからのベストゲームと言っていいだろう。

この日の久保はキレていた。

ゴールやPK獲得はもちろんハイライトだが、それと同じくらい序盤からの軽やかな躍動は素晴らしかった。

ゲーム開始からよくボールが収まり、テンポの良いトラップ、パス、ドリブルは良質だった。

バスクダービーという特別なプレッシャーのかかるゲームにおいてチームに落ち着きとリズムをもたらした。

もちろんシルバを筆頭としてソシエダの質の高い中盤があってこそだが、彼らより1エリア前(この日もFWとして先発)でリズムをもたらした久保のこうした一つ一つのプレーはゲームを優位に進めるうえで最も重要だった。

そしてキレとリズムが揃ったときの久保はスペインいや世界でもトップレベルのタレントだ。ほとんど誰も止められない。さらに今はそんな久保の状態を一瞬で見抜き、彼のスキルを生かせる選手たちが近くにいる。

36分のゴールはその証明だった。

久保の動き、したいプレーを瞬時に察知したシルバは久保が使えるスペースがあるタイミングでパスを送った。

0コンマ1秒でもパスが遅れていたらこの見事なゴールは生まれなかったかもしれない。阿吽の呼吸だった。

シルバからボールを受けた久保は、立ちはだかるあるいは追いすがってきたディフェンダーの股にボールを通し身体をクロスするように入れ替えキーパーと1対1になった。そして冷静に左足でニアサイドにシュートを蹴り込んだ。

このアイデアとテクニック、そして俊敏性は久保のクオリティそのものだ。見事という言葉でも足りない。誰もができるプレーでもない。スペシャルである。

そしてサッカーの神様はこうした乗りに乗っている偉大な選手には往々にしてサービスをする。PK獲得がそのいい証拠だ。

久保がもしチームのエースとなっていれば、彼自身がこれを沈めていただろう。ハットトリックもしたかもしれない。

それくらいの出来だった。

75分でお役御免となったが、久保の持つ才能を改めてソシエダやアスレティックのファン、レアル・マドリード、スペイン、欧州のサッカーファンが認識したことだろう。

久保はカタールW杯では不完全燃焼だった。弱者の戦いを選択した日本代表の1パーツとなり消耗しただけだった。

久保自身にとっても久保のファンにとっても苦い思い出となった。

しかし今ソシエダで見せている数々のまばゆいプレーはそれを忘れさせてくれる。

W杯での日本代表の戦いは素晴らしかった。できることを忠実に行い献身性と忍耐強さと協調性で強者たちに挑み勝利という結果を手にした。日本人の持つ精神性がもたらした素晴らしい勝利だった。

だがこうも思う。あのサッカーで果たしてサッカーに夢を抱くことができるのだろうか、と。次の日子供たちやサッカーファンが真似したくなるプレーは果たしてあったのだろうか、と。

この試合の久保のプレー、特にゴールシーンは誰もが真似したくなるプレーだ。次の日世界中で真似した人たちがいるはずだ。(久保のゴール後のパフォーマンス(ユニフォームを脱ぎ、ユニフォームを掲げ、クラブのエンブレムにキスをする)まで真似た子供たちも多いのではないだろうか(笑)。)

サッカーは久保のような存在がいるからこそロマンがある。

つまり、これがサッカーであり、これが久保建英なのである。