オトカベS3 メリット・デメリット

防音工事(リフォーム)

長らく工事現場と化したまま放置された後、ようやく5月初旬に再び着工した防音室。やっと(ほぼ)完成しました。

この中古物件を購入したときには、防音対策として窓を二重にするだけのつもりだったため、なるだけ広く空間を使えるようにと23畳のリビングスペースにピアノを置くことにしました。ところが、ピアノの音は窓からだけでなく壁からも漏れていることが分かり、急遽、壁も含めた大々的な防音工事をすることになったのでした。

今回は、部屋のなかの吸音、つまり室内のピアノの反響音を抑えて自分自身の耳を守るために施工したオトカベS3についてお話ししようと思います。

オトカベのメーカーである大建工業(DAIKEN)からは、本来オトカベは部屋の壁全面に使うほうがいいと言われました。でも、23畳の部屋全体にオトカベを使うのは予算的に無理があったため、ピアノを囲む部分にだけオトカベS3を施工することにしました。

オトカベS3は、グラスウールをギュっと圧縮して固めた壁材。片側に遮音シートが貼り付けてあります。オトカベS3の上には布クロスを貼る必要があります。

【オトカベS3の効果】

オトカベS3を施工してすぐに感じたのは、明らかに反響音が減ったことです。オトカベを施工する前と後とでは、その場所で会話したときの音の響き方がまったく違いました。音がデッドになるのがはっきり感じられます。

ちなみに、部屋の天井には全面、ソーラトンという吸音材を貼りました。よく会議室などで使われている吸音材です。DAIKENにもオトテンという商品がありますが、予算的に無理だったのでソーラトンにしました。オトテンと比較したわけではありませんが、ソーラトンを貼るのと貼らないのとでは、まったく音の反響の仕方が違います。

オトカベS3とソーラトンを使ったことで、耳にはかなり優しい環境になったと思います。幸い、部屋がわりと広めなので、ピアノから遠い部分にはオトカベ施工はしていないものの、距離がある分ある程度音が拡散され、柔らかくなっているように感じます。家具を置けばもっと音が吸収されて柔らかくなるものと期待できます。

【オトカベS3の欠点】

しかしながら、このオトカベ、実際に施工してみてかなり扱いにくいものだということが分かりました。事前に分かっていれば、別の方法を考えたかも、と思うほどです。

まず、オトカベはグラスウールを圧縮したものなので、とにかく柔らかい硬いものをぶつけると、すぐに凹みます。実際、布クロスを貼る前に何かがぶつかってしまったらしく、数か所に凹みができてしまっていました。仕方なく(オトカベ本来の性能が落ちることを承知しつつ)凹んだ部分はパテで処理してから布クロスを貼ってもらいました。

オトカベS3は、それ自体が吸音材の役目をしているわけですが、オトカベの上に一般的な塩ビの壁紙を貼ってしまうと、それが音を反射してしまってオトカベの性能が発揮されません。そこで、オトカベS3の上には必ず布クロスを貼らなければなりません。布クロスなら音を反射せず通過させるからです。

が、この布クロスというのが、厄介な代物なのです。まず、汚れた場合に、一般的なクロスのように水拭きしたり洗剤を使ったりすることができません。布クロスが水分を含んでしまうと、そこだけ浮き上がってきて表面がブヨブヨになってしまうのだそうです。クロスなんて汚れるものなのに、一旦汚れたら掃除ができないのが布クロスなんですね。

そして、布クロスは結構お値段が高いです。最近では、塩ビなのにまるで布のように見える壁紙がたくさんありますから、わざわざ値段が高くて扱いにくい布クロスを貼るなんて、悲しくなるくらいです。今回は仕方ないんですけれどね。

さらに、DAIKENに問い合わせてみたところ、布クロスを貼りなおす場合、布クロスがオトカベから綺麗に剥がれるとは考えにくいので、オトカベの施工からやり直すことになるだろうと言われてしまいました。そんなぁ・・・。

(追記) 実は、貼ったばかりの布クロスに汚れがつき、どうしてもその部分だけ張替えをする必要があったため、クロス屋さんに汚れた部分とその周辺の布クロスを剥がしてもらいました。クロスはどれも二重構造になっていて、クロスの張替えをする場合は上の部分だけを剥がすらしいのですが、今回オトカベを傷つけることなく表面の布部分だけ綺麗に剥がすことができ、事なきを得ました

布クロスを貼ってからの日数や接着剤の量などにも左右されるので、必ずしも布クロスの張替えがオトカベを傷つけるにできるとは言い切れませんが、うまくいく例もあったということをここにお知らせします。

そして先日工務店の社長さんから、布クロスは時の経過とともにパテ処理した部分がシミになって浮き上がってくるのだと聞きました。えぇ~?! それはショック。クロス屋さんに確かめると、確かに時間が経った布クロスは下のパテがシミとして浮き上がって、かなり見苦しい状態になっていることが多いとのこと。あ~あ。

汚れやすい。ぶつけたらすぐ凹む。簡単にクロスの貼り換えができない。時間が経つとパテのシミが浮き上がってくる(可能性が高い)。なんとも厄介なものを使ってしまったものだと、そこはがっかりです。

性能は高くその効果ははっきりと実感できますが、長い目で見るとこの製品が良いものだと言えるのかどうか。それは分かりませんね~。こういうデメリットはDAIKENでは一切説明されませんが、オトカベ施工を考えてらっしゃる方は、こういうデメリットもあることを含めて検討なさると良いと思います。

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